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神戸のメロンパンは白あん入り

昨晩、そろそろnoteの村から退出しようかという頃、これまでに何度かしか見かけたことのない通知が届き、なんだろうと足を止めた。
なんと、身にあまるご紹介をいただいたのだった。

おもしろい、楽しいなど、世にいろんな褒め言葉があるが、こと、書きものにあっては、「毎回読むぞ」という言葉がこれほどまでに嬉しいものとは!
しかも紹介の文面がくすぐったいくらいで、いや、くすぐったい。
もう深夜といってもいい時間帯なのに、これまで接点のなかった新しい読者が次々と訪ねてきてくださり、一気に世界が広がった。

取り上げてくださった祐希*ゆるっと薬膳/食べて健康/毎日投稿さんにはただただ感謝しかない。

ただ…さすがに今日の号でつまらない記事は書けないぞ。

***

先日、自称生まれ故郷の明石の紹介をしたら、明石出身、在住の方だけでなく、明石に知人がいたという方からもコメントをいただけたりして、まるで明石のごちゃっとしたあの賑わいがnoteに再現されたかのようだった。

明石の次に住んだ神戸の話はいずれ書くつもりにしていたが、多感な頃に過ごしただけあって、おそらく一回では書き切れない。

だから今日はメロンパンについてだけ書こう。

メロンパンはサンライズ。
メロンパンは白あん。

急に錯乱状態に陥ったとは思わないでほしい。
この2文だけで、そやな、とすぐ思えたらそれはきっと神戸人。

言葉を補おう。

(全国的に言う)メロンパンは(神戸では)サンライズ(と呼ぶ)
(神戸の)メロンパンは(中に)白あん(が入っている)

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この丸いのはご存じ、全国的にメロンパンと呼ばれているパンだ。
戦前の神戸で生まれ、日の出をかたどって「サンライズ」と呼ばれたが、全国に広がるうち「メロンパン」と呼ばれるようになったという。
しかし神戸をはじめ一部の地域では今もサンライズと呼ぶ。

確かに形はメロンに似ているが、就職して東京に出て初めてこれをメロンパンと聞いた時、は?全然ちゃうわ!と頑として受けつけなかった。
それには訳がある。
神戸にはメロンパンと呼ばれる別のパンがあるのだ。

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神戸のメロンパン(©神戸メロンパンご当地フード化計画)

こちらは戦後に神戸で誕生したメロンパン。
形からして全然違うが、サクサクのビスケット生地は乗っていないうえ、中には白あんが入っていて、これがメロンパン?という声が聞こえてきそうだが、これがメロンパン。
ふんわりしっとりの生地の中に突然現れる白あんの和のテイスト、うまい。

全国的にはメロンパンと呼ばれるようになった丸いサンライズも、白あんの入った紡錘型のメロンパンも、どちらも神戸生まれ。
さすがパン消費量全国一の神戸の面目躍如といったところだ。
舶来の入口だった神戸には、いろんな事始めが集まっている。

うぅむ…久々にメロンパンが食べたくなってきた。
どっちの?
いや、ここまで読んでいただいた読者であれば、どちらを指しているか、もう説明は要らないだろう。

(2021/4/13記)

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