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【心理学9】ハロー効果(社会・認知心理学分野)

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はじめに

先日、近所の気温が私観測史上最高を記録して、38度となっておりました😨
38度の時間帯は身の危険をヒシヒシと感じました。
普通にボンネットで目玉焼き作れそうです。
今後地球はどうなるのやら……
今年の夏は相当暑いらしいので、皆さんお身体ご自愛ください。


では、今日も心理学の勉強をしましょう。
今日取り上げるのは、社会心理学の分野でも超重要な「認知バイアス」についてです😁
認知バイアスにも様々な種類がありますが、その中でも今回は「ハロー効果」(Halo Effect)について学んでいきましょう!


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1.ハロー効果とは

ハロー効果とは、評価対象の強い特徴に引っ張られて、その対象に対する評価が歪められる現象のことをいいます。
ハロー(Halo)は、光の輪という意味で、神様の後ろにあるあのキラキラした光のことを意味します。
そのため、ハロー効果は別名「後光効果」と呼ばれています😁

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そして、ハロー効果には2つの種類があります。
一つが、評価対象の特徴が良い特徴だった場合に発生するポジティブな意味でのハロー効果です。
もう一つがその逆で、悪い特徴だった場合に発生するネガティブなハロー効果😨

以下、事例を見ていきましょう!


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2.ハロー効果の事例

ハロー効果には様々な事例が存在します。
皆さんも日々どこかで経験していることだろうと思います🙄
これを機に評価を見直してみるのもありかもしれませんよ(笑)


(1)学歴によるハロー効果

日本で最も多いハロー効果事例と言っても過言ではないでしょう。
それが学歴によるハロー効果です😨

「東京大学出身だから、仕事もできるはずだ」

「Fラン大学出身だから仕事もできない」

「慶○出身だから金持ちの遊び人」

「体育大出身だからパワハラしそう」

などなど(笑)
ポジティブにもネガティブにも日々ハロー効果が発生しているはずです😱

学歴と仕事の出来不出来は一定の相関はあるものの、絶対ではないです。
それにも関わらず、学歴を知ることによって通常の評価よりもポジティブ(ネガティブ)に評価してしまうことが往々にしてあります。
その結果、手痛い採用ミスをしてしまったり、逆に良い人材を逃してしまったりします😱

いずれも損失であることに変わりはないので、自分が今下している評価がハロー効果によって歪められていないかを常に客観視する必要があります。

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(2)資格によるハロー効果

こちらも多いです😨

「弁護士資格を持っているから喋りが達者なはず」

「簿記1級を持っているから経理ができる」

「医師免許を持っているから何でも知っている」

「証券アナリストを持っているから投資もできる」

「公認会計士だから性格がすごく細かくて神経質」

など。

難しいと有名な資格では特にハロー効果が発生しやすいので要注意です。
上記の例でいうと、弁護士資格を持っていても喋りは上手にならないです😨
むしろ法律家のコミュ障率を舐めてはいけません。

また、簿記1級を持っていても経理業務ができるとは限りません。
むしろ簿記は持っていないけど経理経験3年ありますという若い子の方が優秀だったりします。

公認会計士が細かくて神経質というのも……(いや待てよ……たしかに多いカモ…)


一部『確かにそうかも』と思うこともありますが、基本的には資格保有によって推測できるのは、その資格試験に出題される科目をある程度理解しているという部分だけです😱
それ以上の評価をする場合には、歪みに注意しないといけません😁

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(3)ルックスによるハロー効果

こちらも日々発生しています。

「顔が可愛いから今までEASYな人生を送ってそう」

「イケメンだから仕事もできそう」

「良いスーツを着ているからエリートサラリーマンだ」

「高級車に乗っているから相当儲けているはずだ」

「ブサイクだから仕事もできなさそう」

「顔がキツイから性格も悪そう」

などなど。

人間は見た目が9割なんて言われる時代ですから、それはもう強めのハロー効果が発生していて、見た目でほとんどのことが判断されています(笑)

