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月刊「ぶんぶくちゃいなノオト」

メルマガ「「§ 中 国 万 華 鏡 § 之 ぶんぶくちゃいな」(祭日を除く第1、2,4土曜日配信、なお第2,4土曜日が祝日の月は第3土曜日に追加配信/月ほぼ3回/年始年末は配信お… もっと読む
中華圏の現地でどのような注目の話題があるのか。必ずしも日本とは関係のない、また日本では話題にならな… もっと詳しく
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#中国

240228 【現代ビジネス】寄稿:香港戦「メッシ欠場」で“激怒”した中国...なぜ「3月のアルゼンチン親善試合はキャンセル」という「政治的ポーズ」を取る必要があったのか

240228 【現代ビジネス】寄稿:香港戦「メッシ欠場」で“激怒”した中国...なぜ「3月のアルゼンチン親善試合はキャンセル」という「政治的ポーズ」を取る必要があったのか

2月4日の香港で行なわれた、サッカーのインテル・マイアミと香港選抜選手チームとの試合におけるメッシ欠場から起きた騒ぎの3本目です。

ちょいとしつこいようですが、日本側メディアの報道は、「香港での試合が」で始まり、「中国はー」で終わるお決まりの混乱状態で、何が香港で起き、何に中国がでてきたのか、そしてその関係はきちんと伝えられていないので、別途「中国のご都合篇」として書きました。

報道する側のメ

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240210 【ダイヤモンド・オンライン】寄稿:「カネ返せ!」メッシの試合欠場に中国人が大激怒、でも香港人は薄ら笑いのワケ

先週日曜日(2月4日)に香港大球場で行なわれた、インテル・マイアミと香港選抜チームとのサッカー親善試合が大騒ぎを引き起こしています。事態はまだまだ動いていますが、昨9日までの最新裏話をまとめました。

なお、本日配信予定のメルマガ「§ 中 国 万 華 鏡 § 之 ぶんぶくちゃいな」では、その後続情報とこの記事には書ききれなかった、この事件で見えてきた香港及びその経済を巡るさらに深刻な事情、そしてそ

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【ぶんぶくちゃいな・期間限定全文無料公開】ポッドキャスト「不明白播客」:「白紙運動は終わりじゃない、始まりなんだ」(後編)

【ぶんぶくちゃいな・期間限定全文無料公開】ポッドキャスト「不明白播客」:「白紙運動は終わりじゃない、始まりなんだ」(後編)

今週は、2023年12月に配信した、ポッドキャスト「不明白播客」の書き起こし翻訳「白紙運動は終わりじゃない、始まりなんだ」の後編をお送りする。

今回のゲストも、2022年12月のコロナゼロ政策撤廃のきっかけとなったとされる、11月末のデモ活動「白紙運動」の際に、中国のネットにアップされたとたん次々と消されていく書き込みを拾い上げたり、直接自分に届けられる書き込みをツイッターに流し続けたアカウント

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231223 【現代ビジネス】寄稿:ミャンマーの山岳地帯にある「巨大詐欺団地」に中国人が誘拐され働かされていた…その数なんと12万人!ミャンマー北部で起きている「驚愕の混乱」と「中国の困惑」

231223 【現代ビジネス】寄稿:ミャンマーの山岳地帯にある「巨大詐欺団地」に中国人が誘拐され働かされていた…その数なんと12万人!ミャンマー北部で起きている「驚愕の混乱」と「中国の困惑」

わたしにしては、ちょっと変わった記事になります。最初に書き始めてから書き上げるまで、約1カ月かけました。とにかくミャンマーという国についての情報を得るためと、やはりあまり馴染みのない国情を調子に乗って間違わないように、と必死にタンミンウーの著作や、ニュースメディア記事を読みまくりました。

ただし、ミャンマー情勢を書いたつもりはさらさらなく、中国に関わる国境地帯で起きている詐欺グループ事件からの発

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【ぶんぶくちゃいな】ポッドキャスト「不明白播客」:「白紙運動は終わりじゃない、始まりなんだ」(前編)

【ぶんぶくちゃいな】ポッドキャスト「不明白播客」:「白紙運動は終わりじゃない、始まりなんだ」(前編)

1年前の今頃、いったいどんなふうに過ごしていたか、覚えているだろうか。

1年前の中国ではちょうど、11月末に新疆ウイグル自治区ウルムチ市のマンション火災で、消火活動が路上のコロナ対策の柵によって阻まれて遅れ、幼い子どもを含む住民が焼死するという悲惨な事件をきっかけに、厳しいコロナゼロ政策に対する抗議活動が起き、それが「白紙運動」となって全国へと飛び火したところだった。

その運動に「白紙」と名付

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【ぶんぶくちゃいな】ガザ衝突と中米首脳会談:中国が抱える危うい「爆弾」

この原稿を書き始める直前に、来月米国で行われる予定のアジア太平洋協力(APEC)会議に出席するため訪米する習近平・中国国家主席とバイデン米大統領との首脳会談実現に向けて、米中両が正式に具体的な準備作業に入ることになったというニュースが伝えられた。

中国がAPECでの米中トップ会談実現を切望し、準備していたことは、すでに6月のブリンケン国務長官の訪中時に重要議題の一つになっていたから、特に「大ニュ

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【ぶんぶくちゃいな】国慶節の国内旅行熱大絶賛のウラに潜む、不動産バブル崩壊の影響

