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2022年作品集

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作風の変化をお楽しみください。
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記事一覧

52歳の入学式

今年、仏教系の学校の通信教育部に入学した。 私は不安が強く、コロナのピークの夏には、怖く…

小さな歌

大きな歌はつくれないから、小さな歌を歌います ぽろりはらりと唇からこぼれ落つ、私の吐息 誰…

図書館とつながった、世界が広がったー障害者サービスー

私は病気のため、障害者手帳を持っている。外出はままならず、1時間も出かけるとぐったりして…

いつまでも小学生の夏休み

私の夏休みは続いている。それも小学生の夏休みが。 私は齢50を超えた。この歳になると、体…

枝豆の終わり、夏の終わり

近所の直売所での今年の枝豆の販売が終わった。 枝豆は私の数少ない夏のお楽しみ。農家の直売…

もったいないような死にたいような

私の健康寿命の残りはあと20年くらいかもしれない。そう思うと時間がとても、もったいなく感じ…

選挙の「開票」はこうやっています ─見ることができます─

大きな選挙があると、時々ちらりとテレビに映し出される開票風景。体育館の中の大きなテーブルを何人もで取り囲んで、投票用紙を仕分けしているあの作業。具体的に何をしているかご存じですか。 〇〇市元職員だった私が、一例を挙げて開票作業を解説します。 投票箱はハイヤーで 20時まで(一部例外あり)の投票時間が終わると投票箱は施錠したままハイヤーに乗せられて、開票場に運ばれます(南京鍵が投票開始時からかかっています)。ハイヤーに同乗する職員以外は自力での移動なので、人間より待遇がいいで

運命が変わるなんてことがあるのか

婚約者に捨てられた、ボロ雑巾のように捨てられた。よりによって、あんな女に彼を奪われるなん…

頭痛で月10日以上薬を飲みますか ─薬物乱用頭痛─

たとえ医者から処方された痛み止めを飲んでいても、薬物乱用頭痛になるおそれがあることをご存…

ざまあみろ、私の勝ちだ

用があって元夫の戸籍を取り寄せた。元夫が再婚しているかもしれないから、戸籍を見るのが少し…

なんで生んだんだ ─親ガチャ

なんで私を生んだんだ。頼んでなんかいないんだよ。 50歳を過ぎた今でもときどき思う。私はい…

結婚指輪を切りました

急に暑くなった日の夜中、私は左手薬指に痛みを感じた。そこには肌身離さずつけている結婚指輪…

小学生の私からの宿題

40年の時を超えて、小学生の私からの宿題が届いた。小説のプロットである。小学生の頃から物を…

割り箸冒険記

ヒトシは使用済みの割り箸を集めています。工作好きの小学生のヒトシは、きれいに洗った割り箸で、ミニチュアの船を作っているのです。ついに今日、割り箸の船が完成しました。ヒトシは出来たばかりの船を手に取って満足そうに眺めています。 その時、ヒトシの背後が緑色に輝きました。振り返るとそこに、緑色の髪に薄茶色のワンピースを着た少女がいました。ヒトシは驚きのあまり口がきけません。少女は鈴の鳴るような声でいいました。 「私はナーシャ。割り箸の妖精です。あなたにお願いがあってきました」 ナ