ライフキャリアデザインをもっと自由に / ワタシモ代表 瀧野 里菜 インタビュー

今年の3月8日にサービス開始したワタシモ。今回は、その代表を務める瀧野 里菜(たきの・りな)に、自身のこと、このサービスを始めた背景について聞きました。


自己紹介をお願いします

はじめまして、㈱ワタシモ代表取締役の瀧野里菜です。ワタシモの経営を中心に、マーケティングや開発にも関わっています。


なぜワタシモを始めようと思ったのですか

大学で友人に誘われ、manmaという任意団体を立ち上げたことをきっかけに、家族、女性、働き方への興味がわきました。当時のmanmaは、『いまの女子大生が安心して母になれる社会をつくる』をコンセプトに掲げる団体で、子育て家庭の日常生活に1日同行し、生き方のロールモデルに出会う体験プログラム「家族留学」を運営していました。
私は1993年生まれなのですが、この世代は共働き世帯の割合が増加し、専業主婦世帯とちょうど半分くらいになった時期といわれています。当時の私は、母が専業主婦だったこともあり、将来、自分が育児と仕事を両立させるイメージがあまりなく、manmaの活動を通じて、実際に両立させている方のロールモデルに出会えたのは貴重で、大きな影響を受けました。
卒業後、大手人材会社に就職。ただ、30代を目前に、社会人として日々働く中で、キャリアとライフのバランスをとることの難しさを目の当たりにするようになりました。女性に限らず、多くの友人が仕事でオーバーヒートして体調を崩したり、子育てと仕事の両立に限界を感じ、退職を余儀なくされています。

manmaで培った経験や知見を活かし、社会に還元できないかと考えていた時に、創業メンバーと出会いました。ワタシモのビジョンである『「あたりまえ」が存在しない 誰にとっても生きやすい社会』は、創業メンバーと議論を重ね、自分たちが実現したい社会を想像したときに生まれたコピーです。

ワタシモ代表取締役 瀧野里菜
趣味は書道。入賞作品が展示されました


ワタシモを実際に使ったユーザーの反響はいかがですか

結婚、出産に対する意識や視点は、性別やライフステージによって大きく異なります。ワタシモでは、働く女性が気になる職場環境を重点的にピックアップして、深堀りしています。今すぐ転職する予定がない方でも、他社の働き方が気になるという方は多いようですね。

ワタシモは、転職前に先輩社員にリアルな実情を聞けるような場だと思っています。実際に、面接で福利厚生やワークライフバランス関連の質問を聞くとマイナス評価になりそうで、どう情報収集したら良いのかわからなかったというお声もいただいています。また、コロナ禍を経験し、リモートワーク・フレックス制度は必須という方も増えており、実際にそれらの制度がどれくらい(週にどれくらいの頻度で)使えるのかはありそうでなかった情報とのことで好評をいただいています。

現在、掲載企業数は10社と限定しておりますが、人気企業であるアクセンチュア、メルカリ、ヤフー、楽天、そしてリクルートなどの福利厚生を横並びで参照できる貴重なプラットフォームになっていると自負しています。

ワタシモ サービスページの一部
ワタシモ サービス画面の一部


ワタシモのサービスを、どんな人に届けたいですか

もちろん、子どもがいる、もしくはほしいと思っている女性の利用も想定していますが、基本的にはすべての女性を対象にしています。女性に限らず、妊娠・出産・介護や急な病気で働き方を変えざるを得ない方はたくさんいらっしゃいます。ワタシモは「個人の想いに寄り添い、社会のしくみをアップデートし続ける」ことをミッションとしており、ユーザーの声を企業に届け、小さくても変化につなげるという価値も生み出したいと考えています。


瀧野さんご自身は、今後どのようなキャリアプランを描いていますか

明確なプランはないのですが、より柔軟な選択肢を広げる仕事をしたいと考えています。
また、自分自身が就職して責任ある仕事を任せてもらえたり、躊躇なく起業できるのは、前の世代で頑張ってきた方がいたおかげという実感があるので、私もそのバトンを次の世代にいい形で渡せるようにしたいです。
特にワタシモを起ち上げてから、仕事が忙しくも楽しい日々です。今後、親の介護や、家族や子どもができて、突然キャリアをスローダウンしたり、ストップせざるを得ないこともあり得ると思っています。自分に向けても、柔軟な選択肢を持った社会であって欲しいです。


これから、女性のライフキャリアデザインはどうなっていくのでしょうか

多様化し、選択肢が増えていくと思います。男女ともに言えることですが、個人の生き方が多様化するなかで、企業サイドも労働力確保にあたり、多様な働き方に対応できるような制度の整備を進めています。
リモートワークやフレックスタイム制度がより一般化すると、より多くの人が自由な選択肢をもって仕事と生活を設計できるようになります。「結婚する」「子どもを生む」「マイホームを買う」といった人生計画が「普通」ではなくなる時代も目の前です。逆に、子どもがいない人が生きやすい社会を作ることも今後大切かもしれません。

余談ですが、創業メンバーのなかにも、30代にさしかかり、働き方をのシフトチェンジをした女性がいますが、体力面で男女に差があること、そして現代の正社員の働き方が男性の体力をベースに構築されているという課題感を抱えていました。しかも、なかなか弱音をはきにくいし、弱音を吐いても解決しにくい課題ではあるんですよね…。

米国にはFarily Godbossという先行サービスがありますが、ここでは女性たちが知恵を出し合いながら働きやすい環境について議論したり、職場の問題や疑問、解決したい問題について情報をシェアしたり、相談できる場となっています。今後、ワタシモもそのような役割を果たしていきたいです。

Fairly Godbossのキャプチャ
Fairly Godbossでは女性のキャリアライフデザインをエンパワーメントしている


男性のライフキャリアデザインは、今後どうなっていくのでしょう

女性に限らず、男性だってもっと選択肢があっていいはずです。一時的にでも、専業主夫になる人も増えていますよね。また、介護や自身の病気は、決して女性だけの問題ではないはずです。途中で学び直すために学校に通ったっていい。
性別に関係なく、実現したかった未来を諦めてほしくないと思っています。ワタシモは現在、女性限定のサービスですが、今後男性向けのサービス展開もあるかもしれません。もしアイデアがあれば随時募集中です(笑)。

今後も、より多くの人にサービスを提供し、価値を感じていただくことで、企業としてのミッションを達成していきたいと思っています。

(聞き手・ワタシモ広報担当)


『ワタシモ』はこちら(https://watashimo.app)からアクセスいただけます。

■『ワタシモ』について
2022年3月、女性視点での働きやすさがわかる職場のクチコミ投稿プラットフォーム『ワタシモ』をリリースしました。職場で働く女性のリアルな声が聞けるプラットフォームとして、β版リリース時点で、100件以上のクチコミが集まっています(2022年3月時点)。 株式会社ワタシモは、「『あたりまえ』が存在しない、誰にとっても生きやすい社会」の実現をビジョンとして、2021年11月に設立しました。企業詳細はウェブサイト(https://watashimo.studio.site/about)をご覧ください。

■会社概要
会社名:株式会社ワタシモ
所在地:東京都中央区銀座1-22-11
代表者:瀧野 里菜
設立:2021年
URL:https://watashimo.studio.site/about


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?