散歩は憂鬱を膨らませていく

犬に吠えられた

人間としての醜悪さを嗅ぎ取られたのだろうか


街中をゆくカップルが羨ましい

溢れ出る嫉妬から逃れるようにホストクラブの宣伝カーに視線を注ぐ


脇汗がとめどなく流れている

幸福の贅肉が落ち、最低限の筋肉と脆くなった骨、泥の詰まった臓物だけで出来た肉体から一体何が流れ落ちているのだろうか。臓物を満たす泥の水分か?毛穴で濾過された泥の水分は汗として流れ、その残りカスは体内に蓄積される。肉体の許容量を超えた残りカスがニキビや吹き出物となり、私の輪郭からはみ出ていく。それがまた私を憂鬱にする。

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