紬 余話(つむぎよわ)

愛情をまっすぐに伝えることを大切にしています。 うつ病歴23年の50代。いわゆる繊細さ…

紬 余話(つむぎよわ)

愛情をまっすぐに伝えることを大切にしています。 うつ病歴23年の50代。いわゆる繊細さんです。結婚2回離婚1回。 「生きるために死と向き合う」がモットー。

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  • 『エッセイのまち』の仲間で作る共同運営マガジン

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  • 過敏で生き難いけど半世紀生きてきた

    感覚も感性も過敏、HSPなんてよばれたり。何かと生き難いけど、なんとか人生半分生き延びた。

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意味のないことなど 起こりはしない  ─あの日の私にグッドジョブ─

会社の廊下で他課の課長をナンパしたことがある。顔見知り程度の間柄で、相手は私の名前を知らなかっただろう。そこへいきなり、「S課長! 教えて頂きたいことがあるのですが」、と声をかけてしまった。 時折見かけるS課長は、いつも明るい表情で楽しそうに仕事をしていた。社内で1、2を争う激務の課で笑顔で仕事をこなしている、ように私には見えた。 私はS課長のように楽しく働きたかった。だから、どうやったら仕事を楽しめるか質問したいと、ずっと思っていた。数か月も思い続けていた。 当時、私は仕

    • 大人の本気の遊びがおもしろい~リストラーズ~

      リストラーズの魅力の根本は「大人が本気で遊んでいる」ことだ、私にとっては。それば一番わかるのは『君だけに』 会議室で撮影し、マイクの代わりにマーカーペン。サラリーマンという役作りに徹しつつ、歌も振りもかなりな高レベルに仕上がっている。しかも加藤さんのダンス付き。 珠玉のバラードなのだから、背景を変えればかなり雰囲気と破壊力を持つ映像も取れそうだが、あえて会議室。 珠玉のバラードなのにマーカーペンで歌う、恥ずかし気を微塵も感じさせずに。さらに何気にホワイトボードに曲名が書いて

      • 最も衝撃をうけた写真ー屋上の円陣ー

        本記事には東日本大震災についての記載があります。 五十余年の私の生涯で最も衝撃を受けた画像を紹介しよう。下記の書籍の表紙である。見た刹那に心へ焼き付き、目を逸らしても記憶から消えることはない。 この写真の状況を説明する。2011年3月11日、東日本大震災によって引き起こされた津波のため、宮城県南三陸町防災対策庁舎の屋上に取り残された人々が、必死に生き延びようと円陣を組んでいる姿である。 津波に誰一人流されまいと、高齢者・女性・若い職員を内側にし、外側を男性が囲んでいる。

        • いつもの直売所へ行ったら、いつものおばあちゃんがいなかった。 気になるけど、尋ねて重い答えが返ってきたら反応に困るからきかなかった。

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          私だけの

          私が切り取った風景。私だけの風景。私だけの、私しか、知らない景色。 見たのも、感じたのも、私だけ。 私だけの、もしかしたら実在しない音と色。

          統一地方選挙戦が始まった

          今日から始まりました統一地方選挙。テレビのニュースでは、候補者の演説や期日前投票の様子はよく映ります。ところが、まずテレビカメラに映らない作業があるのです。 それは、 開票です。 以前、この開票事務を記事にしました。裏方仕事をどうぞご覧ください。レア記事です。 この記事を読んで投票に行く人が一人でも増えますように。

          統一地方選挙戦が始まった

          心に焼き付かなくなった

          好きなアーティストの新曲を聴いても、心が動かなくなった。 初めて自分で買ったレコードは村下孝蔵の「初恋」、中学一年生だった。この曲を聴くと今でも、思春期のヒリヒリして、グルグルと揺れ動く心を思い出す。担任の教師に抱いていた、不安定で熱っぽくて瞬発的な恋心。硝子のようにもろく傷つきやすい、鋭い感情。自分自身をも傷つける、激しく変わる気分。もろもろが、今体験しているかのような鮮やかさで蘇る。 「初恋」は私の心に、強く深く焼き付いている。だから、曲を聴くだけで、40年前にタイムス

          心に焼き付かなくなった

          20代最後の日に

          いよいよ20代最後の日ですね。明日は三十路、いわゆる大台の誕生日ですね、おめでとう。 今まで本当に頑張って生きてきましたね。21歳の誕生日は迎えられないと思っていた頃もありましたものね。 息をするだけでも苦しかった日々。朝、目が覚めると憂鬱で、目の前の長い坂道になんともいえない無力、拒否を感じた日々。外に出るのが、知らない人が恐かった日々。精一杯気を張って外を歩く日々。 つらかった、悲しかった、淋しかった時間も長かったですね。 やっと最近、幸せを安心して感じられるようにな

