『涼宮ハルヒの直観』谷川流
「局部的リアリズムの誕生」。それでもやはりハルヒはハルヒのままなのだった【72】
なんといっても「鶴屋さんの挑戦」について語らなければならない。ここで問題となっているのは、我々が「後期クイーン的問題」と名づけた主題である。しかし、私は「鶴屋さんの挑戦」で描かれた主題よりも、「鶴屋さんの挑戦」が開いている回路のほうに強い興味を抱いている。例えば、「鶴屋さんの挑戦」はほとんど言語遊戯/言語実験に近い叙述トリックを扱っているが、この方向を突き詰めていけば倉阪鬼一郎の描く“バカミ