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kohrogi
あなたと絶滅しようと思う
昔読んだ女性作家さんの小説に、確かこんな一節があった。
(うろ覚えすぎて恐縮なので、あえて名前は伏せたい)
「あなたはどうしてそんなにも 子どもが欲しいと思うのですか。
社会のため 国のため 生物としての義務だと言うのなら、
既にこの世に命ある 無数の親のない子どもらを 引き取るのではだめなのですか。
生を受けても死んでいく 恵まれない子どもらの 援助をするのは違うのですか。
いいえ私の 私の 私の子どもが欲しいのですと
あなたはそう言いますけれど あなたが産むのは他人です」
当時私は大学生か何かで、その本を読んだ時は正直他人事の様に思っていた。
「こういう人ってきっと普段から脳内ディベートみたいなのやってるんだろうな」とかちょっと的外れな感想を持っていたように思う。
それから、「子ども産む産まないって、理屈じゃないんだから議論しても無駄じゃないのかなあ」とも思っていた。
「人間(特に頭のいい人間)て、なんでも理論で説明できると思っているところがあるけど
人間だって動物なんだから、理論とか頭を超えたものに支配されることだってあるのに」と。
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