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雑記・エッセイ

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日々の雑感を書き連ねていきます。
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#エッセイ

ひとり会議

ひとり会議

今後noteの記事をどうしていくか、コーカイ日記が100を超えたので少し考えようと思う。と初めは思っていたのだが、体調を崩したことをきっかけに自分の人生全体を考えようと思い直す。

まず、ひとりで生きていくのは難しい。病気になると毎回思うのだが、気が弱くなるし誰かに頼りたくなる。側に誰かいてくれるだけで頼もしい。だけど今後今の家族はなくなるので、僕は別の家族もしくはそれに類似の共同体を形成しないと

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ウィンザーノット

ウィンザーノット

転職活動中にて斡旋会社を通じて紹介された会社へ面接に行った。久しぶりにスーツに袖を通しネクタイを結ぶ。高校3年間は毎朝ネクタイを結んでいたので結び方は手が覚えており難なく結べた。結び方はウィンザーノット。祖父が教えてくれた結び方だ。ウィンザーノット以外も練習はしたが祖父が教えてくれたこの結び方以外はどうにも上手く決まらない。

ネクタイを結ぶとき自分の手に祖父の手が重なる。亡くなってもう10年か。

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Giraffage-Computer City:溶融する愛

Giraffage-Computer City:溶融する愛

GiraffageによってPerfumeのコンピューターシティは完全に崩壊してしまった。原曲よりテンポダウンしヴォーカルの音程も下げることで、キラキラと輝くポップな世界で願う健気な愛から、ダウナーでドロリと纏わりつく狂気さえ孕んだ愛の歌へと昇華している。計算崩壊したコンピューターシティを見事に表現してみせる、その計算は完璧だ。

Giraffageはサンフランシスコを拠点に活動する音楽プロデューサ

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rough to rough

rough to rough

ラフに書く練習のつもりがいつのまにか作品にしてやろうなど欲まみれになってしまうから人間は困る。ラフに書くこと自体がなかなかに訓練のいることだとは、絵の方で知っていたことではないか。

テーマ無しに自動筆記のように書き連ねようとも言葉はイメージに引き摺られなかなか自由には飛べない。音韻や意味に頼って並べ立てられる言葉の群れは文脈を成してしまう。

意味や文脈の下層で蠢く唸りや吃りを少しでも表層にぽこ

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14才の瞬間は1400マイルの彼方

14才の瞬間は1400マイルの彼方

90年代には印象的なものがいくつかあって、それは僕がまだ小学生だったからということもあるだろうけど、現在まで僕の趣味や感性に大きく影響している。
そのひとつが96年にリリースされたHolly Palmerのファーストアルバム"Holly Palmer"だ。ライトブラウンのブーツが印象的なジャケットは地味だがきっと素敵なものなんだろうと予感させる静かな存在感を放っていた。内容もジャケットのセンスに違

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残すなら何

残すなら何

寝たいのに眠れずに布団の中でこれを書いている。
電気は完全に消して真っ暗な部屋の中、本の山脈に囲まれた盆地に横たわりながら。
こうしていると現実に解決しないといけない問題が、今考えてもどうしようもないこと含めて、頭を巡っていく。
仕事のこと、学校のこと、資格のこと、冬服のこと、アイデアノートのこと、哲学のこと、などなど悩みは尽きないが優先順位をつけるなら今は4月から再開する学校に向けて準備をするの

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への字口が開くとき

への字口が開くとき

 男の子が好きだ。それは昔から変わらない。とくにへの字口で眉を吊り上げて一点を睨みつけてるヤツ。彼は、彼らは僕が視線をやれない遠くを見ている。僕は常に近視眼的にアリの行列を覗き込んだり、畳の縁に並べたミニカーに鼻先をつけて排ガスの代わりの錆びた鉄の臭いを嗅いでいた。彼らはそんなことせずに、ひたすらケンカしている。身体と身体の、心と心のぶつかり合いだ。そこで行われる熱交換は僕にとって何よりも刺激的で

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