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戦略のあり方を考えてみる #34 戦略

企業は、独自の価値を創造し、それを顧客に望んでいただくこと、提供することで、社会における存在意義を構築し、存続し続けることができます。
それが、マネジメントで著名なドラッカー氏が提言する企業の目的である顧客の創造です。

しかしながら、VUCA時代と表現されるように、企業をとりまく環境は、変動的で不確実、さらに複雑で曖昧です。
その様な状況下で、目的を達成させ続けるのは容易ではありません。
そこで、企業にとって必要不可欠なのが、マネジメントです。
マネジメントとは、企業の内外の状況を勘案して、目的を果たすための機能です。

そのために立案すべき方向性が戦略です。
しかし、戦略とは、これからの方向性ですので、過去の経験値や内外環境の分析(PEST分析・SWOT分析・3P分析など)から、概ね仮説で立案されます。
故に、マネジメントにおいては、物事の本質を見極め、先を見通す透察力が重要となります。

戦略の語源はもちろん、軍事用語です。
それを語る時に世界にも有名なジョーク的な「世界最強と世界最弱の軍隊」がありますが、ここで紹介するのは変な誤解を受ける可能性もあるので控えておきます。
(ご興味のある方は検索してみてください。)

目的あるいは、目標(G:Goal)を具体的に指標化したものが、KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)です。
例えば、5W1Hのフレームワークであれば、なぜ(WHEN)、何を(WHAT)、誰が(WHO)、いつ(WHEN)、どこに(WHERE)、どうやって(HOW)に落とし込むことになります。

そして、その目標を達成させることを前提に立案されるのが戦略であるKSF(Key Success Factor:主要成功要因)です。
そのため、リスクヘッジの観点からも、戦略は複数用意する必要があります。

そもそも戦略は、KGIからの因数分解されて立案されるものです。
故に、「戦略」が3つあるのであれば、それらを統合することで、KGIとなります。
しかし、それだと、仮に1つの戦略が失敗してしまったら、目標は達成できないこととなってしまいます。
よって、それぞれの「戦略」の目標は、KGIから因数分解されたものより高いものを設定する必要があります。
また、それぞれに、リスクヘッジのバックアップ戦略を用意しておくことも手法の一つです。

戦略とは、過去の経験値と様々な状況分析からの仮説から、論理と横の論理に基づき、ロジカルかつシンプルに立案されるべきかと思います。

戦略から因数分解された戦術がKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)」です。
戦術とは、戦略を成功させる上で、重要な実行評価を指標化したものと理解すべきかと思います。

ここでPDCAで捉えてみると重要なのが、計画(PLAN)されたKPIをやり切る、つまり、実行(DO)することです。

戦略と戦術の関係を語る上で「戦術の失敗は戦略で補うことが可能だが、戦略の失敗は戦術で補うことはできない」と言われます。
つまり、戦術での失敗は、戦略で補うことが可能なのです。

逆に、失敗を恐れ戦術であるKPIをやり切ることが出来ないと結果的に戦略の失敗につながりかねません。
仮に検証(CHECK)して問題があったとしても、そこから、PDCAを回し続けることで、戦略で改善(ACTION)あるいは、調整(ADJUST)することが可能となります。

故に戦術における失敗を恐れてはなりません。
失敗は成功の種です。

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