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鑑賞記|『セックス・アンド・ザ・シティ』を観て|嗚呼、憧れのニューヨーク

今更ながら「セックス・アンド・ザ・シティ」を見始めた。地球上の人間は二種類に分けられるという。セックス・アンド・ザ・シティを見たことがある人間と、セックス・アンド・ザ・シティを見たことがない人間だ。この分類法則はどんな物事にも適用できるので大変便利であるが、それはさておき、これからの長い人生を歩むにあたり、「見たことがない人間」のままで生きるのはあまりにもったいない。未経験のことはなるべく減らしておいた方が良いと相場が決まっている。「未経験者歓迎」の求人だって経験者の方が優遇されるに決まっているのだ。

未経験者の私が解説するのもおかしな話だが、Wikipediaによると、セックス・アンド・ザ・シティは1998年から2004年にかけてアメリカで放送された連続ドラマである。ニューヨークに住む30代独身女性4人の生活をコミカルに描いたセキララ恋愛モノで、その人気は社会現象にもなったそうだ。50回以上エミー賞にノミネートされ、7回受賞。ゴールデングローブ賞にも24回ノミネートされ、8回受賞しているといあのだから、とにかくめちゃめちゃ面白いのだろう。

放送開始から20年経った今も絶大な人気を誇るこの作品。日頃「さんまのお笑い向上委員会」と「おじゃる丸」ばかり観ている私にとって恋愛ドラマは本来縁遠い作品だが、これだけ人気があるからには絶対的な面白さの秘密があるに違いない。その秘密を知らぬままに死ぬのはあまりに勿体ない。

私が生み出したオリジナル理論のひとつに「メジャーなものにはメジャーになるだけの理由があるはず論」というのがある(今名付けた)。この理論を生み出してから、私は変わった。ただのオタクではなく、スタンダードも併せ持つオタクへと進化を遂げたのである(なお、ここでのオタクとは異常な凝り性という意味だ)。高校の卒業色紙に部活の講師から書かれた「個性とスタンダードを併せ持つ人に」という一行が心に刺さりまくる人生を送ってきた私だったが、齢三十にしてようやく気が付いた。個性ばかり積んでいては船が沈没してしまうのだと(既に難破船ではあるが)。

ところで、メジャーなアメリカのドラマといえば、今から約2年前、こちらも絶大な人気を誇るコメディ「フレンズ」と「サインフェルド」を続けざまに観ていた時期がある。どちらも10シーズンぐらいあるので、1話30分×10話×10シーズンとなると長大な鑑賞時間になるが、ちょうど引きこもり生活を送っていたためわずか4ヶ月ほどで観終えてしまった。これも異常な凝り性の成せる業である。

一人暮らしの部屋で朝から晩までフレンズとサインフェルドを再生し続ける生活。まるで登場人物たちと一緒に暮らしているようで楽しかった。本当に楽しかった。毎日何度も笑い転げたあの日々。レイチェル、モニカ、ジョーイ、フィービー、ロス、チャンドラーと過ごした青春の日々。ジェリー、エレイン、ジョージ、クレーマーと過ごしたトラブル続きの日々。楽しかったあの思い出…!

一部妄想がだだ漏れになってしまったが、そんなお気に入りドラマの舞台はどちらもニューヨークである。ニューヨークの人の群れの中、繰り広げられる日常活劇。ああ、ニューヨーク、ニューヨーク。私の生活には圧倒的にニューヨークが足りていない。テレビの海外旅行番組でニューヨークの映像を見るだけでは足りないのだ。もっと生活感のあるニューヨークを見たい。ニューヨーク、ニューヨークを!!

ニューヨーク…ニューヨーク…ニューヨークシティ…シティ…セックスアンドザシティ…

セックス・アンド・ザ・シティ!!!

やっぱりセックス・アンド・ザ・シティを観るしかない。というか、もう既にシーズン1の6話まで観たのだが、そろそろ疲れてきたので感想は次回に持ち越そうと思う。はたしてこのドラマは、ニューヨークに飢えた私の心を満たしてくれるのだろうか。どちらにしろ、現状は「セックス・アンド・ザ・シティ」どころか「プラトニック・アンド・ザ・地方都市」な私だけど。


つづく!(たぶん)


【クイズ】

このエッセイの中で何回「セックス・アンド・ザ・シティ」と言ったでしょうか?

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