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朝井リョウ 「正欲」 が文庫化されたので読んでみた
朝井リョウの正欲、前々から気にはなっていたものの文庫化されてないこともあり、なかなか手を伸ばせずにいた。しかし、この度なんと文庫化されるという事で早速発売初日に読んでみた。
読み始めると案の定みるみる世界観に引き込まれていき、そのまま一日で読み終えてしまった。以下感想。
自分が周りと同じ大多数に組み込まれていることを確認するために、自身の正義に従って少数を排除する。自分が社会的に正しい事をしてい
散歩は憂鬱を膨らませていく
犬に吠えられた
人間としての醜悪さを嗅ぎ取られたのだろうか
街中をゆくカップルが羨ましい
溢れ出る嫉妬から逃れるようにホストクラブの宣伝カーに視線を注ぐ
脇汗がとめどなく流れている
幸福の贅肉が落ち、最低限の筋肉と脆くなった骨、泥の詰まった臓物だけで出来た肉体から一体何が流れ落ちているのだろうか。臓物を満たす泥の水分か?毛穴で濾過された泥の水分は汗として流れ、その残りカスは体内に蓄積され