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【心理学13】職務特性理論・職務特性モデル(モチベーションを上げる方法)(組織心理学分野)

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はじめに

最近やっと涼しくなってきました。
散歩の季節です。
コロナのおかげでリモートワーク太りをかましている(ただの甘え)ので、そろそろ本気でどげんかせんといかん😒
健康のためにもどげんかせんといかん。

でも、モチベーションが全然上がらないんですよ🙄
好きなものを好きなだけ食べたいというモチベーションの方が遥かに強くて、痩せたいとか痩せようというモチベーションは、あくまでも「健康のため」とか「病気になっちゃうから」という負のインセンティブによって動機づけされています。

その結果、散歩まで苦痛に感じやすい今日此頃😒

そういえば、結構前の話ですが「インセンティブ」「モチベーション」について記事を書いたのです。

今日は、この記事に記載していることに関連する内容で、「モチベーションを上げるにはどうすればいいのか」という論点に関する理論を取り扱おうと思っています。
企業組織では永遠のテーマと言っても過言ではないかもしれません🤔
どうやったら従業員の皆様がモチベーションを上げてくれるのか、どうすれば積極的に仕事をしたくなる環境を作れるのか……

今回の記事でご紹介する「職務特性理論(職務特性モデル)」が何かのヒントになるかもしれません。
そして、これを応用すればきっとダイエットのモチベーションも上がるはず😒


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1.モチベーション / インセンティブのおさらい

ではまず「モチベーション」というよくわからない概念のおさらいから始めましょう🤔

モチベーションとは、人間が何らかの欲求を満たすことを目的として行動を起こし、達成するまで努力を継続すること、またはその意欲のことをいいます。

そして、インセンティブとは、人間の意欲を引き起こす要因や刺激のことをいいます。

したがって、人間のモチベーション(意欲)が上がる際には、何らかのインセンティブ(要因・刺激)があるということですね😁
ここが最重要ポイントです。
つまり、他人のモチベーションを上げるためには、その人のモチベーションが上がるようなインセンティブ(刺激)を与えればいいのです。
今回の記事で取り扱うテーマはまさしくこれです。
どんな刺激を与えればいいのかという点🤔


ということで、インセンティブ(刺激)についてもう少し詳しく見ていきましょう!

現在の心理学では、インセンティブ(刺激)には、2つの種類があると考えられています。

それが、外的インセンティブ内的インセンティブです。

外的インセンティブの代表例は「お金」です。
お金がもらえるというインセンティブは、とても強いインセンティブで、それをもらうために人は努力しますし、意欲を燃やします。
即効性が高く、非常にわかりやすいインセンティブです。
その他、異性からの好意、物品なども外的インセンティブの代表格です。


内的インセンティブの代表例は「興味」「関心」「快楽」などの感情です。
これらの感情は、内側から人間を突き動かす力を持っています。
人間は、趣味に対して興味の赴くままに何千時間もの時間を費やしたり、達成した瞬間の快楽のために険しい山を登ったりします。
内的インセンティブは、通常ならけしてやらないであろう苦労であっても喜んで実行させてしまう不思議な力を持っています。


これらのインセンティブのうち、より重要なインセンティブは、「内的インセンティブ」の方です。
なぜなら、外的インセンティブは一時的な効果しかないからです。
お金のために働いている人は多いと思いますが、それでモチベーションが高い状態を保つことは難しいです。
高いモチベーションを保つためには、内的インセンティブが必要不可欠なんですね🤔

なお、この内的インセンティブによって高められた意欲のことを「内発的動機づけ」(intrinsic motivation)といいます。
一方で、外的インセンティブによって高められた意欲のことを「外発的動機づけ」(extrinsic motivation)といいます。


ここまでがおさらいです。
では、本題に入っていきましょう!


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2.職務特性理論とは

職務特性理論(職務特性モデル)とは、簡単にいうと、職務の特性によって、人間は仕事に対して高いモチベーションを持ったり、自己の成長に対する満足感を得たり、仕事自体に対して満足感を得たりするのだとする理論です。

この理論はハーバード大学の教授であるリチャードハックマン(J. Richard Hackman, 組織心理学)とテュレーン大学の教授であるグレッグオールダム(Greg R. Oldham, 組織行動・経済学)によって提唱された理論です。

この理論……紹介または引用してくれている論文や書籍はいっぱいあるのですが、そのどれもが本当にわかりにくくてですね😑
普通に説明したとしても「明日使える」レベルまで分解するのは至難の業です。

そこで、今回の記事では、重要なところをスパッと抜き出して、絶対に覚えておきたいことだけをまとめようと思います!
詳細を知りたい方は、原典をお読みください。
ただ、日本で入手するのは難しい気がします🤔
PDFで販売しているサイトとかで買う必要があるでしょう。
書籍の情報はオレゴン州立大学のサイトにあったので、貼っておきます。

それでは、エッセンスだけを抜き出していきましょう!