本来相関性のないことまでも見た目によって推測されるので、評価する側に立っている人は要注意です。
また、評価される側としてもハロー効果を前提として行動しないといけません。
見た目一つで悪い評価を受ける可能性があるので、身だしなみに注意を払う必要があります。

そういえば、だいぶ前の話ですが、このハロー効果を逆手にとって、無理して高級車に乗ることで仕事をゲットしていた知人がいました🤔
何の車種だったか忘れましたが、高い高級車のオープンカータイプに乗っていて、その車種のオーナーが集まる集会に出ることでお金持ちと繋がり、顧客を獲得してましたね……。
そういう応用もあるので、ハロー効果は面白いです。

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(4)肩書によるハロー効果

日本は肩書大好きなので、肩書によるハロー効果事例も多いです。

「代表取締役社長だから凄いお金持ち」

「部長って書いてあるから仕事ができる人」

「理事長って書いてあるからなにかしらの団体の偉い人」

など。

私も若い頃に自分の会社を立ち上げた際に、名刺に「CEO」と入れたのですが、それだけで周りのおっさんたちの態度が変わったのに驚きました。
肩書によるハロー効果は大きいです😱

しかし、一人会社ならみんなCEOです(笑)

代表取締役なんて、2週間あれば登記完了するので誰でもなることができます。
所詮はその程度のものでしかなく、本人の能力とは無関係なのですが、それでもハロー効果が働いて評価を歪めます。

これを逆手に取れば、就活で有利になることもあります😏
例えば、学生のうちに株式会社を一つ立ち上げて、代表取締役社長に就任するのです。
これだけで「起業経験あり」になる。
別に4年間何もしなくてもいいのです。

「4年間、事業を頑張ってみたのですが、軌道に乗せられず、自分の小ささを思い知りました!」

なんて言っておけばいい😁
実際にこの方法でハロー効果を得て就職先決まった後輩がいます(笑)
面接では事業内容等に触れられもせず、なぜかずっと「なかなかできることじゃない。偉い」と褒められたらしいです🤣

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(5)英語によるハロー効果

日本特有のハロー効果といえばこれです。

「英語が喋れるから、あの人は仕事ができる」

「英語が喋れるのに、あの人は仕事ができない」

という評価の歪みです😱
これは私も自戒せねばならない。

英語ができる人を見ると、それだけで「かっこいい」と思ってしまう自分がいます。
また、海外留学経験がある人を見た場合も同様です。
「この人は親がお金持ちなんだろうなぁ」と自動的に考えています(笑)

でも、これらは完全なハロー効果です😨

英語ができるということを過剰に評価してはいけません。
英語なんて、海外の5才児でもできます。
フィリピン人の知人がいうには、フィリピンでは3ヶ国語を話せるのが当たり前らしいです。
東南アジアでは様々な国の言葉が使われているので、多い人では5カ国語を操るらしいです。

本人の努力によって英語ができるようになったのであれば称賛に値しますが、単に英語が自然と身につく環境にいただけであれば、それは単に親の財力等のおかげです😱
本人の他の能力とは切り離して考えないといけない。

それに、英語の出来不出来と仕事の出来不出来とは本来無関係です。
むしろ、英語だけしかできない人の多いこと多いこと😨
最近ではネガティブなハロー効果の方が強いかもしれない。

評価する側は「英語」という日本人の多くが苦手とする科目による評価の歪みを意識しないといけませんね。
中にはハロー効果の派生的効果によって、必要性が低いのに英語ができる人材を採用しようとしている会社もあるので注意が必要です。
日本国内でのみ事業を行っている企業では、よほどの事情がない限り、英語ができる人材なんて別にいらないのです(笑)

英語に振り回されないようにしないとですね🙄
そういえば、先日、道でキョロキョロして困っていた外国人に「May I help you?」と声をかけたら「ライター持ってないっすか?落としちゃったんすよ~」とむちゃくちゃ流暢に言われました😨
ゴリゴリの日本人やないか!

