♪サムのユニークイラスト英会話|ring
チャーリー:「タイム・ホイール」!!
ルナ:また、時空・・・転移!?
──ギュウウウウン!!──
「空間が入れ変わった⋯⋯。チャーリーはどこへ消えた?」
混乱して辺りを見回すルナの視界に、強烈なプレッシャーを纏った不穏な男が映った。彼女の身体に緊張が走る。
「---DAN KUBRICK--- ダン・キューブリックを確認⋯⋯しかし、どこか違和感がある⋯⋯?」
その男ははるか前方にいたはずが、ルナが身構えるよりも早く一瞬で距離を詰めてきた。同時に、彼女は後方へと鋭敏に退いた。
『お前に、もう一度会いたかった。あの小僧のものになる前に、どうしても⋯⋯な。明日はお前の結婚式だろう? そんなお前に、最高のプレゼントを用意してやった。きっと気に入ってくれるだろう』
「あなたは何を言っている? 頭が沸いているのか?」
ルナは全く理解できなかった。そしてダンの手元にある小さな箱を確認すると、より一層彼女は警戒した。
『さあ、レナよ。この魔法の指輪を受け取るのだ。お前の細いその指に、この俺が直々に着せてやろう。そしてあの小僧⋯⋯トムの記憶をそこへと吸い込んでやる』
「魔法の指輪? トム⋯⋯ホーソーン? 状況が理解できない。そして私はレナではない。ルナ・トーランスだ」
『ルナ・トーランス⋯⋯? ふむ、さすがは名女優⋯⋯もう演技は始まっているのか。ならば少しだけ付き合ってやるとするか』
「それ以上、近づくな。あなたは何かを勘違いしている。そしてここは『想像の世界』、ダン⋯⋯あなたの『鏡の能力』は制限されているはず」
『想像だと? ふん、確かにこの空間には妙な気配を感じるな。あの小僧の能力か? まだ残り香が漂っているというわけか』
ルナは、トムの生命反応が消えているのをその身に感じた。そしてこの不可解な状況が、より一層彼女を焦らせた。
『あの小僧⋯⋯トムは、この俺がたった今「始末」した。もはや邪魔者はいなくなり、お前はこの俺に奪われる運命にあるのだ。さあ、早くこっちへ来い。そろそろテイク2か?』
嘲笑うダンの脚力が唸り、その邪悪な手は瞬く間にルナの腕を捉えた。
「くっ⋯⋯離して!!」
『いい演技だ⋯⋯そして、レナよ。まだ続けるのか?』
ダンに摘まれた虹色に輝くリングが、ルナの指へとゆっくり近づいていった。
The iridescent ring held by Dan slowly approached Luna's finger.
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