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音霊法(おとたまのほう)

明日は某出版社にてyoutubeの収録があります。
今回は音霊(おとたま)について触れる予定です。
元々言霊について話をするつもりでいたのですが
ふいに出た音霊の話が会話中に出たことをきっかけに
採用されたという流れであります。

古神道の秘義である言霊というのは
もうご存知の通り「一言多義」であります。
表の働き、裏の働きも両面を含め、また多くの意味が存在するもので、それらを総合的に知ることができなければ、
どうして日本語に霊力が備わっているのかを
そう簡単には解けるものではないことがわかるものです。

古神道の言霊奥義を知り、それを理解するだけでもなかなか大変であるところでありますが、さらには人間の声音に霊が宿るというところの
音霊まで出てきてはこれまた頭の中が絡まるのであります〜

自分の頭の中を整理することも兼ねまして
音霊について触れる前にどうしても言霊について
ある程度の理解がないと進めないので少しだけ触れておきたいと思います。

「あ」ひとつの言葉であってもその義は
空中の水の霊、無にして有なり。五十連の総名。天也。海也。自然也。○也等と
たくさんの意味を持つものでありますから、人間のコトバひとつひとつ
その霊にそって、音の心を知ることと言霊は切っても切れぬものです。

例えば「禊」(みそぎ)という言葉の意味は
表の義として人がつけた汚れ、罪や悪等を
水の行によって取り祓うという、水で汚れを削ぐの意味があり
清らかに払われます。
水はなんでも取り祓って、綺麗に流すエネルギーをもっているので強力です。ここでいう「そぐ」=「削ぐ」ことで削り取るという解釈が当たります。
身(み)すすぐ、あらうなどの意味も含まれています。
そして同時に隠れているのは
「耳注ぎ」であって耳から聞こえる音による祓いの力があることがわかります。
禊の表の義は水行であるが、裏の秘儀は音霊です。

友清歓真翁によると、
禊祓詞の天津祝詞の文中に出てくる
橘の小門(たちばなのおど)の・・・・の箇所でいえば
ここを音霊的解釈をするとその裏の秘儀で
「たちばなのおど」=「タチハナの音」になり、
音による祓へによって祓われたという裏メニューがあるのです。
古神道秘伝によると「タチハナの音」とはアオウエイの五大母音のことであって、
宇宙の元音であるとされ、宇宙一切の音声を意味しています。

耳から聞く音というのは奇霊な働きによって
現象界で不思議な効果が顕れる。

人間の口から出る音声ないし音霊が言霊で、
あとの一切の声音は音霊である。

人間には地津魂(くにつたま)の耳と
天津魂(あまつたま)の耳と二種ある。

皮膚によ、毛髪にも足の裏にも耳がある。
全身に耳がある。
とされています。

なんと全身、耳だらけではありませんか! 笑
祝詞も神楽も石笛もおころびも、拍手も鈴も神招琴(かむをぎこと)も
神依板(かむよりいた)も悉く音霊の神法(かむわざ)から
出たものと位置づけている〜!

外国の人からすると騒音としかとれない虫の声が
季節の風情あって心地いいと感じるのは日本人独特の感性らしい。
また色の見える世界も違うようで、
わたしたちが比較的黄色っぽく見える色が
他の国の人たちは口をそろえて「緑」と答えるようなことがあるそうだ。
同じ世界に生きていながら
見えるもの、聞こえるものの受け取り方の違いがあるようです。

話はすすみますが
古神道の音霊法(おとたまのほう)という
自修鎮魂する瞑想法というのがあります。
この瞑想法を修することで、
誰でも直ぐに奇験があるのは身体の痛みと心の痛みが治癒することです。
そして重病から解放、悩み事解消、心願成就しさらには
超能力や霊能者が続々と出るようになったと記録されています。

またこの音霊法を修すると自分だけでなく、他人のために修行しても効験があると
されています。某秘書においては
赤ちゃんが病気のときに、母がこれをやると治癒するとか。

ではいったいどんな神秘な術めいた瞑想法なのかと思いますが、
神秘でもなんでもなく
音霊瞑想法は極めて簡単であるから返って普及されなかったようであります。

知ってしまえば、「なんだそんなことか」と子供の遊びごとのようなことであるから、これを秘儀として重く取る人が少なかったようでありますが、
その効験が顕著であるから不思議なものです。

「変動のない一定の音を聴く」だけです。
音の連続性を聞くことにより、脳の波動の乱れが性格なリズムで修正されるというからくりであります。(幽真界研究より)

例えば、時計のカチカチカチという音。メトロノームの音や
川のせせらぎ、海の潮騒、雨の音、焚き火の音、心臓の音、カエルの鳴き声、虫の声等々。
静かに一定の音をひたすら聞くことによって、気が鎮まってくるのです。
音楽を聞くこととは違います。

わたし的にいうと、日常生活においてもっと身近なところで言えば
箒をサッサッと一定のリズムで掃き掃除する音や
はたきで障子の襖の埃を叩いている音。
ハイヒールで颯爽と歩く靴音。
枯葉を踏む音、雪を踏みつける音。
沢庵を噛む音、煎餅をかじる音、大根の千切りを一定のリズムでする音などでも
簡単に瞑想状態に入ってしまいます〜

この一定のリズムの音を聴くことで脳の無意識界に灼きつけられたものが
薄くなって、病苦が軽快に向くとされ

自律神経が自然ながらに、神ながらに調整されて
ホルモンに密接な交渉をもって
全身に届き体の具合が、あたりまえになってくる。

音霊で心臓も調節されるから全身の具合がよくなるとされています。
こんな簡単な方法で治ってしまうのであれば
それこそ現代医学はいったい何だったのかと思うところでございます。

心臓機能や自律神経が調節され、体内の過剰蛋白や
毒素が尿などで外へ排出されるので、害なく体の具合がよくなるのである〜

日本書記では「平心」という文字が「きよきこころ」と読まれておりまして
「音霊」を修していると必然に「平心」になるので、
精神的にも色々ありがたいことであります。

音霊の法は誰もが直ぐに心の「不安」から「安定」に変化する。
ここで古事記を見てみると
天岩戸開きには「神楽」が必要であって、かぐらは即ち「おとたま」であり
神楽によって岩戸を開いて、過去の世に不能であったことを可能にする。

仏教面から見ましても、「音を観る」となると
観音様がいらっしゃいますね。

だいぶ長くなりましたので
今日はこの辺りで。















ここでいう音霊は音楽ではなく
周囲にある変動のない一定の音のことを指します。
例えば川のせせらぎ
瀧の音
雨の音
波の音
自分の心臓の音
時計の音
メトロノームの音などの

《解字》


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