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(6)好感度・知名度によるハロー効果

こちらもCM等で日々発生しているものです。

例えば、とある商品のCMに好感度の高い女優が起用されていた場合などに発生します。
その女優に対する好感度によって、商品の好感度も上がってしまう現象ですね🙄
なお、私はハロー効果によって、人生で全く食べたことがないジャイアントコーンを3本も購入しています。

あー可愛い。

その他にも、知名度・好感度が高い人が言っていることなら正しいだろうと信じ込む現象などもハロー効果です。

知名度・好感度などによって本来の評価が歪められてしまうのです🤔

この現象がどうしても発生してしまうからこそ、マーケター達は起用している女優・俳優の好感度を異常なほど気にします。
演者の好感度がガタ落ちすると、その商品に対する好感度も下がることがあるからです。
ハロー効果はポジティブにもネガティブにも発生してしまうので、気を使う部分です。

芸能界に何年か居た人はよくご存知だと思いますが、実はタレント側(所属事務所)もハロー効果の怖さをよく理解していて、CMを受けるかどうかをその商材の好感度によって判断しています。
例えば、金融系の企業のCMなどはオファーを受けてくれる女優・俳優が非常に少ないです。
不祥事を起こす可能性が比較的高い点、お金という一歩間違えば負のイメージがつく難しい商材である点などが理由です。

このように、ハロー効果はビジネスにおいてもかなり応用が進んでいる心理学知識といえそうですね😁

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(7)受賞歴によるハロー効果

最後に、受賞歴によるハロー効果もご紹介します😁

「モンド・セレクション金賞受賞しているなら美味しいはずだ」

「B級グルメランキング1位なら美味しいはず」

「Amazonベストセラーなら良い本なはず!」

など。

そう思ってしまったこと、みなさんもあるでしょう😏
そして、その期待を裏切られた経験も同時にあると思います。

日本はなぜかランキングが大好きなんですよね🙄
私も好きでよく見るんですが、そういう受賞系の話で評価が歪められてしまうのもハロー効果の一種です。

1位なら美味しい、面白い、楽しい、良いものなはずだと思い込んでしまうのです。
本来であれば様々な事実を総合評価する人でも、受賞歴があることによって評価を歪められてしまうことがある。

実はその1位(または受賞)、ちょっとしたお金の操作で取れちゃうかもしれないのに……。

私はよくハロー効果で失敗しています(笑)
買っちゃうんですよねぇ😒
大抵美味しくないし、面白くもないのに。
今後は無駄なお金を使わないでいいように、慎重に評価を下したいと思います。

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3.組織開発での注意点

ハロー効果は、主にマーケティング分野で応用されていて、その研究も進んでいます😁
一方で、個人的に見逃せないのが組織開発分野での応用です。

採用や人事評価の際にも、良くも悪くもハロー効果は発生しているのです😒
そのため、組織開発での注意点をまとめておこうと思います。


(1)学歴に加えて学習歴も見ましょう

今の所、先進国のほとんどは学歴社会です。
ビジネスマンとして成功するレールに乗るために、学歴が入場券のような役割を果たしています。

しかし、それは所詮、22歳時点の話です😱

新卒については他に基準となるものがないからとりあえず学歴で測っているだけであって、それを30代・40代でも当てはめてしまうとハロー効果の餌食になってしまうことが多いです。
それに、学歴なんてある程度作れますから、そこまで大きな価値はありません。

社会人経験を積んだ人にとっては、学歴よりも「学習歴」の方が重要になってきます。
すでに様々なメディアで「これからは学習歴が重視される時代になる」と書かれていますが、まさしくそのとおりです。
私も子供の頃に進研ゼミでお世話になったベネッセホールディングスの安達社長も次のように述べています。

「単に学校を出たというだけではなく、それから何を学んできたか。学歴ではなく学習歴が重要視される社会にしていきたいと考えています。学び続けることがかっこいい、と皆が思えるような社会になったらと思っています」

私自身も数年前から採用に直接関わるようになったので、それ以来学習歴を重視して採用活動を行っています。

そもそも学習歴とは、その人が社会人になってから学んだ知識・技能のことをいいます。
社会に出て何を学んできたのか、何を身に着けたのか。
そこを重視される時代がきます。

