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〈オトナも役立つ!〉 作文の宿題が得意になる6つのコツ 【前編】


大人にも長期休暇があれば…と妄想する、株式会社エクシングのコピーディレクター・高沼です。

桜のつぼみがかすかに色づきはじめた、今日この頃。
小中高生の方は、そろそろ春休みの季節ですね!

学生時代の長期休暇といえば、ついてまわるのが宿題。

特に小中高生は、作文や読書感想文などの課題が出ることも多いのではないでしょうか。
その一方で、「苦手」や「何を書いたら良いかわからない」といった声も耳にします。

そこで今回はコピーライターの経験をもとに、「作文」がちょっぴり得意になる6つのコツをご紹介します。


宿題ってめんどうですよね…。
だからこそ、すこしでも楽しく書けるコツをお伝えします!


※【オトナの方へ】
小学生の作文を例に話を展開していきますが、中高生やオトナにも役立てていただける内容になっています。
「洗練された文章を書きたい」「研修の感想文や社内報で何を書けば良いのかわからない…」といった方も、ぜひいちど読んでみてください!




✏️ コツ1 全体を描こうとしない


作文や読書感想文でよく見かけるのが、「プログラム」や「あらすじ」になってしまっている
ことです。

たとえば、運動会の作文でちょっともったいない例。


どようびは、運どう会でした。まず開会式で校長先生のおはなしを聞いて、ラジオ体そうをしました。それから、ときょうそうをしましたが、ぼくはくつがぬげてしまいました。その後に玉入れをして、おひるはおべんとうを食べて……


ややオーバーに書きましたが、こういった文章を書くひとは(レベルは違えど大人でも)少なくありません。

で、これの何がイマイチかと言うと、全体が「プログラム」になってしまっているんですね。
※「ダメ」や「イマイチ」という言い方はあまりしたくないのですが、今回はあえて書きます。


運動会プログラムのテンプレート画像
純粋な「情報」を知りたいならば、プログラムで十分!
(画像はMicrosoft Officeテンプレートより)


その日の出来事すべてを一生けん命描こうとするあまりに、運動会という体験を通して「書き手が何を感じたのか」が伝わらない文章になっているのです。

…では、どうしたら良いのか?

答えはカンタン。
「出来事のうちの一つに注目する」ことです。

上の例文で言えば、エピソードとしていちばん目をひく「徒競走で靴がぬげた」ということを軸(テーマ)にすると良いでしょう。

テーマを選んだら、その出来事が起きたときのことをさらに思い出してみましょう。


・靴がぬげた瞬間、どう感じたか?
・ゴールしたとき、どんな景色が広がっていたか?
・周りのひとには何か言われたか?


具体的な景色や言われたことなどを思い返しながら、 「何を感じたか」を書くのがおすすめです。

くれぐれも、運動会全体を描こうとするのはやめておきましょう。
繰り返しになりますが、それならプログラムを読めば良いのですから。

重要なのは、細部に注目して広げることです。

ちなみに、これは読書感想文でも同じだと思います。
すこしキツい言い方をすると、あらすじをだらだら書いても意味がありません。
(自分の考えを説明するために、あらすじや設定を多少書くのは良いと思いますが…)

あらすじは本の裏表紙を見るか、Webで検索すれば誰でもすぐにわかるのですから。

読書感想文なら、たった1行のフレーズでも良いのです。
気になったセリフや言葉を抜き出し、どうして心にとまったのかを理由とともに書く
全体を描くよりも、書き手ならではの想いや視点が伝わるはずです!


運動会の景色。玉入れの赤いカゴに向かって、赤色の球が宙を舞っている。
例として運動会を挙げましたが、どんなテーマでも同じです。
全体の流れを大まかに記述するのではなく、
ひとつの出来事に絞って書くようにしましょう。


✏️ コツ2 いきなり原稿用紙に書かない


基本的なコツかもしれませんが、気をつけたいこと。
それは、いきなり原稿用紙や本番の紙に書かないことです。

頭が整理されていない状態で原稿用紙に向かうと、朝から晩までの出来事を順番に書きたくなってしまいます。

書く前に、まずは作文のお題にまつわる出来事をしっかり考えてみましょう。

運動会の作文なら、その日を思い出すことから。
いちばん印象に残った出来事(笑ったこと、嬉しかったこと、悔しかったこと、イヤだったこと、美味しかったもの、かわいかったもの、キレイだったものetc…)はなんだったか、じっくり考える。

思い出したことや、感じたことをどんどんメモに書いてみましょう。
箇条書きや単語のみでも、だいじょうぶです!

「もう思いつかない」というところまでメモに書き出したら、その中からいちばん心に残っていることを選びます。
そして、その出来事を中心に文章を組み立てていきましょう。


まずは思い出したことや感じたことを、ノートやメモに書き出してみましょう。
(Photo by Antonio Uquiche


個人的に、料理と作文は似ていると思います。
料理をはじめるときも、いきなり火をつけませんよね?
まず材料をキッチンにならべて、何を作るか決めて、その料理にあわせた切り方や調理をして、さいごに調味料で味を整えます。

作文や読書感想文も同じです。
まずは文章の材料となる、要素を出してみるところからはじめましょう。
それから切り口(書きたい出来事やテーマ)や軸を見つけて、文章を組み立てていくと、うまくできあがるでしょう。


✏️ コツ3 書き手のオリジナルな体験・考えを書く


先ほど挙げた運動会の例では、「靴がぬげたことをテーマにすると良い」と書きました。
しかし、中にはこう感じた方もいるのではないでしょうか。

「徒競走で靴がぬげるなんて出来事、そうそう起こらないよ!」と。

そんな方に朗報です。
テーマは劇的でなくてだいじょうぶです。

たとえば運動会の作文なら、「お弁当」や「当日の天気」を軸にしても良いと思います。

ただし、(食や天気などの普遍的なテーマを選んだ場合は特に)注意しなければならないことが一つあります。

それが、書き手のオリジナルな体験や考えを書くことです。

たとえば、次の【A】・【B】のうち、どちらの文章が面白いと感じますか?


【A】
運どう会の日のお天気は、晴れでした。気温は27℃でした。暑かったです。

【B】
グラウンドで、校長先生のメガネがまぶしいくらいはんしゃしていました。運どうがにがてな私にとっては、運どう会を中止にしない太陽がいちばんのライバルです。


多くの方が、【B】の方が面白いと思ったのではないでしょうか。

理由は、
【A】=情報の記述であるのに対し、
【B】=書き手ならではの表現や気持ちが描いてあるからです。

もちろん、新聞記事や学術論文などの場合は、【A】のように事実を正確に書いた文章の方が適切です。

しかし、今回のような感想文では、【B】のように書き手独自の視点が感じられる文章が求められます。

事実や情報をただ羅列するのではなく、書き手であるあなたから見た景色や想いを描きましょう。


徒競走の写真
靴が脱げたのは私の実話ですが、特別(まぬけ)な体験でなくて良いんです。
お弁当の卵焼きが甘かったとか、いつもと同じ味で安心したとか。
個性って、案外そんなささいなところに宿るものです。



ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

長くなったので、今回はひとまずここまで!
残る3つのコツは【後編】にてご紹介しますので、お楽しみに。

(※2024年3月29日追記)
▼ 後編の記事を公開しました!
“つまらなく感じてしまう文章に共通している問題点とは?”
“続きを読ませるテクニックとは?”
…など、さらに洗練された文章を書くコツをご紹介していますので、ぜひ読んでみてください。


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