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CFO、経営企画、ファイナンス人材として読んでおきたい書籍

新年あけましておめでとうございます。

2023年になったからというわけではないですが、このタイミングで改めてファイナンス人材として読んでおくべきと思った本をメモ的に記事にしました。

個人的な好き嫌いも含め、書いており、必ずしも2022年に書かれた新刊を取り上げたものではありませんが、CFOや経営企画の仕事をする人、ファイナンスに関わる仕事をする人は読んでおくといいのではと思う本を挙げています。

別に、お勧めするというより、ひとりごとに近いかもしれません。ふーん、そんなこと言ってる奴もいるんだな、くらいに緩く見て頂ければ。

では、行きましょう。




事業ポートフォリオ経営の実務を学ぶ

『ROIC経営 実践編 事業ポートフォリオの組み換えと企業価値向上 / KPMG FAS、あずさ監査法人』

KPMG FASとあずさ監査法人から出版された、ROIC本の第2弾。

第1弾は、
主にROICがどう有用であるかを説く内容や、実際の経済指標を解説しながらROICをどう実務で計算して行くかの説明が多く、事業ポートフォリオ管理については、理論がメインという感じでした。

第2弾である本書は、
より実務的に、KPMGの会計士やコンサルタントが実務で経験してきた内容なども踏まえて書かれています。より実践的に事業ポートフォリオ経営に切り込んで行くための案が記載されています。

この本を読んだとて、すぐに実行できるかどうかはその人や会社次第ですが、1冊目よりもアクションにつながりやすいのではと感じられたことから取り上げました。




元祖ベンチャー立ち上げから1兆円企業まで成長した経営者から学ぶ

『永守流 経営とお金の原則 / 永守重信』

言わずと知れた大企業、日本電産の会長、永守さんの経営とお金の考え方についての本です。

正直、難しいことは何一つ書いておらず、また当たり前の事ばかりなんで目新しい内容はほとんどないですが、改めて大経営者の言葉として捉えると重いな、と思った一冊です。

また、経営者自ら、いかに財務とお金について重視しているかを書いた本であるという点から取り上げました。

起業家は「想い」や「技術」があればよく、財務は後からCFOを雇って任せればいい、と今も昔も日本の起業家に多く考えられていますが、一方でアメリカはCFOからCEOになることも結構多いくらい、CEOが財務に精通しています。

その重要性を当初から見抜いていた永守さんの経営の指南書。
CFOや経営企画の人は1度は目を通しておいて損はないのではないでしょうか。

個人的には、IPO、M&A、海外展開について、会社を拡大して行くフェーズについてが、最も興味深く読めました。



スティーブジョブスの右腕から学ぶ

『PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話 / ローレンス・レビー』

トイ・ストーリーなどで有名なアニメ映画製作・配給会社のピクサーの元CFO、ローレンス・レビーの自伝です。

あまり知られていませんが、ピクサーのCEOはかつてあのスティーブ・ジョブスであり、その時のCFOがこの本の著者、ローレンスでした。

今では誰もが知る天才・スティーブ・ジョブスの問題児っぷりを横で支え続けた縁の下の力持ちのお話です。

ハリウッドから遠く離れたサンフランシスコ・ベイエリアのはずれにあった冴えないアニメ映画制作会社・ピクサーが一流企業になって行く様を、CFOの視点で詳細に書かれた、物語としてもとても面白い本となっています。




MCKとBCGの両方を知る人からコンサルを学ぶ

『コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法 / 名和 高司』

一流コンサルティング会社のマッキンゼー(McK)とボストンコンサルティンググループ(BCG)の両方を知る著者の、コンサルティングについての本です。

ついでに、三菱商事とハーバードビジネススクールまで出ているエリート中のエリート。

その人が考えるコンサルとは何か、AI後に生き残るには、
またMcKとBCGのアプローチの違いなどにも触れながら、コンサルのスキルを語っている本です。

また、誰もが知る大前研一氏のどこがすごいのかを一緒に案件を経験された立場から語っています。

例に触れながらフレームワークについて解説もしているので、経営企画をしている人たちは一度生きた教科書として読んでみるのもいいかもしれないと思いました。



M&Aのコーポレートファイナンス実務を学ぶ

『コーポレートファイナンス 戦略と実践 / 田中 慎一、保田 隆明』

最後は、コーポレートファイナンスの本。
個人的にUSCPA勉強後はコーポレートファイナンスを学ぶのがいいと思っていますが、それを後押ししてくれる本です。

元リーマンブラザーズ、UBSの投資銀行部門出身であり、現在は神戸大学大学院経営学研究科准教授、スタンフォード大学客員研究員の保田隆明さんと、同じく元リーマンブラザーズで、現インテグリティ代表取締役の田中慎一さんとの共著です。

ユーザベースのセミナーも行っており、一般にも露出が多いイメージです。

この本は、素人にもわかりやすく、それでいて投資銀行でのM&Aの現場をわかりやすく書いている、コーポレートファイナンスの実務本です。

個人的にこの本が良いと思ったのは、2点。

  1. 理論や計算の説明だけではなく、投資銀行の実務目線を例を挙げながらわかりやすく書いている点。

  2. 実際に企業の資本市場との対話(=IR)についての記載がある点。つまり、コーポレートファイナンスの理論を用いてどう実践・応用をするかの記載がある所。

また、ビジネスマンが常識として知っておくべき各数値についても書かれています。数字は少し古く、コロナ後のバブルを経て現在は少し違っていますが、それを自分でアップデートして数値感を養っておきたいですね。

DCFの計算とかの方法だけ終わるコーポレートファイナンスの本が多い中で、これは素晴らしいと思いました。



いかがでしたでしょうか。
目新しい本がゼロだったかもしれません。誰の役に立つかも不明ですが、個人的な備忘メモを兼ねて、簡単な本の紹介でした。

それでは、良い2023年のスタートが切れますように…。1年楽しみましょう。




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