自信って、どうやったら持てるの

「自信」って何なのか、全くわからなかった。

「自立」って何なのか、全く分かっていなかった。

「大人」って何なのか、全く分かっていなかった。

働けていて、お金が入っていて、一人暮らしができれば自立していると言えるのか。

社会的信用があって、好きなものが買えて、家や車が欲しければ銀行でローンが組んで買えたら、大人なのか。

お金があるって大人なのか。全く、分かっていなかった。

社会人経験もある。サラリーマンとして働いて、毎月一定のお金が入ってくる。一応、普通に生活できている。朝起きて、会社に行って、帰って寝て、たまに誰かと食事に行ったり、休みの日は好きなカフェでコーヒーを飲みながら好きな本を読んで過ごす。

そんな「大人」で「自立」している状態でも、なんの「自信」もなかった。

自分で、自分の好きなものがわからないし、選べない。

自分で、自分の行きたい方向がわからないし、進めない。

大切な人の気持ちや想いもわからない。大切な人と、信頼関係を結べない。

一人暮らしの賃貸マンション。
自分で選んだ、自分の家なのに、「心から気に入っている、納得しているか」と聞かれたら答えられない。
どこかずっと我慢していて、どこかずっと諦めている。

目の前にあるずっと使っているマグも、「大容量だから」とか、「シンプルだから」とか、切って貼ったような使う理由は頭に浮かぶけど、「気に入っている」わけでもないし、そこまで「好き」なわけじゃない。

「好き」だと思う家具や食器は、ある。そんな風になんとなく「好き」の片鱗だけは生活に散らばっている。そういうものに限っては、なかなか使えない。

もういい大人なのに、もう誰の制限も受けないのに、自分の本当に些細な「家でお茶を飲むこと」でさえ、「好きなように決めて、やってみる、動いてみる」ができていなかった自分に驚く。

有名で、使っている人も多いメーカーの食器で。
クックパッドで、つくレポが多いレシピで。
栄養がありそうで、ヘルシーな料理を、なんとなく作って。
特に気に入ってもない、一人暮らし始めにとりあえず買ったこたつテーブルで、味わうこともなく食べる。

これは、自分なんだろうか。

働けてて、お金も一応あって、暮らしていけていて。

でも、自分なんだろうか。

どんなに些細でも、どんなに誰の目に留まらなくても、自分で感じて、考えて、やってみて、納得して、自分の心が満足すること、納得すること、そう言うことを積み重ねていくことが、自分への信頼になり、信用になり、自分を信じること、自信になるんじゃないだろうか。

自分を知っている、自分の感覚を信じることができる。

社会人であることや、やっている仕事は自分じゃない人でもできるような仕事をしていることや、そういう会社で働いていることや、社会的信用があることや、生活できていることなんて、少しのことで吹き飛んで、自分から剥がれてしまう。

剥がれた後の自分に、何を信用できるだろうか。

家で、お茶の一つも、自分の好きなようにいれられない、飲めていない私は、私の何を信用できるだろうか。

本当は、そんなに難しいものじゃなくて。

百均でも、有名なブランドでも、そんな「外側の誰かが決めた価値観」で、決めないで、誰が何と言ったって、自分が好きだと思う時間を、自分の好きなアイテムと一緒に、自分の好きなように過ごせること。そう言うことを積み重ねていくこと。

そして、誰かと関わる時には、相手の時間や想いも同じように、尊重して関わり動けることができること。

そうなるためにも、自分を大切にしないといけないこと。

自信はそこから生まれてくること。

とてもシンプルだけど、ずっと忘れて、ずっと蔑ろにして、ずっと自分を後回しにしてしまっていることに、気づかないといけない。


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