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3.職務特性理論の概要

職務特性理論は、人間が内発的動機づけを高めて、意欲的に仕事をするまでのメカニズムを職務特性という視点から解明しようとした理論です。
簡易化すると、以下の図のようになります。

スライド素材3 (8)

これ以上に簡易化できないというくらい簡易化しました(笑)

職務特性理論は極論してしまえば以下の3ステップで説明できます。

1.重要な職務特性を有する 
2.心理状態に変化が生まれる
3.モチベーションが上がる 

文章で説明すると、

「重要な職務特性を有する職務に従事する人たちは、心理状態に良い変化が現れ、結果的にモチベーションが上がる。ただし、モチベーションが上がる程度には個人差がある。」

というのが職務特性理論の概要です😁
とてもシンプルな理論です。

ハックマン教授らは、このプロセスを数式化しています。

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日本語で翻訳してくださっている方がいたので、貼ると以下の通り。

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ははは🙄
わからん。


ということで、一旦数式を無視して、上記の3ステップをもう少し細かく見ていきましょう!


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4.重要な職務特性とは

まず、職務特性について簡単にご説明します。
これは、その職務が持つ「特徴」のことだと思ってもらえれば良いです。
「単純作業が多い」職務とか、「頭を使う」職務とかですね。


そして、「重要な」とは、モチベーションが上がるような特性という意味です。
モチベーションの上がり下がりと関係がある重要な特徴はなんだろうかという視点です😁

ハックマン教授らによれば、モチベーションアップに関する重要な職務特性は、以下の5つだとされています。

(1)技能多様性
(2)タスク完結性
(3)タスク重要性
(4)自律性
(5)フィードバック

これらの特性が強ければ、モチベーションが上がりやすいということになります!
それでは一つ一つ説明していきます😁


(1)技能多様性

技能多様性とは、その職務を遂行するために、どれほど多様な技能が必要とされるのかの程度という意味です。

多様な技能が必要とされればされるほど(技能多様性が高ければ高いほど)、モチベーションは高くなりやすいとされています😁
いろんな技能を活かせた方が楽しいですからね!

反対に、技能多様性が低い職務とは、単純作業系の職務です。
私も若い頃、数日間だけ単純作業系アルバイトに就いたことがあるのですが、睡魔に襲われてやる気どころではありませんでした😨
複雑なことや専門性が高いことをしていた方がモチベーションが上がりやすいというのも納得です。

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(2)タスク完結性

タスク完結性とは、仕事の工程を全体としてみて、最初から終わりまでどの程度関わっているかを意味します。

最初から終わりまでガッツリ関わっている方がモチベーションは上がりやすいとされています😁

反対に、仕事の全体像がわからず、工程の一部にしか関わっていないという職務では、モチベーションは上がりづらいです。
自分のやっていることが本当に意味のあることなのかがよくわからなくなるからでしょうね🤔
働く意味や目的を見失いやすくなるのだろうと思います。

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(3)タスク重要性

タスク重要性とは、そのタスクが他人、組織、社会に対し、どの程度(良い)影響を与えているかの程度を意味します。

タスク重要性が高ければ高いほど、モチベーションも上がりやすくなります。

一方で、誰にも影響しない、社会に関与もしないタスクではモチベーションが上がりにくいです。

人の生命や財産、人生に関わるような重要な仕事だと使命感のようなものも生まれるのでモチベーションが上がりやすくなるというのもよくわかりますね🤔
例えば、集中治療室で働く医師や看護師などは目の前の命を救う必要があるため、極めて高いタスク重要性を持っています。

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(4)自律性

自律性とは、自由裁量が認められている程度を意味します。

タスク処理にあたって、スケジュールの管理、手順の決定などを自分で決められるかどうかですね😁
自律性が高ければ高いほど、モチベーションは上がりやすくなるとされています。

