日帰りシャント手術の医療費自己負担は約4万円! 公的制度よりも民間保険が役立った
先月noteに、日帰りシャント手術の体験談を書いた。そこに、かかった医療費や利用した制度をのせられなかったので、今回はそれらについてふれてみたい。
⬇️日帰りシャント手術の体験談の記事はこちら
日帰り手術でも医療費は高い!
シャント手術の医療費は日帰りでもそれなりにかかった。入院しての手術となればもっとかかる。
シャント手術は透析をはじめる前におこなうので、透析に関連した手厚い制度たちの利用はまだできない。残念、、、
なので、みなさんお持ちの保険証をつかって、公的医療保険の範囲で医療費を負担する。
そう、病院にかかったときにつかうあの保険証。
かかった医療費のうち、69歳までは3割、70〜74歳は2割、75歳以上は1割を自己負担するというやつだ。
私は当時52歳で自己負担は3割。
実際の日帰りシャント手術の医療費の自己負担は39,550円だった。
日帰りで約4万円!やはり医療費というのは高い!
そこで、多少なりとも減額になったり、何かメリットのある制度がないだろうか?と、手術前から考えていた……。
思い浮かんだのは3つ。
さて利用できるか?、メリットがあるだろうか?
メリットがあるか? 3つの制度
❶高額療養費と限度額適用認定証
そのまま病院の会計窓口へ行くと、今回の手術費用39,550円をそのまま普通に払うことになる。
それでもよいけれど・・・
ちょっとまったぁー
高額療養費 限度額適用認定証というのを会計窓口でみせると、支払いが少なくなることがある。
最近ではマイナ保険証でもいい。
高額療養費は、年齢や収入によって1ヶ月の自己負担の上限額が決まっていて、収入のある人は高く、収入の少ない人は低い。
当時の私の年齢と収入だと医療費の自己負担上限額は約8万円/月。この約8万円をこえた分が高額療養費にあたる。
医療費をそのまま普通に払うと数ヶ月後に高額療養費の分が払戻される仕組みになっている。
しかし、限度額適用認定証があると、高額療養費を病院の窓口で引いてくれ、払わなくてすむ。
ようは、後で払戻を受けるか、病院の窓口で先に引いてもらうかの違いだ。
払わなくてすめば、お金をたくさん用意しなくていいから、その方がいいよね!?ということ。
今回の手術費用の自己負担は39,550円。
みなさんお察しのとおり、8万円をこえていないので高額療養費にあたるものがない。
全然対象ではありません。残念、、、
もし、入院したり高価な薬をつかえば、医療費の自己負担は何十万円となる。そんなときに限度額適用認定証は効果を発揮する。
限度額適用認定証は、お手元の保険証を発行している職場の健保組合や市役所などで出してくれる。
ただし、1つだけ注意点が。
うっかり手術の翌月に職場や市役所にいっても出してもらえない。手術前かその月のうちでないと出せないので気をつけて。
「こうがくりょうようひ げんどがくてきようにんていしょう」、もしものために覚えておきたいけど忘れそうだ。「医療費のあれ、限度額証」で通じると思う。
高額療養費は、年齢や収入によっても違うし、75歳以上の人は別の制度になる。世帯合算や多数該当なんてのもあって複雑で奥の深い制度。
健保組合や市役所のホームページをみて、わかりづらければ迷わず病院の窓口や健保組合、市役所へ電話などで聞くのがいい。
⬇️69歳までの高額療養費制度はこちらを参考に
❷指定難病 医療費助成制度
この制度は、私は申請してないので、そもそも利用できない。いきなり残念、、、なのだが、
メリットがありそう?なのでのせてみた。
IgA腎症などの指定難病で透析になる場合、シャント手術の医療費は指定難病 医療費助成制度の対象になると思う。
69歳までの人は医療費の自己負担は3割。これが2割になる。
そして、収入によって自己負担の上限額も決まっている。
手術当時の私の収入だと自己負担の上限額は2万円。パートになった今ならたぶん1万円だ。
39,550円かかったものが、半分か4分の1になる。
これはメリットありありだ!!!
だけど……。
指定難病の申請は、主治医に診断書をお願いしたり、役所で住民票をとったり……、そろえる書類が多い。う〜ん手間かかりそう!?
おまけに、更新申請が毎年あって、費用も5,000円くらいかかる。
メリットがあるのかないのか?、よくわからなくなってくる。
IgA腎症などの指定難病で、これから医療費がかかりそう、となったら主治医と相談してもいいのかも。申請には時間もかかるので早めに動いて。
⬇️指定難病 医療費助成制度はこちらも参考に
❸民間の医療保険
公的な制度はことごとく残念な結果だった。
残っているのは・・・
あっ!民間の保険があった!
長年、なんとなくかけてきた民間の医療保険。
恩恵を受けたことがないという人もいるのでは。
こんなときこそ役に立って欲しい。
調べるより聞いた方が早い。
加入してる保険会社のコールセンターに電話してみた。
「今度、日帰りシャント手術を受けるのですが、
保険金はでますか?」
「内シャント造設術でよろしいでしょうか?」
えっ?内シャントって何? まあいいや。
「人工透析に必要なシャント手術を受けます」
「お客さまの加入されています契約内容ですと、
手術給付金の対象になります」
対象になりますぅ??、なりますだ!!!
入院じゃないけど手術給付金がでる!
給付金額は、病院が発行する診療明細書を確認してから決まるそうだ。
手術後に申請して、約2週間後に保険会社から決定通知書が届いた。
なんとそこには、手術給付金140,000円と書いてあった。入院日額7,000円の20倍ともある。
おまけに手術後の関連した通院費用も1日あたり3,000円出るらしい。
実際の自己負担39,550円に対して、民間の医療保険の給付金は14万円。
手術で痛くてしんどい思いをしたけど、よかった。ありがたい、ありがたい。
民間の保険は、契約内容が人それぞれ。対象になるかどうか保険会社に聞くのが早いと思う。
まとめ 医療費制度について思うこと
病院のソーシャルワーカーを長くやってきたけれど、医療費制度はどれも複雑でルールの変更もときどきおこる。特例やら例外なんてのもあって、全てを把握するなんてムリ。
ソーシャルワーカー同士でも、えっ!そうだったの!、いつ変わったの?、なんて会話はときどきある。
患者さん一人ひとり条件は違うので、一概に判断もできない。
ホームページなどで制度をざっとみてから、その制度の窓口へ電話して聞くのが一番早くて正確な情報を得られる。
公的な制度でも民間の保険でも、対象にならないと思っても、解釈がちがったり、特例があったりする。
自分なりにスマホやパソコンで情報を集めたり、主治医や病院スタッフに聞いてもいいけど、その制度の窓口へ直接聞くのが確実。
難しいときは、病院のソーシャルワーカーに相談できれば代わりに問合せてくれるはずだ。
今後、シャント手術を受ける予定の人がいたら、参考にして欲しい。
お読みいただきありがとうございました🍀
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?