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【#Real Voice 2022】 「パワーナップ」 4年・山下雄大

4年・スポーツ科学部 山下雄大です。
最後の部員ブログということでありきたりですが、これまでのサッカー人生を振り返ろうと思います。

11月12日関東リーグ最終節の拓殖戦を以て大学サッカーが終わった。この先もサッカーを続けるから引退という気持ちはなく、ただ1シーズンが終わった感覚。来年から環境がガラリと変わるわけだが、今のところ特に実感はない。まあ、とりあえずワクワクしている。好きや面白いが膨らんでもっと上に行きたいと、ここまで続けてきたサッカーが仕事になる。紆余曲折ありながらもずっと持ち続けた目標がひとまず形になった。


ア式蹴球部に来る前は小4〜高3までの9年間レイソルの下部組織でプレーした。レイソルに入った頃ぐらいからプロになるという目標を持ち始めた。地元の少年団でサッカーをしていた頃はプロになりたいなぁぐらいの憧れに過ぎなかったけど、レイソルに入りプロを身近に感じて一気に自分の中で現実的なものに変わった感じがした。そこからはひたすらトップチームに昇格する事を考えてサッカーするようになった。サッカー人生を振り返るとレイソルに入団した事が1番大きな分岐点だったと思う。なにより、指導者に恵まれていた。いや、大学に来て気がついた。恵まれてるどころじゃない。恵まれすぎていた。素晴らしい指導者に出会えた事が、自分にとってとてつもなく大きかった事に今更ながら気づかされている。レイソルで出会った指導者には感謝しかない。サッカーの面白さ、厳しさ、尊さを必死に自分たちに訴えかけ、指導してくれた。あの方々に出会っていなかったらプロになる事はできなかったのかもしれないと真面目に思うほど大きな出会いだった。トップチームに昇格する事はできなかったけれど9年間の経験は間違いなく、サッカー人生における糧となった。


大学サッカー最終節の会場は日大グラウンド。数ヶ月前にFC(社会人リーグ)の試合に出た時と同じ会場じゃん。今年は色々あったな。まあいいや。とにかく、大学サッカーでは4年間という期間で、それまでのサッカー人生では味わった事のない経験をたくさんした気がする。正直、この4年間でサッカーが上手くなったかはわからないが、サッカーそのものに対する見方が変わった、というより広がったのは確か。それは自分と違う感覚でサッカーに取り組んでいる人間がいたり、社会を目の前にして気がついた事だったり。中でもこの組織の特徴でもある個々の背景のばらつきから学べる事や気づきは多くあった。プレー1つとっても、お互いが相容れない事も多々あったし、そもそも考え方が根本的に違うなと思った事も多々あった。主張と傾聴のバランスがいかに重要かを思い知った。よく耳にする語呂の良い言葉だけど人との関わりにおいて結構侮れない。そんなこんなでピッチ内外における新鮮というよりこの組織であるからこその独特な局面に多く遭遇して、違和感や嫌悪感を感じたり、ぶつかった事もあった。ただ、その度に考えて自分なりに噛み砕いて前向きに消化してきたつもりではある。今思えばその機会こそが少なからず自分にとってプラスになっていたのかもしれない。この組織にいるとサッカーがちっぽけに見えたり、はたまたどでかく見えたりもした。それでも、サッカーに対する熱はどんな状況でも変わらなかったし、それがあったからなんとか4年間やりきる事ができたのだと思う。


最後の週、晃士君(令和3年卒・山田晃士 / ザスパクサツ群馬)が練習に参加した。久々に会ったけどやっぱり闘将杉山(令和3年卒・杉山耕二 / 東京武蔵野ユナイテッドFC)に並ぶレジェンド。熱量のレベルが桁違い。ルーキーズのクライマックスみたいな晃士君の試合前のセットプレー確認をふと思い出した。久々に聞きたくなってきた。えぐかったな、アレ。そんな大先輩がこんな事を言っていた。大事なのは、どこから来て何を為すかよりどう在るか。やっぱそうだよな。この言葉を聞いてつかえが取れたかのようにすっきりした。どう在るかを追求している人間はかっこいいと思うし、自分もそんな人間でありたいと改めて思った。なんだろう、とても大事なヒントをもらった気がする。山田晃士。やっぱり偉大な先輩。


思い描いていたものとはかけ離れていたな。4年間を振り返った率直な感想。ただ、壁にぶつかって足掻いたからこそ見えたモノ、得られた経験もあったなとも思えるし、不思議と後悔はない。どう在りたいかを問い続け、自分を貫き、最期振り返った時に良い人生だったなと思えるような日々を過ごそうと思う。

◇山下雄大◇
学年:4年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:柏レイソルU-18
☆徳島ヴォルティス2023シーズン加入内定


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