          20代最後の日に

          新年が苦手

          新年の改まった空気感が苦手だ。 一年の始まりだから、ちゃんとしなきゃいけない。最初だからきちんとしなければ、幸先が悪い。 こう考えて、自分で勝手に自分にプレッシャーをかけてしまうのだ。だから「初〇〇」というものに緊張する。 年が変わったとしても、今日は昨日の続きでしかないのに、なぜだろう。 「初〇〇」はおめでたいもの、という刷り込みがあるのだろうか。「初〇〇」を終えてしまえば、2回目からは日常そのものに溶けてゆくのに。 今日は1月5日。「初〇〇」も少なくなってきた。日々

          52歳の入学式

          今年、仏教系の学校の通信教育部に入学した。 私は不安が強く、コロナのピークの夏には、怖くて怖くてたまらなかった。 こんな考えが頭の中をぐるぐる廻っていた。私は自分の不安に押しつぶされそうになっていた。心が潰れそうで堪らなくて、何かにすがりたいと思った。ちょうどその頃は、仏教系学校の通信教育部の出願受付期間だった。 そうだ、仏教を学んでみよう。今までお寺巡りはしていたが、学問としての仏教を学んだことはなかった。学費は月に割り返せば8千円をきる。払えない金額ではない。自宅で

          小さな歌

          大きな歌はつくれないから、小さな歌を歌います ぽろりはらりと唇からこぼれ落つ、私の吐息 誰も聞かない聞こえない、小さな歌 それは私の命 日陰でひっそり生きている ちいさなちいさなわたし

          図書館とつながった、世界が広がったー障害者サービスー

          私は病気のため、障害者手帳を持っている。外出はままならず、1時間も出かけるとぐったりしてしまう。本は読めるので。読みたい本はたくさんあるが、高くて買えない。図書館は片道30分以上、遠くてたどり着けない。 ずっと本をたくさん読みたいと思っていた。 ふとしたきっかけで、図書館には障害者サービスがあることを知った。早速電話で問い合わせ、その電話で利用者登録と障害者サービスに登録した。 障害者サービスには私のように外出が困難な障害者向けに、自宅配本サービスがある。自宅配本サービスと

          図書館とつながった、世界が広がったー障害者サービスー

          いつまでも小学生の夏休み

          私の夏休みは続いている。それも小学生の夏休みが。 私は齢50を超えた。この歳になると、体のあちこちにガタがくる。小さい字が見えなくなり、白髪が増え、何よりも疲れやすくなる。 しかし、文句を言ってみたところで私が使える体は、今使っているこの肉体しかない。若いころは脚が太いとか、お腹が出ている、毛深いなど不満も多かった。だが半世紀も生きると、あれこれと医者にかかることが増えた。それで考え方が変わった。健康であればそれでいい。少々痛くても動ける体ならそれでいい。 残念ながら、健

          いつまでも小学生の夏休み

          枝豆の終わり、夏の終わり

          近所の直売所での今年の枝豆の販売が終わった。 枝豆は私の数少ない夏のお楽しみ。農家の直売所で買うようになって、そのおいしさに驚いた。スーパーの枝豆と全然違う。そりゃそうだ、その日の日の出前に収穫された葉も根もついた丸ごとの枝豆を、午前中に買って昼前に茹で上げる。茹でたては、ほくほくして最高においしい。 枝豆は人気があって争奪戦なので、販売開始時間に買いに行く。無事に買えたらそそくさと家に帰って、暑い台所でさやを切り離す。暑いのは大の苦手だが、好物がからめば話は別。首掛け扇風

          枝豆の終わり、夏の終わり

          もったいないような死にたいような

          私の健康寿命の残りはあと20年くらいかもしれない。そう思うと時間がとても、もったいなく感じる。やりたいこと、楽しいことを貪欲に味わなければと焦る。とは言え、具体的に今やりたいことはない。調子の悪い日は、楽しいを味わいたいという気力さえない。 その一方で、「生きていればこの先また、辛いことにあうんだろうな。これ以上辛い目に合うなら死んでしまいたい」、と思う時もある。苦しまずに即死できるなら今すぐ死んでもいい、とさえ思う。 ちっぽけな私の存在。私がこの街のすみっこでひっそりと

          もったいないような死にたいような

          選挙の「開票」はこうやっています ─見ることができます─

          大きな選挙があると、時々ちらりとテレビに映し出される開票風景。体育館の中の大きなテーブルを何人もで取り囲んで、投票用紙を仕分けしているあの作業。具体的に何をしているかご存じですか。 〇〇市元職員だった私が、一例を挙げて開票作業を解説します。 投票箱はハイヤーで 20時まで(一部例外あり)の投票時間が終わると投票箱は施錠したままハイヤーに乗せられて、開票場に運ばれます(南京鍵が投票開始時からかかっています)。ハイヤーに同乗する職員以外は自力での移動なので、人間より待遇がいいで

          選挙の「開票」はこうやっています ─見ることができます─