枝豆の終わり、夏の終わり

近所の直売所での今年の枝豆の販売が終わった。
枝豆は私の数少ない夏のお楽しみ。農家の直売所で買うようになって、そのおいしさに驚いた。スーパーの枝豆と全然違う。そりゃそうだ、その日の日の出前に収穫された葉も根もついた丸ごとの枝豆を、午前中に買って昼前に茹で上げる。茹でたては、ほくほくして最高においしい。

枝豆は人気があって争奪戦なので、販売開始時間に買いに行く。無事に買えたらそそくさと家に帰って、暑い台所でさやを切り離す。暑いのは大の苦手だが、好物がからめば話は別。首掛け扇風機を強にして、植木ばさみで根気よくさやを外す。時折、葉や茎についている丸っこい虫を窓の外に放り投げながら、パチ、パチ、パチ、パチと一つずつ外していく。
切り終えたさやの山を湯に入れた瞬間、さやが鮮やかな緑色に変わるのが好き。滴るような透明感のある翠。翡翠のように美しい。
茹でたてをふうふうしながら食べるのが至福。一口目に夏の幸せが詰まっている。ほくほくして少し甘みのある、枝豆の命そのものの味。おいしい!

こうして私の夏は過ぎる。そして今年の私の夏は終わった。
ありがとう、次の夏まで待ってるよ。



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