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読書雑記帳

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読書中・後の雑感をまとめています。
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記事一覧

寛容であることの重要さ―ヴォルテール『寛容論』―

毎月のように参加している読書会に今月は参加できても聞き専になる見込みである。そこで今月紹…

van_k
3か月前
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幸福の獲得法?『ラッセル 幸福論』

1月の読書会は、ひじき氏のブログに記載されているとおり、予想外の展開となった。時にこうい…

van_k
4か月前
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豊かな風情、複雑な課題

ある日の昼下がりのこと。出先でブックカフェに入った。 多彩なジャンルの本の中に1冊の本を…

van_k
7か月前
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日常の切り取り方

向田邦子、この人の中にはどういうフィルターがあったのだろう? 読書会では同著者の別の本、…

van_k
8か月前
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「無駄」とは何なのだろう?―西成活裕『無駄学』―

「無駄」とは何だろう? 仕事の場で言うならば、伝票やExcelなどへ何度もデータを転記するこ…

van_k
10か月前
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欲しい?いらない?―宮部みゆき・吉田尚令『悪い本』―

哲学カフェで紹介された本をいくつか買って読んでみた。その感想をまとめておこう。まずは『悪…

van_k
10か月前
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『モモ』をどう読み解くか?

先日の読書会における課題本『モモ』。その時のやり取りの中、そしてその後に考えたことをまとめようとはしている。しかし、どうにもまとまらない。 資本主義批判と捉えることももちろんできる。しかし、「灰色の男たち」が暗躍する世界は、資本主義社会下でのみ成立するようには、どうも思えないのだ。 確かに作中に登場する高度に都会化された街の姿は資本主義の大都市を思わせる。とはいえ、資本主義が人々を半ば強制的に生業としての仕事に駆り立てる、常に時間に追われる状況を作り上げる、とは言い切れな

困難な時にこそ「原点」に立ち戻る―熊田千佳慕『ファーブル昆虫記の虫たち(5)』―

次回哲学カフェの課題本は絵本『もこ もこもこ』である。それもあり、何年ぶりかに絵本を読ん…

van_k
1年前

普段はブックカバーをつけないけれど…

本を買うとき、店によっては、こちらからお願いしていないにもかかわらず、店員がブックカバー…

van_k
1年前

読書会レポート”好きだけど人には紹介しづらい本”を紹介し合う

先週末、いつもの通り、月に一回の読書会が開かれた。テーマは「好きだけど人には紹介しづらい…

van_k
1年前
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観察者を観察する何者かの存在を感じる小説―朝井リョウ『何者』―

『何者』に用意された落とし穴。落ちました。見事なまでに落とし穴にハマったことに気づいたと…

van_k
1年前
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次世代技術が持つ可能性とリスク―小林雅一『ゼロからわかる量子コンピュータ』―

次世代技術について学べるとともに、「ゼロから」という意味を考えさせられるものあった。 量…

van_k
1年前
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読書会より―”恵み”が”災い”に変わるとき 吉村昭『破船』―

「好きじゃないけど、読んで良かった」というなら、読んでみようではないか。ということで、紹…

van_k
1年前
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読書会より―人間が持ち得る残酷さに目を向けるルポ 森村誠一『新版 悪魔の飽食』―

読書会で紹介された本を、たまには各参加者が紹介した本を1冊ずつ読んでみよう、ということで、電子書籍で買って読み進めている。 1冊目は森村誠一著『新版 悪魔の飽食』である。この本は偶然にも電子書籍の本棚にすでに入っていたのだ。読書会後に外出した際、早速電車の車中で読み始めた。 (後に引用するが、Kindleだと本によってはページ数が表記される。他のアプリも同じような仕組みでページ数を表記できないのだろうか) 読み始めて早々に思った。「これは中学生の時に手を取るには重すぎる…」