除夜の鐘
ー父不在の年越し
ゴーン、ゴーンーー。近くの寺から除夜の鐘が響いた。例年、鐘の音を耳にすると、今年も一年終わったかというどこかホッとした気分になるが、2021年の年越しに限って言えば、どこか複雑な思いがした。父親(実父)が入院していることが、どうにも心に引っかかった。22年は一族揃って年を越したいものだ。「早く退院してこい」。
楽しみ
見舞いに行けない状況が、そんな思いを深くさせる。新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐために病院が実施している面会禁止で、ガラス越しに表情を伺うことさえできず、なかなか父の情報が得にくい。新型コロナ対策でやむ得ないと頭では分かっているが、病院はどうにかしてもらいたい。
父の状況を知る術は、今のところ、父親が送ってくるショートメールだけだ。病状を伝えてくる一方、クリスマスには「ランチにケーキが出てきた」、そして大晦日には「昼食は年越しそばだった」など、それなりに入院生活を楽しんでいる内容もあり、呑気か!?とツッコミたくなる。
退院後、体験談をたっぷり聞かせてもらうとするか。楽しみだ。
(写真〈上から順に〉:『りすの独り言』トップ画像=フリー素材を基にりす作成、とある鐘楼=フリー素材)
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