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帰山の遠吠え

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移住者が神社を再建するまでを、その狼に纏わる生い立ちと共にまとめました。失われかけた文化の、反撃の狼煙となるように。まだ見ぬ仲間へ向けた、遠吠えのように。
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記事一覧

移住者が神社を再建するまで(序)

七ツ石神社を何らかの形で保護しようと志した当初は、「再建」まで辿り着けると思っていなかっ…

嶺渡
4年前
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移住者が神社を再建するまで①

「生まれる前の話」 いきなり不思議な話から始まることになるが、私が生まれる少し前から振り…

嶺渡
4年前
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移住者が神社を再建するまで②

「博物館の狼」 1992年の7月14日、地元の河川が大洪水という状況下の早朝に無事生まれた私の…

嶺渡
4年前
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移住者が神社を再建するまで③

「狼信仰に出会うまで」 幼稚園時代は、殆ど忍者修行に費やされた(といっても過言ではない)…

嶺渡
4年前
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移住者が神社を再建するまで④

「剣に明け暮れ、民俗学を知り、國學院大學へ」 高校時代は剣に捧げたというとカッコいいが、…

嶺渡
4年前
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移住者が神社を再建するまで⑤

「七ツ石神社」  2013年、夏。大学生の長い夏休みの冒険に、選んだ場所は雲取山だった。 沖…

嶺渡
4年前
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移住者が神社を再建するまで⑥

「”三峯山”が繋げる縁の多さ」 毎日のように狼関連のワードで検索をかけていた私は、ある時「二ホンオオカミを探す会」のブログへ流れついた。 秩父の山域で「オオカミのような動物」を見かける事例が多いという。 三峯神社奥の院へ向かう途中に出会った「白い大きな犬」が頭を過り、この体験談をメールしてみることにした。 思ったより早い返信を受けて、早速代表の方を現場へ案内することに。 奇しくも現場検証のその日は、去年私が白い大きな犬を見た日と同日であった。 目撃現場にトレイルカメラを設置

移住者が神社を再建するまで⑦

「動き出す仲間」 そうか、七ツ石神社は丹波山村なのか。 移住が決まってからというもの、神…

嶺渡
4年前
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移住者が神社を再建するまで⑧

「想いは狼に託される」 一悶着あった手ぬぐい企画は当時の課長の加勢によって無事に実現し、…

嶺渡
4年前
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七ツ石神社とは

そもそも七ツ石神社とはどういった社なのか。 初めましての方もお馴染みの方も、改めて確認し…

嶺渡
4年前
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移住者が神社を再建するまで⑨

「狼、山を下りる」 村指定文化財となった史跡、七ツ石神社(七石権現社旧社地) 再建計画が…

嶺渡
4年前
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移住者が神社を再建するまで⑩

「次の歴史がここから始まる」 2018年、戌年。お犬様を掲げるのに、なんとふさわしい年だろう…

嶺渡
4年前
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移住者が神社を再建するまで⑪

「最終準備へ」 設計の打ち合わせによって一間社流造に決定した七ツ石神社は、 「狛犬や中の…

嶺渡
4年前
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移住者が神社を再建するまで⑫

「別離」 一日霧が晴れず、ヘリコプターが飛ばなかった着工予定日。 延期日が翌日だと知らされていなかった私は、この日山を下りて早朝また登ることとなった。 大工さんたちは食料の全てをヘリの荷へ積んでしまっているという。 これも想定外の出来事だった。急遽、大工さんたちは山小屋へ泊まることに。 小屋の食料も不足しがちということだったので、私は下山することにする。 朝の7時には再度ヘリ作業を開始するので、誘導の為にその時間には現地へ居てほしいと言われたが、一度下山しては暗いうちから登