一方で、自由裁量がほとんどなく、全部ガチガチに決められている職務ではモチベーションが上がりにくいです。

私は自由人なのでまさしくこの「自律性」が最重要要素です😱
自由がない仕事は続けられません(笑)

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(5)フィードバック

フィードバックとは、自分の仕事の結果に関する情報を知れる程度を意味します。

フィードバック情報の精度が高ければ高いほどモチベーションが上がりやすく、低いほどモチベーションが上がりにくいです。

例えば、工場等で働いているときに、自分の作った製品が正常に作動するかどうかを自分で確認できる人と、製品の品質チェックは別部署が行うという会社にいる人とではモチベーションの上がり方に差が出るということですね🤔

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以上が、重要な5つの職務特性です。
この5つはバッチリ記憶したいところです。
改めて5つ挙げておきます。

(1)技能多様性
(2)タスク完結性
(3)タスク重要性
(4)自律性
(5)フィードバック


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5.心理状態の変化とその効果

上記の5つの職務特性が上がると、心理状態にどのような変化が起こるのでしょうか。
この点もハックマン教授らが解明してくれています。

教授らの理論によれば、5つの職務特性が上がると、以下の3つの心理状態の変化が起こるとされています。

(1)仕事の有意味感の上昇
(2)仕事の成果への責任感の上昇
(3)成果への知識の増加

なお、ここでいう「心理状態の変化」とは、感情が変化するという意味ではなく、「認知的心理状態が変化する」という意味です。
認知的心理状態の変化とは、例えば、知識、認識、意識、感覚などが変化するという意味です😁
考え方が変わったり、感じ方が変わったり、知識が増えたりするということですね。


そして、上記の3つの心理状態変化は、5つの職務特性のそれぞれに対応して変化するとされています。

技能多様性・タスク完結性・タスク重要性の上昇は、仕事の有意味感の上昇に貢献し、自律性の上昇は、仕事の成果への責任感の上昇に貢献。
そして、フィードバックの上昇は、成果への知識の増加に貢献します。

図で表すと以下の通り!

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この変化が起こる結果として、モチベーションが上がるという理論です。

心理状態の変化についてもう少し詳しく説明します。


(1)仕事の有意味感の上昇

・技能多様性
・タスク完結性
・タスク重要性

この3つの職務特性が上昇すると、自分が今行っている職務が、社会的に意味のあることで、重要な職務なのだという認識が生まれます。
いわば、自分の存在意義を感じられるという状態になるわけです😍
これ、とても大事なことですよね。
自分の仕事が誰かの役に立っていると実感できることはとても嬉しいことです。

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(2)仕事の成果への責任感の上昇

・自律性

この職務特性が上昇すると、自分の自由裁量の範囲が広がっていきますから、その分責任が伴っていきます。
自由にやっていい代わりに、自分の仕事の結果に対して責任を負わないといけないのです。
それはつまるところ、プロフェッショナル思考です😁

プロ意識の上昇は、自己の仕事への「誇り」に繋がるので、モチベーションが上がっていくのです。

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(3)成果への知識の増加

フィードバック

フィードバックの精度や頻度が上昇すると、自分の仕事の結果や成果に関する知識が増えていきます。
ノウハウが貯まると表現してもいいです。
これによって、自分の仕事の貢献度や重要性をより強く実感できるようになるため、モチベーションが上昇します😁

自己効力感や自己肯定感の上昇にも繋がるので非常に有益な認知的変化です😍
フィードバックには様々なものがありますが、営業職などでは業績ランキングなどを貼り出すことがあると思います。
あれもフィードバックの一種です。

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以上の3つの心理状態の変化が起こった結果、モチベーションが上昇し、以下のような効果が期待できるとされています。

・業績の向上
・高い職務満足感
・成長への満足感
・離職率の低下
・欠勤率、遅刻率の低下
etc...

その他にも自己実現などにも効果がありそうです🤔
素晴らしい理論だと思います。


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6.効果は人による!

