あいこうしょうた

「どんなことでも面白がりたい。だから、書くことであがいてる」宮崎県在住30代。 毎日が…

あいこうしょうた

「どんなことでも面白がりたい。だから、書くことであがいてる」宮崎県在住30代。 毎日が楽しいことばかりじゃないことは分かってる。 でも、その一つ一つを切り取って面白がることが、人生を楽しむには必要だと思う。 JRA宮崎育成牧場を舞台にしたドキュメント 「育成馬の系譜」制作。

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人もスマホの充電くらい分かりやすければいいのに

「バッテリー残量はあと20%です」 スマホに表示された画面を見て「あ、ヤバいヤバい」と思う。このタイミングでスマホの電池残を示す右上のアイコンも赤くなる。 ケーブルをスマホに差して、しばし充電。そこでふと思う。 人もこのくらい分かりやすければいいのに。 「大丈夫です」と言う人ほど、だいたい大丈夫じゃない。おそらく本人は本当に大丈夫だと思っているが、実は自覚していないだけでエネルギーが切れる寸前ということもよくある。 自他ともに一目見て「あ!残りの電池少ないね。充電しな

    • 良くなってきているからこそ、不安になってしまう

      思ったよりも、順調だ。 13日の土曜日から、IgA血管炎の治療にステロイドという薬を使い始めた。強い薬であることから、副作用が出ることを考慮して2週間の短期での服薬になった。明日でちょうどその2週間が経つ。 薬の効果は、明確に出た。 飲み始めて1週間以内で、いったん体中に出ていた全ての紫斑が消えてなくなった。これにはとても驚いた。「早く使えば良かった」とさえ思った。この4ヶ月間で、紫斑が出ては引きの一進一退を繰り返す状態を我慢していたのがバカらしく思えるくらいだった。その

      • こうだったらいいのにな、がカタチになると強いと思う

        いつものようにスマホでSNSのタイムラインをスクロールしていた時に、ふと目が留まったものがあった。それは「もしも徳川家康が総理大臣になったら」という映画の広告。 あ、これ面白いかも。 なんとなくピンときた。 まだ公開前なので、ストーリーなどを詳しく知っているわけではない。ただ、あらすじなどを読むに、このタイミングでこのテーマは世の中にハマる気がしたのだ。 ここからは、あくまでも個人的な考察なので、流し読み程度にどうぞ。 この映画のアイデアの根底にあるのは、政治不信なん

        • 人助けと大役とチーズまんじゅう

          仕事から車で帰宅途中、ちょうど自分の家が見えてきた時のことだ。隣の家の旦那さんが外に出てきていた。どことなくソワソワしていて、家の周辺を行き来している。 「?」と思いながらも、僕は自宅の駐車場に車を停める。すると、声をかけられた。 「すいません、実は家のカードキーを中に入れたままにしてしまって…」 「…え、それは大変ですね」 隣の家と僕の家は造りが同じなので、旦那さんが言っている意味はすぐに分かった。 ウチの玄関のドアは、通常の鍵に加えてカードキー対応になっている。登録

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          まだ、分かんねーよ

          父親から、7歳の息子の小学校の運動会に行きたいと連絡があったのは、1週間ほど前のことだった。 父親は県北の日向という町に住んでいて、宮崎市内までは高速道路を運転して1時間と少しかかる。なかなか遠くに行きたがらない父親にしては珍しいなぁと思ったが、来てくれると息子も喜ぶ。「全然いいよ」と返事をした。 当日は快晴。抜けるような青空で、まさに運動会日和だった。 父親からスマホに「着いた」という連絡があったのは、僕が小学校の運動場について30分ほど経った頃。入口の門まで迎えにいくと

          まだ、分かんねーよ

          UNOを探して3件目

          「UNOでも買いに行くか?」 そう聞くと、8歳の息子はニンテンドースイッチから顔を上げた。 「今やってるスイカゲームが終わったら行く」 息子のゲームが1セット終わるまでの間に着替えて、出かける用意をする。 「UNOが欲しい」と言われたのは、少し前だった気がする。児童クラブで遊んだのが楽しかったようで、家族でやりたいと最近息子が言っていた。それをふと思い出した。 僕がIgA血管炎という病気になって以来、息子と一緒に出かけることがほぼ無くなった。そのせいか、休みの日はほぼ

          UNOを探して3件目

          4ヶ月いなくても世の中は全然平気だ。それが嬉しかったりしてる

          IgA血管炎という病気に罹り、一時的に仕事の現場を抜けて早4ヶ月。思ったことが2つある。 1つ目は、僕が抜けても会社は大丈夫だということ。これは変にネガティブに開き直っているわけじゃない。逆にそんな体制がとれていることに少しホッとしている。 約10年前。 今の会社に入社した時、社員は僕を含めて3人だった。もしその状態で今の病気を患っていたら、すぐに辞めざるを得なかっただろう。当時は誰が抜けても手が回らなかったからだ。 それから時が経ち、今は20人を超える社員がいる会社にな

          4ヶ月いなくても世の中は全然平気だ。それが嬉しかったりしてる

          去年の今頃は、西船橋で1日3万歩を歩いていた

          去年の今頃、僕は千葉の西船橋にいた。 JRAが主催する「ブリーズアップセール」を取材するためだ。 僕は去年、JRA宮崎育成牧場を舞台した1時間のドキュメンタリー番組の制作を抱えていた。セール開催までの1年間、JRAが運営する宮崎育成牧場で育成馬たちを追いかけるという仕事。 前年の9月に1歳になった育成馬たちが宮崎にやってきて、約9ヶ月かけて調教。翌4月に開催されるセールが中山競馬場で行われる。ここで馬主が見つかることで、育成馬は競走馬へと道が開けていく。 去年の今日は、セ

