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【無料公開】「いばら道 vol.2 特集:早稲女×文豪」 目次・巻頭言

(2016年5月発行 表紙イラスト・題字・デザイン:がおちゃ'16)

「早稲女である」ことと「私が語る」こと

 しっかりした長女、オヤジ受けのいい新入女子、セカンドであることをわきまえているセフレ、そして男勝りで酒飲みの「早稲女」。どれが本当の自分かなんて考えるのも無駄だ。自分が何者でもないことは自分が一番よく知っている。だから、その瞬間その場で求められていることを考えてそれらしく振舞う。「である」ことをアイデンティティにできていたら、早稲女同盟の活動を始めることもなかっただろう。

 サークル名で誤解されるのも当然だけど、私たちは「早稲女である」ことを世に誇りたかったんじゃない。「早稲女」と呼ばれた人間たちが、たくさんの「である」を脱ぎ捨てて(あるいは脱ぎ捨てられない「である」と向き合いながら)何者でもない「私」を語る場所がほしかった。読んでくれた人も自分を主語にして語りたくなるような本が作りたかった。勝手にカテゴライズした対象をななめ上から見下ろすような言説には少しも惹かれないのだ。書き手のあなたはどこにいるの? その批判対象こそ幻影じゃないの? 

 今回の執筆陣には、「作家論とか批評精神とかどうでもいいから、思い入れある作家や作品に寄せてあなた自身を表現してください」と伝えました。『いばら道vol.2 特集:早稲女×文豪』、楽しんで読んでいただけたら幸いです。

2016年5月

早稲女同盟編集長 早乙女ぐりこ


Contents

早稲女×樋口一葉 ——「十三夜」 ・・・・・・ 早乙女ぐりこ

早稲女×夏目漱石 ——「三四郎」 ・・・・・・ 伏見ふしぎ

早稲女×谷崎潤一郎 ——「痴人の愛」 ・・・・・ グアテマラ・R・マヤ

早稲女×梶井基次郎 ・・・・・・ 三七十

早稲女×夢野久作 ——「氷の涯」 ・・・・・・ 未衣子

早稲女×太宰治 ——「きりぎりす」 ・・・・・・ 香良洲あげは

早稲女×坂口安吾 ——「白痴」 ・・・・・・ あべえみ

早稲女×林真理子 ——「葡萄が目にしみる」 ・・・・・・ 橘まり子

早稲女×穂村弘 ・・・・・・ 夕暮ともり

早稲女×コレット ——「青い麦」 ・・・・・・ 遊牧菜々

早稲女×サガン ——「ブラームスはお好き」 ・・・・・・ がおちゃ'16


※各コンテンツは、マガジン「いばら道 vol.2 特集:早稲女×文豪」のご購入でお読みいただけます。






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