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ベラトリックスのなみだ 第14話

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不定形な何かが、音も無く這い進んで来る。

それは、四つ足ドローンのそばに来ると、移動を止めて、ゆっくりと変形して、半透明な触手のようなものを伸ばした。

触手は、ドローンと遺骸の間に割り込んで、しだいに膜状になり、ついには、遺骸全体を包み込んだ。

ドローンは、後ずさった。

遺骸を覆った何かは、色を変えて不透明になり、動かなくなった。

ドローンは、どう行動するか、慎重に考えた。

そして、地球の指令センターに指示を仰いだ。

地球では、地球外生命を初めて見つけたのかもしれないと、大騒ぎになった。

不定形な何かからサンプルを採取して分析すべきという意見が出された。

しかし天文学者は、その行為が何かに不利益を与えて、警戒心や敵意を生じさせる恐れがあると反対した。

人間たちの意見はまとまらず、紛糾した。


~つづく~


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