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海外のアイドルに影響を受けた韓国アイドル業界

以前の記事で、韓国のアイドルたちはジャニーズなどの日本のアイドルを模倣していたという内容を紹介しました。確かに韓国のアイドルは1980年代から1990年代(または2000年代初頭)までは、日本のアイドルをベンチマーキングしていたことは事実です。しかし、それと同時に海外のボーイバンドやガール・グループ(洋楽)にも大きな影響を受けており、日本文化が解放された後の2000年代後半以降からは海外の影響が強くなっていきましたね。

そこで今回は日本側からではなく、海外側から影響を受けたアイドルたちを紹介したいと思います。

●海外のアイドル(音楽グループ / 歌手)をベンチマークした韓国アイドル 

★パク・ナムジョン

Michael Jackson(1983) / パク・ナムジョン(1988)

韓国のマイケル・ジャクソン
1980年代を代表する韓国アイドルの1人であり、マイケル・ジャクソンに影響を受けた歌手である。上品なルックスと当時としては珍しかったロボットダンスを披露するなど10代の女子学生を中心に爆発的な人気を獲得した。日本で例えれば、田原俊彦・郷ひろみ・風見慎吾といった歌って踊れるソロの男性アイドルのポジションに当たる。

SPEED DEMON(1988) / 君を描いて(1989)

1989年に発表した楽曲「君を描いて」では実際に本家であるマイケル・ジャクソンの楽曲「SPEED DEMON」のミュージックビデオの振り付けを取り入れた縦横ダンス(ㄱㄴダンス)が全国的に流行した。

★ヒョン・ジニョンとワワ 

Bobby Brown(1989) / Hyun Jinyoung(1990)

韓国のボビー・ブラウン
アメリカのR&B歌手¨ボビー・ブラウン¨をベンチマークしたグループである。本来はソロ歌手+バックダンサー2人という構成だが、完全に3人組グループのような活動をして成功を収めた。ソテジワアイドゥルよりも先に韓国で初めてヒップ・ホップを取り入れたのも彼らが最初である。

★H.O.T

New Kids On The Block(1986) / H.O.T.(1996)

総売り上げ枚数716万枚 
1996年にソテジワアイドゥルが解散した後、入れ代わるようにデビューした第1世代を代表する男性アイドルグループ。1980年代後半から1990年代初頭まで世界的に人気を得ていたアメリカの男性5人組のボーイ・バンド¨New Kids On The Block¨をベンチマークした

テレビ番組でBackstreet Boysと共演したH.O.T.

またグループ名の「H.O.T.」はアメリカのガール・グループ「TLC」(英語3文字)の影響で名付けられたもので、彼らが活動していた90年代後半~2000年代前半は、Backstreet Boysが活躍していた時期と重なる。 当時、韓国で彼らを知らない人がいないという程、国民的アイドルグループ的な存在であった。

★Baby V.O.X

Spice Girls(1996) / Baby V.O.X(1997)

韓国のスパイス・ガールズ
韓国初の5人組の女性アイドルグループであり、90年代後半に世界的に大人気を得ていた¨スパイス・ガールズ¨をベンチマークしたグループである。スパイス・ガールズが5人組だったのでBaby V.O.Xも5人組で結成され、S.E.SやFIN.K.L.よりも前にデビューしていた唯一の第1世代の女性グループだった。

★S.E.S 

TLC(1992) / S.E.S.(1997)

アメリカの女性グループTLCに影響を受けたグループとして知られている。グループ名が英語3文字、メンバーも3人組でルックス担当、ボーカル担当、ダンス担当など3つの構成に分かれているのもTLCと同じである。

★SHINHWA

Backstreet Boys(1996) / SHINHWA(1998)

1998年のデビュー以来、韓国のアイドルとしては活動期間が長く「最長寿アイドル」と呼ばれているため、日本ではジャニーズのSMAPと比較されることが多いが、実際はアメリカのボーイ・バンド¨Backstreet Boys¨に影響を受けたグループである。グループ活動と個人活動を並行した最初のアイドルグループであり、アイドルグループのメンバー個々の活動が容認されていなかった時代にメンバーそれぞれがソロアルバム、バラエティ、ドラマ、CMなど多様な芸能分野に挑戦して成功を収めた。

★YG FAMILY

Wu-Tang Clan(1992) / YG FAMILY(1999)

YG FAMILYとは、YGエンターテインメント所属のアーティスト、俳優、スタッフを総称した名前である。アメリカのヒップホップグループWu-Tang Clanをベンチマークしたもので、ラップができるメンバーやヤン・ヒョンソク本人も参加しており、常に乱戦状態でラップが飛び交う緊張感持続の楽曲などを発表し、活動した。

★リャンヒョンリャンハ

Kris Kross(1992) / リャンヒョンリャンハ(2000)

JYPエンターテインメントの初のアイドルデュオで、アメリカの¨クリスクロス¨をベンチマークした。メンバーは双子の兄弟から構成されており、デビュー当時、2人の年齢は12歳(小学校6年生)だった。釜山で踊っていたところをパク・ジニョン(J.Y.Park)にスカウトされ、JYPからデビューしたが小学生の男の子がブレイクダンスを踊るというパフォーマンスは当時、話題となった。

Swi.T 

TLC(1992) / Swi.T(2002)

YGエンターテインメント初の女性グループで、アメリカのTLCをベンチマークした。3人組の女性グループという点やデビュー曲「I'll be there」のミュージックビデオも¨No Scrub¨に似ている。1999年に結成され、2002年にデビューしたがあまり人気を得られず1集活動を終えた後、グループは解散した。

TLC - No Scrub(1999) / Swi.T - I'll be there(2002)

ヤン・ヒョンソクは後に「KEEP SIXとSwi.Tが売れなかったのはとても残念だった」と明かしている。しかし、このとき失敗した経験が後の2NE1とBLACKPINKの成功に繋がったと言えるだろう。

★東方神起

Backstreet Boys(1996) / 東方神起(2004)

韓国のバックストリート・ボーイズ
2003年にSMエンターテインメントからデビュー。アメリカのボーイ・バンド¨Backstreet Boys¨をベンチマークしたグループである。「5人組のアイドルグループ」・「歌唱力とダンスの実力が優れている」・「メンバーそれぞれに個性がある」などバックストリート・ボーイズと似ている点がいくつか見られる。また所属事務所であるSMエンターテインメントの先輩グループだったH.O.T.の後継グループとして売り出された。他の芸能事務所から第2世代のアイドルグループがデビューするまで韓国歌謡界はR&Bやソウル・バラードが人気を得ていた時期だったので、そういった状況の中で唯一、活動を維持していた歌って踊れるアイドルグループだった。

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