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「拝啓」 4年・山田晃士


みんなのおかげで強くなれました。

みんなは覚えているか分かりませんが、俺の今年のスローガンは“超える”でした。
シーズン前の学年ミーティングで言ったのを覚えていますか。

過去を、限界を、走る中で立ちふさがるであろう壁を、超えていきたいと、大学4年間のラスト、もしかしたらサッカー人生のラストになるかもしれなかった1年をそう思って走り続けてきました。


俺はまだささやかで至らない選手だけど、それでも少しはみんなのおかげで成長できたと思っています。




4年生になる前のチームビルディングの話し合い。
俺たちが4年生になったときにどうありたいか、俺たちが4年生になった時にどんなチームでありたいか、
結構長い時間をかけてみんなで考えてまとめましたね。

俺としてはすごく手応えというか、これならうまくいくかもしれないなって思ってました。


実際に出来上がったビジョンとミッションは俺たちらしさもあったし、俺たちが思う理想像みたいなものもうまく汲めていたと思います。

あとは、その中身以上に、この話し合いに時間や労力や想いを沢山かけたことが自分の手応えとして残りました。
そりゃ、ビジョンとかミッションを作るなんてやったことないから、時間も労力もかかるのは当たり前なんだけど、ゴールも分からなきゃ地図もないような状況の中でめげて楽な方に流れることをせずに向き合い続けることって簡単なことじゃないから、その過程をやりきれたってことは自信と誇りと仲間の偉大さを自分に感じさせました。

これのために全力で走り続けようって思えるものができたって思いました。



加えて、同時期、ちょうどそのチームビルディングの話がまとまったくらいのときに、自分個人のキャリアのところで自身の進むべき道というか、自分がどうなりたいかっていうのを見つけることができました。

それというのは、“心に寄り添える人間になりたい”というものです。
もう少し言葉を足しておくと、正直なところ世の中全ての人に寄り添うことはできないので、自分の手の届く範囲で、自分の近くにいる人たちから着実に寄り添っていきたい。そして、少しずつ手の届く範囲を広げていきたい。
そんな風なあり方が自分のなりたい姿として見えてきました。


その方向性が見えたときに、自分がこれからどう振る舞うべきか、頑張る理由は何かということも明確になりました。


今この立ち位置にいて、俺の近くにいる大切な人とはみんなであり、みんなの想いや目標を実現するために共に全力で走ること。こんな俺にできることは全部やること。

それが今年1年俺が為すべきことであり、そのために頑張るのだと意志が固まりました。




納得のいくビジョン・ミッションをみんなと作ることができたこと、自分の在り方の方向性が見えて実際の行動の指針ができたこと、これらは確実に俺の行動を変えました。


思えば、それまでの自分は結構ダサくて、何かを考えている風で実際は全然考えていなくて、勝手に頑張ってるだなんて思い込んで、なんか真っ直ぐ生きていなかった感覚があります。


今年に入って自主練の量も筋トレの量も増やしました。
これまでの3年間と比較すれば1番やっていると思います。

無理してるって感覚はありませんでした。
これまでの3年間と比較すれば1番心は軽かったと思います。

当然というか、ただやりたくてやっているというか、ただ今年1年、みんなと、みんなと決めた約束のために頑張ろうって思えば、なんかやれることは全部やろうって思えるし、そうなると俺にやれることなんて山ほどあるなってなるし、もっと山田晃士を動かそうってなります。

みんなを思えばいくらでも声を出せるし、いくらでも蹴れるし、いくらでも飛び込める気がしました。

みんなとサッカーしている時はもちろん、笑い合えてるとき、同じ壁にぶつかったとき、陰ながら努力しているのを見かけたとき、どんな小さなことでも全てが原動力になって俺の心を焚きつけます。

「止まってはいられないだろ、俺。」
「突き進め、俺。」
「情熱、ハードワーク、エナジー、まだまだだろ、俺。」

みんなを見てると、どこからともなくそんな声が聞こえてきます。


自分のためには大して頑張れない中途半端な俺。
そんなダサい俺。
ただ、誰かのこと、応援してくれている人のことを想えば、俺は俺を超えることができるのだと思います。
そんなことをみんなは気付かせてくれました。



早いものでシーズンももうここまできました。

リーグはあと1試合。
終わればあとは全国大会を残すのみ。


確かに終盤ではありますが、「ありがとう」はまだとっとかせてください。


まだ俺たちは道の途中。為すべきことが残っています。

もう少し、俺も頑張らなければいけません。
あと少しだけ、俺に力をください。

昨日の西前のブログに書いてあったように、俺も笑いながら泣いて終わりたいです。


全員で最後まで走り切ったからこそ抱えられるかけがえのないものを持って、みんなに「ありがとう」って言わせてください。



山田晃士(やまだこうじ)
学年:4年
学部:社会科学部
前所属チーム:浦和レッズユース



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