上記の通り、職務特性理論は、モチベーションアップやその他の様々な効果が期待できる素晴らしい理論です。
ぜひ実務でも応用したいところ。

しかし、その効果については、個人差が大きいという研究結果があります。

人間は、それぞれ異なった価値観を持っているので、職務に対する姿勢も異なります。
そのため、職務に対する根本的な姿勢、価値観によって、職務特性の効果に差が生まれてしまうのです。

では、どのような価値観を持っている人なら職務特性の効果を最大化できるのか?
ここ、採用戦略においてとても重要なところです。
現在のところ、以下のような価値観・姿勢を持った人だと効果が出やすいようです。

・学習意欲の高い人
・成長意欲が高い人
・知識欲の高い人

これらの特徴を持つ人を採用すれば、職務特性の効果を最大化できそうです。
そして、学習意欲・成長意欲・知識欲が共に高い人達は、基本的に学生時代にしっかり勉強していますから、その結果として高い学歴を有する人が多くなります。
現代の先進国のほとんどが学歴社会になっている理由もここにあるのだろうと思います。


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7.実務への応用

それでは最後に、職務特性理論を実務で応用する方法を考えてみましょう!

明日使えるレベルでいえば、2つの応用が考えられます。

一つは採用戦略に活かす方法です。
これは前述した価値観を持った人を採用すればいいだけなのでそこまで難しくありません。
その人の学歴・学習歴をしっかり見て、学習意欲・成長意欲・知識欲を分析すれば良いと思います😁


もう一つは職場の職務特性を強めるという方法です。
こちらは、会社全体、組織全体で取り組む必要があるので難易度はとても高いです。
参考になるかわかりませんが、5つの職務特性それぞれで考えてみたいと思います。


(1)技能多様性

技能多様性は、その職務の遂行にどれだけ沢山の技術・能力が必要なのかという程度なので、職務自体が単純なものであれば高めようがありません😱
そのため、単純作業が多い職種に関しては根本的な改革は難しいです。

しかし、少し工夫すれば、少し改良することができます🤔

タスクを複数種用意すれば良いのです。
大きな会社では、ガチッと職域(受け持っている仕事の領域)が決まっていることが多く、あまり多様性がありません。
その結果、技能多様性が下がります。

でも、ほんの少し職域を跨いだタスクを用意すれば、途端に技能多様性が強まります😁

皆さん、ベンチャー企業に勤めている若手がモチベーション高い人が多いと思ったことはありませんか?
私はそれを日々実感しています。
全国に支社があるような巨大企業で働く人達と比べると、ベンチャー企業にはいつもやる気溢れる若手が多いです。

その原因は、職域の幅にあると思っています。
ベンチャーでは、常に人が足りていないので、職域に際限がほとんどありません🤣
私は元々法務なので、大手では法務さえやっていればなんとかなるのですが、ベンチャーでそんなことは言っていられません。
会計やファイナンスの基礎も学ばないといけないし、人事(採用)だって自分でやります。
必要であれば商談にだって顔を出します。
部下の教育も自分でやらないといけないので、常に新しい何かを学び続けていないとついていけなくなります。

その結果、技能多様性が高まり、自分の能力が常に広がっていっている感覚が得られます😁
若手の皆さん、ベンチャー企業へおいでください(宣伝)

ということで、職域を少し広げれば、技能多様性は高められそうです。

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(2)タスク完結性

タスク完結性は、一連のタスクにおいて、その最初から最後まで関わっている程度のことでした。
これは簡単に変えられますね!

全行程に関わらせてあげればいいだけです。
要所要所のMTGに出席させてあげるだけでも全然違ってきます。
それだけで全体像が見えますし、自分のタスクの重要性を理解することができます。
結果的に自己肯定感も高まるでしょう。

そして、日々、その人が行うタスクの重要性を全体像を示しつつ説明してあげることも重要です。
マネージャーの皆さんはここを意識するだけでもだいぶ変わると思います。
部下に対して仕事を振る際、どうしてもタスクの説明だけに留まってしまうことが多くなると思いますが、そこでひと手間かけて、全体像から説明してあげると、タスク完結性が高まります。

全行程を知っていることやその要所要所に関わっていることを認識するだけでタスク完結性は上がるので、まずは情報を与えるところからやってみると良いかと思います。
新人のうちから様々な会議に出席させて、たまに

「ここのタスクは、○○さんが処理してくださいます。
大事なタスクなので、よろしくお願いしますね!
ただ、失敗しても皆でフォローしますから大丈夫ですよ😁」

などと言ってあげれば、タスク完結性はグッと高まるはずです。

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(3)タスク重要性

タスク重要性は、自己の行うタスクが他人・社会に与える影響の度合いのことでした。
ということは、どれだけ大切な仕事なのかを理解してもらえればいいわけです😁

これもそこまで難しいことではないです!
タスクの全体像を説明する際に、そのタスクの重要度をついでに説明すれば良いだけです🎵

その他にも、日頃から感謝を直接伝えるというのも効果的です。
誰かに感謝されているのだということを認識すれば、タスク重要性は間違いなく上がります!

