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まどろみ天使
2024年2月13日 16:44
前回は心理学と法律学の共通点について述べた。今回は『精神分析入門』のメモの中の一つ、現象学とのかかわりについて述べよう。前回「現象学の始まりが記述的心理学であったのはうなずける」と書いたが、記述的心理学とは、フッサール初期において、あくまで直観にとどまって、そこに与えられるがままの心的諸体験という事象そのものを純粋に記述していこうとする「理論の前段階」としての「純粋記述」であった。だが中期
2024年1月24日 14:50
私は哲学畑であり、かつ、心理学を認めていない主義である。といっても、いつまでも食わず嫌いでいても仕方ないので、フロイト著『精神分析入門』を読んでみた。『精神分析入門』が厳密には心理学であるといえるかは別としても、少なくとも心理学の立場からみた分析となっている。読み進めるにあたっていくつか気になった点をメモしておいた。「蓋然性の寄せ集め」「証明の方法?」「現象学の始まりが記述的心理学であっ
2023年12月9日 14:20
アタシは坂口安吾が専門だったわけでもないのだが、どうしても『堕落論』や『白痴』などから、安吾はダメなヤツ、というイメージがあった。今回読んだ短編集でも、そのダメっぷりは十分発揮されているので、まあ、ダメなヤツなんだろう。だがこの短編集の中で、あれ?安吾さん、ちょっとマトモな発言?っていう箇所があったので、ここに披露しておきたい。「青春は絶望する。なぜなら大きな希望がある。少年の希望は自在で
2023年8月28日 10:58
梶井基次郎の『檸檬』(短編集)を久しぶりに再読。最近は読むペースが格段に落ちたことに加え、つい軽めの本に流されている。久々に文学作品に触れたよろこびは大きい。最後に「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」という冒頭で有名な『桜の樹の下には』が収録されている。私は主に10代から30代前半、詩を書くことで生き延びてきた部分もあったが、桜という題(あるいはモチーフ)で詩を書きたいと思いながら結局書