ボイストレーナー浜渦弘志

ボイストレーナーです。人と人とをつなぎ、想いを共有できる声と呼吸をお渡ししています。声…

ボイストレーナー浜渦弘志

ボイストレーナーです。人と人とをつなぎ、想いを共有できる声と呼吸をお渡ししています。声楽・ボーカル、俳優・声優、講師の方、プレゼン対策、人前が苦手な方、伝わる自由な声を出したい方へ。https://song-voice-life.com/

最近の記事

ホンモノの生きづらさ、ニセモノになる理由

ボイストレーナーの浜渦です。 ショックなことが立て続けに起こったり、人と違う生き方を否定され続けたり、本物がニセモノに負け続けたり、抑圧的な状況が続いた結果、ある時瞬間的に「胸が落ちて締まり息が届かなくなる」ということがある。 そして焦ってどうしようもなくなる。もちろんそれでも本物ならそこそこ実力はあるはずなのでごまかすことはできる。しかし、ごまかす自分にほとほと嫌気が差す。 これは日本の「数少ない真っ当な表現者の多く」が抱える問題。 表現者と言っても芸術家に限った話で

    • 普通の日本人ってなんだ

      ボイストレーナーの浜渦です。表現を追求するなんて呑気なしんどいことを毎日やっています。そんな中で普通の声、普段の声の違いについて触れることもあれば、個性的と人間的について考えることもあります。そんな観点から世の中を見る、変人の戯言ですが、ひっそりと普通について書きたいと思います。 普通を名乗る「普通の日本人」ツイッターを見ているとわざわざハンドルネームに括弧書きで付け足してあったります。普通の日本人ってなんだ?自分で言わなきゃアイデンティティが保てないのか?そもそも普通でい

      • 「感謝」はいいことだけれど…

        ボイストレーナーの浜渦です。「感謝」は確かにいいことだと思うのですが、正直に言えば、それがなんとなく気持ち悪く感じる時もあるのです。 それをいちいち口に出すと途端に胡散臭くなる言葉ってあると思うんです。 こんなこと言うと怒られそうですけど…穿った見方かもしれませんが、人身御供になってる人を助けもせず、お金も出さず「〇〇に感謝」にすり替わってることって、あると思うんです。 もちろん、何もできない、金もないって仕方ないと思うんです。そんな時もあるさと。ならばそこは感謝じゃな

        • 一見もっともらしい「そんなバカは相手にするな」の危険性

          ボイストレーナーの浜渦です。「そんなバカ相手にするだけ時間の無駄よ、放っておこうぜ」私はこの手の言葉に違和感を覚えます。いや本当は私だって放っておきたいし、twitterやfacebookならブロックしたくもなります。しかし、このネット社会で、この「バカは無視しろ」が世の中を疲弊させたようにも思うのです。 「バカは放っておけ」を放っておくと1.放っておいた結果バカが無限増殖する 2.向こうは向こうで、こっちをバカと思っている 3.交流や議論のない対立軸の拡大 4.気づいた時

        ホンモノの生きづらさ、ニセモノになる理由

          ひとを傷つける耳障りの良いことば

          ボイストレーナーの浜渦です。みなさんは「感謝しよう!」「人のせいにするのはやめよう!」この二つの言葉を聴いてどのようなイメージを持つでしょうか。 「とても良い言葉!」「何が悪いの?」って素直に思う「いわゆる良い人」は、曲者揃い(?)のノート作者・読者の方々にはいないかもしれませんね(褒め言葉です)。 一般的に「やさしく聞こえる言葉」とか「美しいと認知されている言葉」ほど使い方を気をつけなければなりません。なぜならそんな一般的にはきれいな、耳障りの良い言葉が苦しんでいる人を

          ひとを傷つける耳障りの良いことば

          本当の平等・共生を考える「自己責任論」は社会を否定する

          こんにちは。ボイストレーナーの浜渦です。 自己責任論という言葉がもう「使いにくくなるほど」に、自己責任社会が浸透してしまっているように思います。はっきり言って私は自己責任論には反対なのですが、その問題点を今更ながらですが、ボイストレーナーとして、また表現の世界の端っこにいる者として考察してみたいと思います。 「誰かのせい」にするということに変わりはない「社会のせいにするな」その対義語が「自己責任論」と捉えられているのでしょう。しかし、どちらも「誰かのせい」にしているのには

          本当の平等・共生を考える「自己責任論」は社会を否定する

          表現とは「自分の弱さと強さを知り、生かし合うこと」

          ボイストレーナーの浜渦です。 本当の表現者は自分の弱さと強さを知り、片方では表現が成立しないことを知っています。だからこそ互いを生かし合うことを知っています。これは精神的な意味でもありますが、むしろ体の、具体的に言えば筋力や持久力、特色の話でもあります。 どんなひとでも「筋力は強いが持久力はない」とか、歌においては「声帯は立派だけど、それに見合った体がない」「背筋は強いが腹筋は弱い」など長所短所を抱えいるものです。最初から全てが優れたレベルでバランスが取れている人などまず

          表現とは「自分の弱さと強さを知り、生かし合うこと」

          30秒で読める「ボイトレ・ワンポイント・アドバイス」【余計な力が入る理由】

          ボイストレーナーの浜渦です。 これから、簡単ボイストレーニング、声作り、表現のためのごく単純な「ワンポイントアドバイス」をお届けしていきたいと思います。今日は… 【余計な力が入る理由】 余計な力が入る理由は「必要な力が足りないのを補ってくれているから」と考えると、余計な力も、ただの悪人ではないことがわかります。 脱力しようとしてもできない方、脱力がよくわからない方は、このように考え方を転換してみましょう。 ボイトレのヒントは、自分と自分の体を知ることから。理論がわかって