組織開発に携わるビジネスマンの皆様(採用や人事、マネージャー等)は、学歴によるハロー効果に惑わされることなく、学習歴という事実に基づいて評価できるようになっておくべきです。

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(2)ルックスと同じくらい中身も大事

人間なので、どうしても見た目で判断しがちです。
美しい人、かっこいい人だと仕事もできると思ってしまったり、人間性も優れているように見えたります😱

でも、それが当てにならないということに、私達はもう気づいているはずです。

たしかに、外見はその人の中身の一番外側だという考え方もあるので、見た目が良いことに越したことはありません。
しかし、見た目の良さに引っ張られすぎるとハロー効果によって失敗してしまいます😨
これは結婚でも一緒ですよね……(意味深)

ビジネスにおける組織開発でも、ルックスの良さに引っ張られすぎると危険です。
ルックスはある程度取り繕うことができるからです。
そして、中身の良くない人ほど、取り繕う術に長けていることが多いです。

そのため、極力その人の中身(価値観)に目を向けるようにしましょう。
面接や商談の経験回数が増えて経験値が貯まると、外見を見たら中身もある程度予想がつくようになるのですが、経験値がしっかり貯まるまでは中身を重視するように心掛けましょう。
それがきっと失敗を減らす方法です。

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(3)資格は取得後に差が出る

組織開発において、資格が幅を利かせるケースがあります。
特に専門職においては、資格の重要性も高く、無いとそもそも業務が行えないこともあります😱
そのため、資格によるハロー効果もより発生しやすいです。

しかし、資格は持っているだけじゃほとんど意味がないんですよね……

専門家の皆さんはよくご存知のとおり、専門家としての能力のほとんどすべては、資格取得後に身につけることになります。
試験で学んだことの多くを実務では使わないのです(笑)
法学なんてその顕著な事例といえます。
試験に出たところ全然実務で使わんのです🙄
なんだったのあの苦労は……。

そのため、資格を過度に評価してしまわないように注意を払う必要があります。
資格取得後にその人が何をやってきたのか、どんな壁にぶつかって、どう乗り越えたのか、その経験から何を学んだのかが重要です。
ここも学習歴と同義ですね😁

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(4)過去の実績に引っ張られ過ぎない

採用する際、任命する際、どうしても過去の実績を基準にして人材配置を行ってしまいがちです。
それ自体は間違いではないですし、一定の合理性がある方法だと思います。
しかし、ハロー効果による過大評価には注意を払う必要があります。

過去、その人が営業職としてずっと1位だったからとか、職歴を見ると肩書が全部部長以上だったからといった理由で採用・任命するのは若干危険だなと思います🤔

実績(肩書含む)というものは、様々な要素によって成り立つものです。
私の実感ベースでいうと、6~7割くらいは運(縁故など)です(笑)

任命者と仲が良かったからたまたま部長に任命されただけの人なんていっぱいいますし、たまたま上司から引き継いだお客さんが大口顧客だったがゆえに営業成績が良かったという人も多い🙄
業績・肩書が実力に見合っている人というのは、意外にも少ないのです。

だからこそ、よくよくその人(又は別の人)から過去の話を聞かないといけません。
どういう方法によってその業績を出したのか、どういう経緯でその地位に就いたのか、そこが明らかにならないと正確な判断ができません。

ハロー効果は、評価対象の顕著な特徴に引っ張られて、他の評価についても短絡的な評価をしてしまうことによって発生します。
だからこそ、一旦冷静になって、事実を積み重ねる作業が必要です。
推論に飛躍がないかどうかを一度チェックしておけば、ハロー効果による弊害を避けることができます😁


おわりに

今日はハロー効果について少し詳しめに考察してみました。
ハロー効果自体はかなり有名なので、知っている人の方が多いかと思います。

最近は組織マネジメントにも心理学の知識が応用され始めているので、ちょっと嬉しいです😍
心理学がもっと身近なものになって知識として普及していけば、マネジメントはもっと楽しくなると思うので、それに少しでも貢献できたら嬉しく思います。

ではまた次回も頑張って書きます!
お楽しみに🎵



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著者:瀧田 桜司(たきた はるかず)
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