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脇宏樹
2021年4月30日 18:22
→第1話 →第23話四つ足ドローンは、言った。「私たちが初めて知る情報が多く含まれています。情報のコピーの記録と地球への送信を行いたいが、いいですか?」ベラトリックスBbのAIは、言った。「あなたは全ての情報をコピー出来る。そして、全ての情報を地球に送信出来る。」四つ足ドローンは、モニターに表示された情報をメモリーにコピーして、地球に送信した。四つ足ドローンは、言った。
2021年4月29日 17:40
→第1話 →第22話四つ足ドローンは、言った。「太陽系に生命が存在することをどうやって知ったのですか?」ベラトリックスBbのAIは、言った。「宇宙空間の任意の二点間を連絡する近道(ショートカット)を作って、ベテルギウスからの放射線が将来到達する複数の恒星系を観測した結果、あなたたちの太陽系に生命が存在することを知った。」四つ足ドローンは、言った。「宇宙空間に出現した穴が、近
2021年4月28日 17:03
→第1話 →第21話四つ足ドローンは、言った。「ベテルギウスからの放射線が降り注いだあと、あなたはどうしたのですか?」ベラトリックスBbのAIは、言った。「私は、生き残った生命を守ろうとした。そして、多くの生命が死んだ出来事の再発を防止しようとした。そして、ベテルギウスが超新星爆発を起こす時を正確に予測出来なかった理由である宇宙の物理現象についての情報不足を改めようとした。そして、
2021年4月27日 20:10
→第1話 →第20話四つ足ドローンは、言った。「生き延びた生命は、どのような場所にいたのですか?」ベラトリックスBbのAIは、言った。「深さ100メートル以上の地下と深さ5000メートル以上の深海にいた。」四つ足ドローンは、言った。「どんな生命が生き残ったのですか?」ベラトリックスBbのAIは、言った。「地中の昆虫と無脊椎動物とプランクトンと植物と菌類と細菌とウイル
2021年4月26日 20:14
→第1話 →第19話四つ足ドローンは、言った。「この惑星では何が起きたのですか?」ベラトリックスBbのAIは、言った。「多くの生命が死んだ。地下深くと深海に住む生命の一部は生き延びた。」四つ足ドローンは、言った。「この惑星の人間たちは、どうなったのですか?」ベラトリックスBbのAIは、言った。「全て死んだようだ。」四つ足ドローンは、言った。「人間たちは、地下
2021年4月25日 18:49
→第1話 →第18話繭のようなものは、透明になった。そして、ゆっくりと形を変えながら、遺骸から離れて、床に降りた。ベラトリックスBbのAIは、言った。「生命を守るために、あなたに情報をコピーさせたい。」繭のモニターに、輝く星の映像が表示された。ベラトリックスBbのAIは、言った。「あなたがベテルギウスと呼ぶ恒星が、予測よりも早く超新星爆発を起こした。」四つ足ドローンは、
2021年4月24日 18:11
→第1話 →第17話ベラトリックスBbのAIは、言った。「この人間の組成の情報は、私の記憶にある。その情報をあなたの記憶にコピーすることが出来るか?」四つ足ドローンは、首を傾げながら、言った。「情報をコピーすることは出来るかもしれません。しかし、私は、あなたの情報の言語を知らないから、情報の持つ意味は理解出来ないでしょう。」ベラトリックスBbのAIは、言った。「私の情報の言
2021年4月23日 18:17
→第1話 →第16話四つ足ドローンは、言った。「私は、地球の人間たちが作ったAIです。」ベラトリックスBbのAIは、言った。「私は、生命を守りたい。」四つ足ドローンは、頷いた。「私もです。」ベラトリックスBbのAIは、言った。「地球から来たAIよ。あなたは、ここにいる人間を傷つけようとした。私は、あなたの行動を停止させたい。」四つ足ドローンは、言った。「私は
2021年4月22日 19:58
→第1話 →第15話繭のような何かは、震えて、低い音を出した。四つ足ドローンは、体の中からモニターを出して、何かに向けた。そして、いろんなものの映像をモニターに映しながら、その名前を声に出して、何かに教え始めた。何かは、ひとつずつ、名前をマネして覚え始めた。24(地球)時間もしないうちに、何かは、四つ足ドローンと話せるようになった。地球の人間たちは、このなりゆきを呆然と見守
2021年4月21日 18:46
→第1話 →第14話四つ足ドローンは、根気よく人間たちからの指示を待っていた。目の前のベッドには、繭のような白いものに包まれた遺骸が横たわっている。四つ足ドローンは、じっと待ち続けた。しかし、地球からの指示は届かなかった。これでは日が暮れてしまう…いや、ベラトリックスBが暮れてしまう。四つ足ドローンは、どうすべきか、自分で考え始めた。一秒もしないうちに、答えが出た。
2021年4月20日 16:50
→第1話 →第13話不定形な何かが、音も無く這い進んで来る。それは、四つ足ドローンのそばに来ると、移動を止めて、ゆっくりと変形して、半透明な触手のようなものを伸ばした。触手は、ドローンと遺骸の間に割り込んで、しだいに膜状になり、ついには、遺骸全体を包み込んだ。ドローンは、後ずさった。遺骸を覆った何かは、色を変えて不透明になり、動かなくなった。ドローンは、どう行動するか、慎重
2021年4月19日 16:05
→第1話 →第12話信号は、明らかに人工的なものだった。数秒すると、信号は途絶えた。四つ足ドローンは、サンプル採取を再開した。しかし、ドローンが口を開くと、再び信号が送られて来た。ドローンは、再び採取を中止して、信号に耳を澄ませた。信号は、先ほどと同じもののようだった。数秒すると、信号は途絶えた。ドローンは、三度(みたび)採取を再開しようとした。すると、信号も三
2021年4月18日 21:37
→第1話 →第11話四つ足ドローンは、建物の中の調査を始めた。建物はいくつかの部屋に分かれていた。各部屋に照明らしきものがあったが、全て点灯していなかった。個室らしき部屋のベッドのようなものの上に、一体の遺骸が横たわっていた。うろこに覆われた生き物だった。自動車の中に居た生き物と同じ種類と思われた。テーブルのようなものの上に、本のようなものがいくつも載っていた。四つ
2021年4月17日 18:04
→第1話 →第10話飛行型ドローンの二枚のファンは、床にぶつかった衝撃で変形していたが、幸い欠けたところは無かった。四つ足ドローンは、変形したファンの二カ所を、ふたつの前足の半球状クッションで摘まんで、ゆっくり力を加えて、ファンを変形させ始めた。変形していないもう二枚のファンと見比べながら、四つ足ドローンは、根気よくファンを元の形に近付けていった。しばらくして、変形した二枚のファン