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搾取する人、される人

どうも。藁科侑希(わらしなゆうき)です。
普段は大学教員やスポーツ現場でコーチやトレーナーをしております。
今日が316日目のnote投稿です。

今日は外山滋比古さんの著書「やわらかく、考える」の一部から。

外山先生の言葉は、スッと入ってくるものが多くてとても好きです。
中でも、この本はエッセンスを取り出して、それをさらに噛み砕いて伝えるようにつとめている気がして。読みやすい文章が心地いいです。

そんなエッセンスの中の、特に人と話す際・コミュニケーションを取るときにこうであったほうがいいよね、ということを取り上げながら書いていきます。

●人の話は最後まで聞く

 言論を大切にするのだったら、相手の意見を、かりに考えを異にしても、じっと最後まで聞く度量がなくてはならない。
 自分の勝手なことだけをまくし立てて、相手の言うことははじめから聞く耳を持たない。
 こういう人間が集まっていては思想の自由はバベルの塔をつくるだけであろう。
             『日本語の感覚』

これはものすごく色々な人の顔が浮かびました。
主に、人の話を最後まで聞かないで、自分の意見を押し付けようとする人。
そして、話を遮って、自分の意見をただぶつけて去る人。

これはオンライン・オフライン問わず多くいる印象を持っています。
自分の思い通りにいかない時に、「だーかーらー!」と瞬間湯沸かし器のように怒りと憤りの感情をごちゃ混ぜにしてこちらにぶつけながら、自分の論理を捲し立てる。そして、自分の思い通りにいくように、まわりを地位や権力、同調圧力で支配する。
また、都合が悪くなれば、自分はやっていない・言っていないの一点張り。

「手柄は自分のもの、責任は相手のもの。」

このような考えが、人の話を最後まで聞かない人の頭にはあるのだと感じています。実際に、そう言われたこともあります。とても憤りを感じたと同時に、反面教師的に「絶対こうはならない」と心に決めた数年間でもありました。

もしも、組織の行く末や繁栄を想う、支持者を増やしたいのであれば、異なる考えや方針も、一旦はまず受け止めて、自分たちの活動や運営にどう活かせるかを吟味すること。
変化を拒むのではなく、試行錯誤をともにしながら、「カイゼン」を協力しておこなっていく。これがどの組織にもチームにも求められるのだと思います。

人の話を最後まで聞かない、ということはその変化の機会を失うことに他ならず、成長の阻害を促してしまうことにもなりますね。

リーダーの責務として、メンバーや仲間、交流のある方々の意見やアドバイスを吟味して、その中で「取捨選択して決定する」ことが求められます。
さらに、その決定した責任を自分が負う、という気概を持ってチームを率いることも必要ですよね。

このように、上の立場になればなるほど、専門を深めれば深めるほど、このような「人の話にじっくり耳を傾ける」ことの重要性が高くなっていくのだと思います。

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●敬語というバンパー

 話す言葉はメッセージの伝達とは違った役割を負わされている。つまり、この人はどれくらいの心理的距離にあるのかの探りを入れるのに使われる。
 われわれの社会は古くから人間関係が複雑に発達している。すこしうっかりしていると、すぐ衝突する。いつも車間距離に細心の注意をしていないといけないのである。
 もし、その距離が危険なほど近い時は、触れ合っても相互に傷つかないようなメンバーを用意しておく必要がある。敬語法はいわばバンパーである。
             『日本語の感覚』

先の「話を聞く」とセットに考えるのは、「話す」ことですね。
その話をする側になった時に必要な要素が、"話す内容"だけではない、ということに気づかない人も多いんです。

特に、学生の卒業論文発表を聞いていると顕著なのですが。
発表のスライドを用意して、発表者ツールを駆使して、「原稿をただ読み上げる」ことに終始することがあります。
これは言い換えれば、"話す内容"さえその場で発すればいい、という解像度の低い考えを露呈してしまっているのだとも思います。

上の引用のように、「話す言葉はメッセージの伝達とは違った役割を負わされている。」のです。
外山先生は敬語の有用性を示すために心理的距離、という言葉を用いていますが、もっと広く捉えれば、話すという行為は、「相手へ言葉と言葉以外の情報を示す」ことなのだと思っています。

つまり、話の内容だけではなく、その立ち姿勢、発声の大きさや抑揚、目線、表情、身振り・手振り、「間」などを含めた、総合的なパフォーマンスが重要ということです。
これは、話す側が意識していようがいまいが、相手が必ず受け取るものなので、その距離感や受け取られ方へのアンテナを張ることはとても大切だと感じます。

話を聞く側、言葉を受け取る側の視点に立つことで、自分の話すパフォーマンスがどのようであるかは、完全ではないにしろ読み取ることができます。
相手は自分の写し鏡、とも言われるように、自分がどう振る舞えているのか、話すことを気持ちよく聞いてもらえているか、にも意識を向けられることが望ましいですね。

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●素直な受け答えを習慣に

これは常々思っていることですが。

間違っていたら、謝る。素直に認める。
嘘をつかない。
正直に自分が思っていることを伝える。

とても大事な習慣だと思って、気をつけていることでもあります。

先の人の話を最後まで聞かない人が共通して持つことというのが、この逆のことであることが非常に、非常に多いんですね。

間違っていたとしても、認めない。責任は他人にあると言い張る。
嘘を平然とつく。上に媚び、下に攻撃する。
自分の本心を明かさない。

言葉にするとこうなりますね。こんな人間いないでしょ、と思う人もいるかもしれませんが多くいるのが現状だと思っています。

専門性を高めた人、権威を積み重ねた人、立場を上りつめた人。
このような人の中に、「いい人」の皮をかぶって、人をぞんざいに、駒のように扱う人もいることがあります。程のいい労働力として、時間とエネルギーを搾取されることもままあります。

そんな人からは、距離をとる、あるいは離れられない環境であれば感情を無にしてやり過ごす。
そして、素直な心でやりとりができる人やコミュニティで交流を深めること。

このように、自身の心の平穏と安寧を得られるようにしたいですね。

とはいえ、自分も知らず知らずに「搾取する側」「攻撃する側」に回っていないか、をコミュニケーションを取る中で感じ取る必要があるかもしれません。
自分でも意識しないうちに、固定概念にとらわれていたり、これまでの実績や肩書きに固執していることもあったりします。
そのような時には、色々と積み重ねてきたことや権威の笠を取っ払って、素直な心で相手と向き合うようにしていきたいと思ってもいます。

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今日はここまで。316日目おわり。
最後までお読みいただきありがとうございました!

それではまた明日。

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【保有資格】
 博士(スポーツ医学 筑波大学)
 日本スポーツ協会公認バドミントンコーチ3
 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
 日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツコーチ
 日本障がい者スポーツ協会公認中級障がい者スポーツ指導員
 日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー
 NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
 NSCA認定パーソナルトレーナー
 高等学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
 中学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
 赤十字救急法救急員

【現在の大学担当授業】於:東京経済大学・千葉大学・日本女子体育大学
 <体育実技>
  ●バドミントン ●卓球 ●バレーボール ●トレーニング理論実習
 <ワークショップ科目>
  ●テーピング・マッサージ実習 ●スポーツ医学理論実践
 <講義科目>
  ●健康の科学a ●健康の科学b ●スポーツとの出逢い


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