寛容であることの重要さ―ヴォルテール『寛容論』―
毎月のように参加している読書会に今月は参加できても聞き専になる見込みである。そこで今月紹介する本を以下に記しておこう。
18世紀を代表する哲学者ヴォルテールによる著作である。フランス南部の街、トゥールーズで起きた事件を題材に、寛容とは何か、なぜ寛容さが大切なのかを問うものである。
この本のベースとなっているのは、トゥールーズで起きた宗派(カトリック、プロテスタント)間の対立、そしてそこに巻き込まれたジャン・カラスの冤罪事件である。カラスは冤罪の罪で死刑判決が下り、執行まで