最近のベンチャー企業では、「ありがとうカード」とか「サンキューメッセージ」のような制度があって、従業員間で感謝の言葉をネットやカードを使って伝え合う文化が醸成されています。
このような制度を活用して、できる限り具体的な感謝ポイントを述べるとより効果的です👍

特に間接部門では日頃の感謝を伝えることが重要です。
我々間接部門は、事務作業が業務の8~9割を占めています。
そのため、誰の役に立っているのかわからなくなることがあるのです。
自分という存在は会社にとって不要なのではないかと思うことがチラホラあるんです……
コストセンター(利益は産まないのにコストばかりかかっているという意味で使われる)とか言われる部署なので、尚更です。
事務作業なんて、言うてしまえば、文章を読む・書く・編集するしかしてないわけですから、生きている意味を見失いがちなんです(笑)

だからこそ、感謝されたりするとグッとくる(´;ω;`)ウッ…

ということで、タスクの重要性や感謝を日頃から述べるという工夫でタスク重要性は上げられそうです。

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(4)自律性

自律性は、自由裁量が認められている程度でした。
こちらも改善が容易です!

部下に仕事を振る際に、裁量を与えればいいのです😁
マネージャーのマネジメントスタイルによっては、マイクロマネジメントを好む人もいるかもしれません……
そういうマネージャーにとっては他人に裁量を与えることは苦痛を伴う可能性があります🤔

でも、多くの人にとっては、ほんの少しの勇気と覚悟だけで実践できることです。

確かに、部下に自由裁量を与えると、失敗するリスクも当然高くなりますが、それでモチベーションが上がるならメリット大です!
ただし、自由裁量を与えるべき人とそうでない人がいるので、そこはよく分析して判断する必要がありそうです。

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(5)フィードバック

フィードバックは、自分の仕事の結果に関する情報を知れる程度のことですから、仕事の結果に関する情報を随時渡してあげればフィードバック精度は上昇します。

ただ、フィードバックのやり方はしっかり吟味したいところです🤔

とある企業で、従業員にフィードバックを定期的に出そうという試みをやった結果、1on1というなかなか重い制度が追加されたことがありました。
マネジメントを専門にしている方はおわかりいただけるかと思いますが、1on1は非常に難易度の高い行為です。

人によっては、部下にとって強いストレスをかけてしまう人も多いのです……。
フィードバックはあくまでも『適切な』フィードバックである必要があるので、そのフィードバックによって不快感だけが増して行ったり、ストレスが増幅されるのでは本末転倒です。
むしろ、モチベーションがダダ下がりする原因となります。

例えば、極めて口臭がキツイ上司との密室1on1とか地獄ですからね😱
あと、ひたすらネガティブなフィードバックを受け続ける1on1もモチベーションはダダ下がりです。
このあたりの加減を上手にやれるマネージャーなんてほとんどいませんから、フィードバックの仕方は工夫する必要があります。

基本的には良いフィードバックから先に伝え、かつ、良いフィードバックは若干オーバー気味で伝える方が良いでしょう。
そして、ネガティブフィードバックについては優しく伝える必要があります。
1on1で伝える以外の方法でも、例えば書面で伝えたりしてもいいかもしれません。
何がその人にとって適切なフィードバックとなるかは人によるので、制度設計もある程度柔軟にやっていく必要があります。

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おわりに

今日は1万文字近くに及んでしまいました……
それだけ重要な理論なのでお許しください。
大事なのは職務特性をしっかり理解し、変化させようと努力することです。

(1)技能多様性
(2)タスク完結性
(3)タスク重要性
(4)自律性
(5)フィードバック

たった5つなので、記憶してしまいましょう!

おそらく組織心理学の分野の中でも、職務特性理論は実務で活用すべき理論の代表格だと思います。
しかし、その活用は非常に難しいですし、組織全体で取り組まないと上手く行きません。

職務特性理論の実務での応用を検討していくと、最終的には「採用と教育」の問題に帰着すると思いますが、それでもやってみる価値があります。
学習意欲・成長意欲・知識欲の高い人間を集め、彼らがモチベーションを高く保てる組織にするために、今何ができるか。

一度考えてみるのもありだと思います😁


では、また次回の記事で🎵


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著者:瀧田 桜司(たきた はるかず)
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