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2年目で競合を買収。Yコンビネーターも認めた生理用品D2C flexの創業ストーリー

注目のフェミテックD2Cスタートアップ。flex(フレックス)

ひょんなことから月経ディスクに興味を持ち、それが一体なんなのかを考察したのが前回。

結論、月経ディスクは生理用品のカテゴリの中でまだまだ新しい商品で、ブランドも2つしかないことがわかりました。

そのブランド2つはどっちもflex社が持ってる?!

ということで、今日はflex companyについて調べてみたいと思います。

flexは2015年創業のピカピカのフェミテックD2C。

ファウンダーのLauren Schulteは、15年もの間イースト菌感染症に悩んでいました。実は使っていたタンポンと関係するということを知り、今までのナプキンやタンポンとは異なる新しい生理用品の開発に乗り出します。

そして、副産物ではあるものの月経ディスク最大のウリである「生理中のセックス」を武器に2016年のYコンビネーターのクラスに選出!

ここからローレンの快進撃が始まります。

キーマイルストーン
・200人の女性にプロダクトをテストしてもらう
・Flexのトライアル申し込みに3ヶ月で2万人を獲得
・それに使った広告費はゼロ
・それ以降も毎週1,000件の申し込みが続く
・申し込みの25%は男性

順調にマイルストーンをクリアし、会社設立から1年で約2,500万円を資金調達。

それにしても、月経ディスクの初期ユーザーの25%が男性って興味深い。。。生理中のセックスに悩んでいるのは女性だけじゃなかったんですね。

2015年に創業したFlexは、1年かけてプロダクトを開発します。そして2016年4月にプレオーダーの受付を開始し、9月より発送を始めました。2017年には小売にも事業を拡大していきます。

取り扱い店舗は小売大手のターゲットと薬局大手CVS全店舗。そしてWalgreensなど合計7,000店舗。2020年6月のインスタの投稿によると、今年の終わりには25,000店舗まで拡大予定なんだとか。

自社ECからスタートし店舗に拡大していくやり方は、剃刀サブスクとか他のCPG系D2Cと一緒ですね。確かHarry'sもターゲットに卸していたはず。

スタートアップ界隈の方ならここで1つ疑問が湧くはず。

創業1年の会社flexがどうやって老舗メーカーSoftcupを買収したのか??

気になりますよね。

ということで、資金調達の流れを調べてみました。

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これまでに累計8億円くらい調達。YコンやAmplify.LA、Bowキャピタル、Halogenベンチャーズなど既存株主からの追加調達を繰り返しているのが特徴で、これはマイルストーンを順調にクリアしているといういいサインです。

Flexは2016年8月にSoftcupを買収しているので、同月に調達した1億円で買収を実行したことが予想されます。相当赤字があったのか、売上が少なかったのか、当時flexにとってsoftcupは最大の競合だったはずなので、1億円で買収できたのは安い買い物な気もします。

2ヶ月後の2016年10月に追加で3億円調達しているので、それがSoftcupとFlexのマーケティングやディストリビューションのための資金になったんでしょうね。

Flexは月経カップのスタートアップKeelaもしれっと買収していた!?

見出しの通りなんですがクランチベースを見ると、Flexはもう一社買収してるんですよ。それが Keela LLCという会社。買収したのは2018年の10月と出てるので、同じ時期に調達した3.6億円でこの会社を買収した模様です。

Keelaのホームページは現在なくなってますが、月経カップを作っている会社のようでした。

かろうじて見つけた記事から推察するに、2019年4月頃にflexが月経カップをローンチしているので、Keela社のプロダクトをベースに半年ほど改良を重ねてflexの月経カップとして市場に出したんだと思われます。

今回はとにかく月経ディスクについて考えるの回なので、月経カップの詳細は割愛しますが、Flexの月経カップはこんな感じ。

月経ディスクと同様、色はブラックでかっこいい感じです。

【起業家ゴシップ】ファウンダー同志で結婚していた!

真面目な話が続いたので、Fun Fact(というかゴシップネタ)を1つ(笑)

ファウンダーのLauren SchulteさんのLinkedinページを見ると、名前がLauren Wangに変わってる!!!

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エマ・ストーン似の才女、ローレンさんを射止めたWangさんってどんな人なんだろう。。。いや〜。気になりますよね!?

ということで、Wangさんをネットストーキングしてみました。

答えは先ほどのインタビュー記事に。思いの外すぐ見つかりました。Wangさんのフルネームは Panpan Wang で、ヘルスケア領域の起業家兼投資家。

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Wangという苗字で、Linkedinを見ると大学で中国語文学を学んだり香港大学で学んだりしているので、おそらく中華系の方。どーでもいいけどGood Lookingじゃないですか?個人的に顔タイプです(笑)

Panpan Wang氏は2015年1月のF創業時にアドバイザーとして参画。徐々に稼働の領域を増やし、今は共同創業者兼取締役に。

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Yコンビネーター参加時の記念写真

ヘルスケア領域を熟知した起業家兼投資家のWang氏がゼロ→イチの立ち上げからサポートしたFlex。初期のピッチデックから今日の成功に至るまで全てを二人三脚で歩んできた二人。

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知り合ってから2年、デートをしてから1年、ビジネスパートナーがライフパートナーとなった素敵なストーリーです。美男美女カップルでビジネスも成功していて、なんなんだ。美談すぎます。

Flexの商品としての特徴

ゴシップネタはここくらいにして、最後にプロダクトについても少し。

前回の調べでflexとsoftdiscはスペックがほぼ同じことが分かっているので、これらはflex固有の、というよりも月経ディスクの特徴ということになります。

1つあたり12時間使える:タンポンだとトイレに行くたびに変える人も多いと思うので、その分だけ生理のことを考えるストレスが減ります
セックスOK:タンポンとの違いとして性器を塞ぐことがないので、生理中でもセックスをすることができます
体に優しい:flexは100%医療用素材で作られているので、膣のphバランスを崩すことがありません。また、一般的な生理用ナプキンに含有される、BAPやフタル酸エステル、パラベンと言った成分が入っていないので、アレルギーの方でも安心して使えます
・環境に優しい:パッケージの工夫などにより製造過程で競合製品に比べて60%、ゴミの排出を削減しています

ナプキンやタンポンに不満を持つ人、アレルギーでそもそも既存製品が合わず布ナプキンや生理用ショーツ、月経カップを使っている人、生理中のセックスに悩みを抱えていた人は試してみる価値あるかもしれません。

私も試してみようと思います。レビューはまたどこかの機会に。


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