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いつまでも小学生の夏休み

私の夏休みは続いている。それも小学生の夏休みが。

私は齢よわい50を超えた。この歳になると、体のあちこちにガタがくる。小さい字が見えなくなり、白髪が増え、何よりも疲れやすくなる。
しかし、文句を言ってみたところで私が使える体は、今使っているこの肉体しかない。若いころは脚が太いとか、お腹が出ている、毛深いなど不満も多かった。だが半世紀も生きると、あれこれと医者にかかることが増えた。それで考え方が変わった。健康であればそれでいい。少々痛くても動ける体ならそれでいい。

残念ながら、健康は努力しなければ維持できない。私は無精で根っからのインドア派で、体力もない。しかし、運動を始めなければ、体は現状維持どころか衰える一方だ。可及的速やかに運動を習慣付けなば、あまり遠くない未来に歩けなくなる生活が待っているかもしれない。

とにかく始めるハードルが低くて、気楽に始められるもの。費用がかからず準備もいらない、まず始められる簡単な運動はなにか。
思いついたのはラジオ体操である。ラジオ体操は義務教育時に学校で叩き込まれているから、動きも覚えている。それに今の時代なら、ラジオをエアチェック録音する手間はいらない。なぜならそれはテレビで放送されているからだ。その名は「テレビ体操」。
「テレビ体操」はラジオ体操とその他の体操を組み合わせた内容である。テレビ体操の放送時間は朝6時25分。リアルタイムにはとても起きられないので、録画した。基本的に毎日夕飯前に10分間、「テレビ体操」をしている。忘れてしまったり、気が向かなかったりで体操をしない日もちょくちょくあるが、なんとか2か月続いている。
物事は無理せずできる範囲で行うのが、続けるコツだと思う。

テレビ体操をする度に小学生だったころの夏休みを思い出す。眠いのに無理やり親から起こされ、首から出席カードをぶら下げ嫌々行ったあの公園。
あのときの朝日を今でも覚えている。懐かしくも遠い昭和の日々。戻れないからこそ美しくなるのが、思い出なのだろう。

簡単で軽い運動だけど、まずラジオ体操を続けよう。私に与えられた体はこれしかない。おそらくあと数十年を一緒に過ごす体。きちんと最後まで動くように、メンテナンスを続けていこう。



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