9月末の中秋節から土日を挟んで国慶節に続く8連休が終わった。先週も書いた通り、もっと自由に休みを取れる人たちは10連休という豪華版を楽しんだわけだが、それでもほぼすでに日常に戻った。

コロナの前までなら国慶節連休直後の1週間は、メディアが伝える連休中の経済統計をもとに、企業が今後の消費動向を展望し、11月11日「「双十一 W11」(以下、「ダブル11」)の「ショッピングキャンペーン」や、年末、ク

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【ぶんぶくちゃいな】道場破りで大注目! 「勧善懲悪」インフルエンサーがつまずいたわけ

「夏休みや祭日を利用した補習授業は禁止されている! 法律違反だ、中止せよ!」

補習業界の最大手「新東方」の浙江省杭州にある支店に乗り込んだネットインフルエンサーが、カメラの前でこうどなった。

彼はその場で責任者と電話で交渉した後、店のロビーに突っ立ったまま同地の公安局や教育局、工商管理局などに電話をかけ、「違法行為が行われている。すぐさま職員を派遣して取り締まって欲しい」と通報した。その様子が

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【ぶんぶくちゃいな】「利用」されるネット暴力――母はなぜ死を選んだか?

中国では、6月1日は国際NGO「国際民主婦人連盟」(WIDF)が制定した「こどもの日」に合わせて、この日小学校が一斉に休みになり、子どもにまつわるさまざまなイベントが企画される。

とはいえ、働いている親たちは休みを取らない限り仕事は休みにならないので、今やどれだけの家庭で子どもの日が祝われるのかはあまりわからない。それでも学校を含めて子どもたちを取り巻く環境はお祝いムードに包まれるので、人々の心

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【ぶんぶくちゃいな】デズモンド・シャム「ぼくは共謀者−−中国の政治、ビジネス、そしてカネ」(前編)

【ぶんぶくちゃいな】デズモンド・シャム「ぼくは共謀者−−中国の政治、ビジネス、そしてカネ」(前編)

新型コロナもすでに落ち着き、世界はまた経済の話題が大きく盛り返してきた。

中米の緊張関係は直接世界経済の緊張感を生んでいるし、ロシアによるウクライナ侵攻もまたエネルギー価格の高騰を引き起こし、経済に二次、三次的な影響をもたらしている。バイデン米大統領は広島G7サミットの後、国内の財政問題を解決するために他国の訪問をキャンセルし、きびすを返して帰国した。

毎日チェックしている中国のニュースでも、

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【ぶんぶくちゃいな】経済学者許成鋼「ChatGPTをめぐる中米AI競争」(後編)

【ぶんぶくちゃいな】経済学者許成鋼「ChatGPTをめぐる中米AI競争」(後編)

前編はこちら:

米「ニューヨーク・タイムズ 中国語版」の袁莉・編集長が聞き役を務めるポッドキャスト「不明白播客」の後編をお送りする。ゲストは米スタンフォード大学の中国経済及制度研究センターの高級研究員、許成鋼教授。許教授は清華大学機械工学部の大学院を卒業する際に同学部で初めてコンピュータ補助設計についての論文を発表した。

この後編では、許教授は米OpenAIが発表したChatGPTの世界的ブー

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【ぶんぶくちゃいな】ハイエンド人材誘致競争:大事なのは頭脳か、頭数なのか

日本ではあまり話題にはなっていなかったが、1月初めに中国政府が日本と韓国が中国からの到着便の乗客に対して全員強制PCR検査を実施することに対して「差別だ。こちらも相応の措置を採る」と声を上げた結果、香港の航空会社はそれに協力する形で日韓への直行便を急遽大幅減便した。

日本でそれが大して話題にならなかったのは、日本人の目が大きな声を上げた中国に向けられていたからで、全員PCR検査実施対象ではなかっ

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230204 【現代ビジネス】寄稿:2023年の春節で行われた「厳しいネット情報規制」と「中国政府が本当に隠したかったもの」

春節もとうとう2月5日の「元宵節」で終わり、中華圏もやっと「通常運転」に戻りました。この間に、日本や韓国に入国する中国人観光客のコロナ陽性率があれよあれよと下がり、韓国の統計ではほぼ0%になったとのこと。

そんなに顕著に減少するもんなんですかね? とはいえ、中国政府にとっては願ってもないことでしょう。国内の感染者の具体的統計を発表しなくなってすでに1ヶ月あまりになり、実際に国内の施策解禁後の第一

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【ぶんぶくちゃいな】中国完全監視体制:少年はいかにして姿を消したのか

【ぶんぶくちゃいな】中国完全監視体制:少年はいかにして姿を消したのか

今年1月初めに、中国のメディアである15歳の少年の失踪事件が大きく取り上げられた。

少年の名前は胡キン宇、「キン」の文字は「森」の形に「金」が3つ並び、そこから想像できるとおり「豊かで栄えるさま」を意味する。中国ではよく人名で使われる漢字で、生まれた子どもが豊かになれるようにという親の思いが伝わってくる。

胡少年は江西省上饒市郊外にある鉛山県の農村に生まれ育ち(中国では「県」は「市」の下にある

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