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上達の流れ 成長の過程 守破離 とは

どんなに外観が素晴らしい建物でも、基礎がいい加減だと、いずれ建物に歪みが生じてしまい、最悪、倒壊してしまいます。
基礎とは、建物の自重や建物に加わる荷重を地盤に伝え、建物を支える下部構造である土台の総称です。
ここから、物事の土台と客観的なものを総じて、基礎といいます。


同じような言葉に基本があります。
基本は、物事の論理的な基軸です。
基本を繰り返して取り組むことによって、揺るぎない基礎が定着するのかと捉えています。

武道において、初心者同士などのレベルが低いうちは、基本の習得度合いによる実力差は見えにくいものです。

基本をいい加減にしていても、少しばかりのセンスであったり、体が大きかったり、力が強いだけで勝ってしまうことも多々あります。
基本を取り組まずとも勝てるとなれば、ますます、基本を疎かにしてしまうのもある意味あたりまえなのかもしれません。

しかし、ここが、大きな落とし穴です。
正直、基本は単純動作であったりして、決して、面白いとは言えないかもしれません。
例えば、算数で九九を覚えなかったら難しい計算が解けないのと同じように、何事でも基本を覚えなかったら、高いレベルに挑むのは難しくなってしまいます。

基本なんて、どうでも良いと思ってた人が、いつしか、この前まで、勝つことが出来ていた相手に勝てなくなり出します。

それは、相手が強くなったということもあるのでしょうが、むしろ、基本を疎かにして来た自分が強くなっていないことの方が多いのかもしれません。

武道などで、よく使われる「 守破離 」という言葉があります。
茶人である千利休の言葉である「規矩作法 守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」からの引用とされています。

「守(しゅ)」とは、最初に基本を覚えることが大切であること。
基本を学ぶには、先生の教えや先輩のアドバイスを良く聞いて、その意味を理解して繰り返すことで基礎が固まって来ます。

「破(は)」とは、覚えた基本を応用して工夫すること。

「離(り)」とは、これまで学んだ基本と応用から、独自の形に発展させること。

この「守」から「破」へ、「破」から「離」へと上達の流れを三文字で現しているのです。

何事も目的や目標があるからこそ成長することが可能です。
しかし、基本を学ばずに、好き勝手にやっていると、どこかで成長が止まってしまいます。
経験が浅いのであれば、必要以上に背伸びすることなく、まずは、先輩方からの基本の指導を徹底的にマスターする努力をすべきです。

当然、先輩達からの手厳しい言葉もあるかと思います。
何かというと、パワハラなどのハラスメントに転嫁していまいがちな時代です。
もちろん、ハラスメントを容認するつもりはありません。
しかし、そこには後輩に成長して欲しいと願う想いがあることも理解して欲しいと思います。
また、先輩達もまた、後輩達の姿を見て、自分自身も初心に返って自分のあり方を考え直してみて欲しいと思います。

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