          去年の今頃は、西船橋で1日3万歩を歩いていた

          デスクランプに灯った光は、仕切り直しの合図

          僕の机の上は、よくタイムマシン化する。 職場のデスクが特にそう。年末に大掃除で片付けていると、半年以上前の仕事の書類や資料などが当たり前のように掘り起こされて出てくる。 「あ、これは3ヶ月前。これは先月」 一番下に置かれているものから順に時間経過が分かるので、さながら地層のようだ。 でも、「こういうの良くないよな」と思い、定期的に処分した時に限って「あの時のあの書類が必要だ」という場面に出くわす。そんなこんなで、結果的に書類などが捨てられなくなっている。 今回タイムマシン

          デスクランプに灯った光は、仕切り直しの合図

          リスクを取ってでも、一歩前へ進みたかった

          今患っているIgA血管炎に、新しい薬を使い始めて1週間になる。 使い始めたのは、ステロイド。医師からは処方を何度もためらわれた薬だ。 「今の状態なら、薬で得るメリットよりもそれを上回るリスクの方が高いです」 医師からはそう言われた。 ステロイドの副作用は多岐にわたる。 感染症の合併、消化性潰瘍、糖尿病、高脂血症、高血圧、骨粗鬆症、肥満、多毛、座瘡、不眠、精神症状など。それほど強い薬らしい。 ただ、去年の12月末に発症して以来「今日は大丈夫だ。症状が落ち着いている」と思っ

          リスクを取ってでも、一歩前へ進みたかった

          ずる休みを1回だけ認めます

          夜、自分の部屋でスマホをいじっていると小学3年の息子が入ってきた。 「どうした?」 手元のスマホから顔を上げて聞いてみる。 「明日体育休んでいい?」 「なんで?」 今日の様子をみる限り、体調が悪そうには見えない。ただ、最近朝に「学校に行きたくない」ということは増えているのは気になっていた。 「なんか、昼の給食くらいからお腹痛いんだよね」 そうは言うものの、1時間ほど前にコーンアイスを美味しそうに食べている息子の姿を僕は見ている。 「…本当は?」 声のトーンを

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          マスクは戦うための仮面なのかもしれない

          「何か気になること、ありますか?」 担任の女性の先生が手元の書類から顔を上げて聞いてきた。僕より10歳くらい上だと思う。一目見た時に「たしかにジャズが好きそうだ」と思った。年度はじめの学級通信で、ジャズとコーヒーが好きと書いてあったのを思い出したからだ。 先生から聞かれるだろうと予想していたので、ある程度話すことは決めておいた。 「息子がマスクを外そうとしないんですよ」 先生は「あー」と、思いあたる節がありそうに大きく頷いた。 息子が小学3年生になり10日ほどが過ぎ

          マスクは戦うための仮面なのかもしれない

          痛みよりモノ。モノより思い出。

          いつか片付ける。 そう思って早4ヶ月ほど経ってしまった。自分の部屋の机の上のことだ。IgA血管炎で年始から入院。退院してからもしばらくベッドの上から動けない状態が続いた。こんなに長期化すると思っていなかったので、机の上も荒れ放題。ただ、そんな雑然とした中でも僕の机の上で異彩を放っているものがある。それは本立てにきちんと整えて保管してある2部の新聞。 「あけおめ。今年もよろしく!仕事と全然関係ないんだけど、今日の朝日新聞って手に入ったりしない?」 2024年1月4日の夕方

          痛みよりモノ。モノより思い出。

          雨の日に、ピアノの音色はよく似合う

          今日は朝から曇っていたせいか、少し肌寒く感じた。朝9時、こたつ机の前でパソコンを開く。 先週の土曜日から、IgA血管炎の新しい薬としてステロイドを飲み始めたので今日は様子見でリモートワークだ。 自分以外には誰もいない自宅で、音が無い環境というのが実は少し苦手だ。会社でもFMラジオが終日流れているような職場なので、多少は音があった方が色々と捗る。机の上に置いてあったリモコンで、目の前のテレビの電源をオンにした。 「ソロ活女子のススメ」というドラマがある。江口のりこさんが主演

          雨の日に、ピアノの音色はよく似合う

          世界はいつも誘惑に満ちている

          10代の頃から温泉や銭湯は好きなのだけど、1つだけ苦手なことがある。 それがサウナ。 入った時の暑さと息苦しさがどうしても耐えられない。そして、水風呂。サウナから出てきた人がザッパーンと勢いよく入っていくのを見ると「本当に大丈夫なの?」と不安になる。 湯船でのぼせるくらいの状態になっても、水風呂を手で触れるとやっぱり冷たい。ここに肩まで浸かって「あ〜気持ちいい」と思える状態って、どんな状態なのよ?ずっとそう思っていた。 最近、amazonプライムで「サ道」というドラマを見

          世界はいつも誘惑に満ちている

          努力と思った時点で、負けていたのかもしれない

          無趣味になって、10年になる。 それまでは「趣味は何?」と聞かれたら、「音楽」と答えていた。大学生の頃から始めたギターにハマり、ライブハウスでライブをしていたのが10年くらい前のことだ。宮崎だけではなく、鹿児島や福岡まで遠征したこともあった。 今やギターは実家にしまい込んでいて、ここ最近は触れてもいない。 今日テレビを見ていたら「世代別 歌詞が心に刺さる名曲58連発」という番組をやっていた。 しばらく眺めていたのだが、ふと気付く。 …あれ?全然グッとこない。 番組の中

          努力と思った時点で、負けていたのかもしれない