ツケ払い、ニャー【短編創作】
「で、払ってくれる?あの女の借金1,000万円」
突然の取り立てに、父親は困惑していた。
昼過ぎの休憩時間。
さっきまで、スマホで好きなお笑いコンビのネタを観ながら笑っていたのに、今は怒りに体を震わせている。
「こんな小さな定食屋に、そんな額を払えるわけがないだろ!」
父親は抗うが、借金取りは首を横に振る。
「保証人の欄にサインと印鑑がある。これ、あなたのだよね?」
見せられた書類を奪い取った父親の顔は、みるみる青ざめていく。隣にいた母親は泣き崩れた。
「また」だ。