          30秒で読める「ボイトレ・ワンポイント・アドバイス」【余計な力が入る理由】

          「専門外」のひとこそ「発信」しよう

          「勉強してから喋れ」「専門家でないのに話すな」っていう空気がありますよね。特に政治においては。 興味を持った最初は知らなくて当たり前。そのうちにいろんなことを知って、後で恥ずかしくなることもあるでしょうけれど。(…私の人生その繰り返しですが…)。 敷居がやたら高かったり、初心者を排除する業界はどんな趣味の世界でも衰退するもの。でも政治なんて、人間の根源的なものですから、敷居が高くて良いはずはありません。 思ったことを言う。思ったことを言える。素晴らしいと思います。 「

          「専門外」のひとこそ「発信」しよう

          ボイストレーナーの矜持…「正しさ」を超えた先の「本質」を追求し、分かりやすく伝える

          ボイストレーナーの浜渦です。ボイトレ業界も、高い声がとりあえず出て、カラオケの点数が良くて、流行りの歌い方ができれば良い…という考え方が蔓延しています。その方が分かりやすいからでしょう。 自己責任社会が定着したせいか、新自由主義社会の結果でしょうか。物事を本質や善悪よりも「正しいという解釈ができるか」「正当化できるか」という世の中になってしまったように思います。そのため、私たちも「一般化されたもの」や「普通でありたい」という願望に冒されやすくなっているように思うのです。

          ボイストレーナーの矜持…「正しさ」を超えた先の「本質」を追求し、分かりやすく伝える

          「2つの近さ」遠くて近い、オンライン・ボイトレ

          ボイストレーナーの浜渦です。3月から全てのレッスンを、ビデオ通話によるオンラインレッスンに切り替えております。(今風に言うと、リモート・レッスン、テレワークとでも言うのでしょうか…) これまでも、海外在住の方のために例外的にオンライン・レッスンはしておりましたが、年々通話の品質も良くなり、通常のボイトレ・レッスンにも十分、実用に耐えるものとなってきたように思います。 私が重要視している呼吸音もきれいに入るようになり「こんな音の呼吸から声に繋げましょう」というようなことも容

          「2つの近さ」遠くて近い、オンライン・ボイトレ

          安倍首相の滑舌が悪い原因について

          ボイストレーナーの浜渦です。まずお断りしておきますが、この記事は特定の政党や個人の主義主張を応援したり、批判するものではありません。その上で、滑舌が悪い人がなぜ悪いのか、悪くなるのかを、連日メディアに出て、この国を引っ張る立場にある、安倍首相を例に挙げて少しだけ解説させていただきますね。おそらく、一般の方が思っている理由とは少し違うのではないかと思います。 実は、よく聞けば滑舌や発音が曖昧でも、綺麗な言葉で意味がきちんと伝わる役者さんも大勢いらっしゃいます。名優と言われる方

          安倍首相の滑舌が悪い原因について

          「苦集滅道」四つの真理

          ボイストレーナーの浜渦です。私自身は無宗教なのですが、お釈迦様が最初の説法で説いたと言われる、苦集滅道(くじゅうめつどう、苦諦・集諦・滅諦・道諦)からなる四つの真理「四諦(したい)」は今日の私たちにも、大きなヒント与え続けてくれています。 …「人生の根本は苦しみ」これがブッダの人生観であり、苦諦は、四苦八苦の語源ともなっています。苦しみが出発…ポジティブ・シンキングな人には、ややもすると、敬遠されるかもしれませんが、苦集滅道の真理は、日本人にはとても親和性があると思いますの

          「苦集滅道」四つの真理

          スマホの電源を切り、座禅を組む。「漠然とした不安」を手放そう

          ボイストレーナーの浜渦です。新型コロナウイルスの影響で、ますます不安な毎日をお過ごしの方も多いと思います。将来への不安も多くの方が持っていることでしょう。私もその一人です。漠然とした不安は呼吸を硬くし、そして内臓への負担も大きくなります。さあ、スマホとともにそんな漠然とした不安を手放してしまいましょう。私は、スマホの電源を切り、座禅を組んでいると、いかに「数多く」の「浅い考え」に支配されていたかを思い知るのです。一つのことを深く考えることから広がっていく「想像力」という尊いも

          スマホの電源を切り、座禅を組む。「漠然とした不安」を手放そう

          フリーランス音楽・芸術家へのご理解のお願い

          ボイストレーナーの浜渦です。新型コロナウイルスの影響で、フリーランスの音楽家や私たちトレーナー同業者、芸術関連の方は、かなりピンチな状況です。いや、職業や置かれた立場を問わず、多くの方がなんとなく不安な日々を過ごしていることでしょう。 芸術は国の文化であり誇り…そして何よりその文化を支えてくださる方は我が国の誇りです。そして恐れ多くも、その重責を担わんと「芸術を志す者」の存在も必要だと考えています。 どうしても自己責任論がつきまとってしまいますが、全ての人が安定した職業に

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          焦ってトイレットペーパーを買いに行かなくて良い社会

          ボイストレーナーの浜渦です。万一重い病気になった時、ましてやガンや新型コロナウィルスに感染した時、誰もが自暴自棄にならない社会であってほしい。ならないで済む社会であってほしいのです。もちろん個人の努力も必要だとは思いますが「こんな素晴らしい社会だから俺も努力しよう」という努力だと素敵だ思うのです。 「いざという時、社会は助けてくれないから」…そうやって社会に追い込まれていくと「俺は一人で頑張る」また「ウチの家族だけはなんとか」「組織だけで頑張る」そして「他は知らん」という風

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