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小説、SSなど

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思いつきで書いたSS置き場です。
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#小説

耳の穴から見える心臓 2

耳の穴から見える心臓 2

「おい!どこ行く気だ!」
心臓は血管を引き摺りながら台所へと走っていく。そして!動脈をなんと水道の蛇口に接続した!
「馬鹿!水じゃ生きられ…」
信じられない、目の前の心臓はどんどん巨大化していく。それだけじゃない、デカくなる心臓の周りに心筋が現れ始めた!

「さあ!いっちょやるぞー!」
そう叫ぶと巨大心臓は水道に赤い血を送り込みはじめた。
送水ポンプを超える力らしい。

このアパートのすべての水道

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鴉のおとぎ話

鴉のおとぎ話

こんなつらい日は誰かに会いたい。
1人で帰って寝るのは虚しい。

ここはただでさえ人気の少ないところだ。
「あーあ、店に入る金さえありゃな」
俯いたところで声をかけられた。
「おい、あんた」
「!!」
「怪しいもんじゃねえ、暗いからわからないだろうが俺は鴉だ」

鴉だと、言葉を喋ってやがる。

「来いよ。鴉酒をご馳走してやる」

俺は戸惑いながらもふらふらとついて行った。
真っ暗闇だが気配はした。

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サワガニ姫 4

サワガニ姫 4

数日間愛らしい妖精姿のサワガニ姫と暮らした。
だが、その日はやってきた。
「ねえ、私、故郷の川の様子を見てきたいわ」
俺は慌てた。
「川に帰っちまうのか?」
「違うわよ、あなたも来るのよ。蟹になって」
!!俺も蟹に!
「私があなたを蟹に変えるから、故郷の蟹たちに挨拶してちょうだい」
え、それって…
「も、もしかして結納??」

「あなたさえよければ」
はにかむサワガニ姫。

人間、俺は人間だ。

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耳の穴から見える心臓

耳の穴から見える心臓

おかしいぞ、俺、つまりタカヒロは耳掃除してただけなのに。
なんだ?この動悸は?

「この野郎!ここから出しやがれ!」
声がする、タカヒロの胸から。
「俺はこんな狭いとこ嫌なんだよ!出て行くぞ」

タカヒロはあたふたしながら
「誰だお前、俺の体の中にいるな!?」と叫んだ。

すると
「俺はお前の心臓だよ、もうこんなとこで脈打つのはまっぴらだ。今からそのガサゴソしてるとこから出て行くからな!」

ガサ

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トルネードバトル4

トルネードバトル4

「おい!源一郎!」

小さく畳まれ、箱状になったムカシトンボのそばでへのへのもへじ状のものが漂っている。

「なんだ?カイシン」

もうひとつのへのへのもへじにダッシュがついたものが返事をした。
「なんだじゃねぇ!呪いってこれかよ」

「ああ、実態があったらひとたまりもない。思念体として存在するというわけだ」
「だからってなんでもへじなんだよ!」
「そう言う趣味の呪い師だったんだ」

ムカシトンボ

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トルネードバトル 2

トルネードバトル 2

「おい!カイシン!」
「おう!」
エンジンのない気球でどうやって無名の男を追うのか。
「何か隠してやがるな」
「そうさ!」
カイシンが足元のボックスを操作するとバタバタと大きな音が響き、巨大な昆虫の翅が展開した!
「なんだこりゃ…トンボの翅か?」
カイシンは言った。
「ムカシトンボの遺伝子から再現した昆虫の翅だ」
デカい!1枚の翅が10メートルはある。

だが…

「どこ飛んでったかわかんねーだろ

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ジェノスの生理 3

ジェノスの生理 3

「まず、ジェノス」
「はい」
「俺たちに子供は必要か?」
「はい…え?」
「2人ともヒーロー、構ってやれる時間もないかもしれない。母乳だって2人とも出ないだろ?」
「……」
「ミルクの作り方知ってるのか?」
「知りません」

「わかった?子育ては2人でやるもんだ。1人で暴走したってうまくいかないぞ」
「先生、俺が軽率に行動したばかりに」
ジェノスは俯いた。

かくしてジェノスの無謀とも言える計画は

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ジェノスの生理 2

ジェノスの生理 2

「ちょっと待て、卵子の中にジェノスのDNAがあるなら2人の子じゃなくてジェノスのクローンじゃないか」
「では、先生のDNAを採取させてください!どうすればいいのですか?」
「待て待て待て、俺の気持ちを無視して話を進めるな」
ジェノスは素早くネットで調べたようだ。
「先生の精液をください。早く下半身裸になって」
どうする気だ?
「ど、どうすんだよ」
「俺が口でしますから。舌の中に少量保管できます」

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ジェノスの生理

ジェノスの生理

一通りの生理用品と痛み止めを買ってきたジェノスを目の前に正座させた。

「まず、生理が来るってどう考えてもおかしいだろ?」
「何もおかしくはありません」
「どういうことだ?男で身体が機械なのに…」
「クセーノ博士がシステムを作ってくださったのです」
「??!!!なんて?」
ジェノスは少し顔を赤らめながら言った。
「先生と俺が結婚を前提に付き合っていると知って、クセーノ博士が人工の卵子を開発してくれ

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ジェノスの枕になった話

ジェノスの枕になった話

1 とある鬼サイファンの女子の場合

唐突だがいつの間にか私はジェノスの枕になってた!夢かもしれない!
憧れの鬼サイ様の枕になれるなんて!

だってだって、寝言も聞けちゃう、匂いも嗅げちゃう、髪も撫で放題よ。

早く夜にならないかな!

2 サイタマ先生の場合

ご都合怪人の影響でジェノスの枕に閉じ込められちまった!
構わず敷けとは伝えたが、あいつのつむじどんな匂いなんだ?
お、妄想したら

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おねショタジェノサイ

おねショタジェノサイ

「先生!さっきの怪人オネショタシガラキの怪光線2人とも浴びましたよね!」
「ああ、不覚だったな」
サイタマとジェノスは怪人おねショタシガラキの毒光線をもろに浴びてしまったのだ!
本部に電話するジェノス。
「なに!片方を女に、片方を子供にするだと!?」
話つつジェノスは自分の身長が低くなっていることに気づいた。ということは…。
「ジェノス…俺…」
「サイタマ先生!」
サイタマ先生はグラマラスな女に変

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過去の天才

過去の天才

目の前にあるニューロンの束をしげしげと見つめる。
こいつはさる貴重な知能の持ち主のものだそうだ。俺に扱いを任された。
俺はこの表には出せない闇の研究室のクシダという男さ。

このニューロン男は才能が暴走して発狂寸前まで行ってしまい、危険なので射殺された。

俺か?俺は平凡な人間だよ。頭は中の下。小学生の時から怒鳴られてばっかりだ。
才能に嫉妬しつつどうするか考える。
なに、深く考えることじゃない。

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ジェノスとサイタマ

ジェノスとサイタマ

「ジェノス〜、お前俺のどの辺がよくて同居してんの?」
「はい!まず先生はお強いです、パワーも、メンタルも」
「ふーん、メンタル強いかな?」
それから?
「先生は愛らしいです」
「25のハゲに言うことか?」
「俺には可愛くて堪えられません(何が?)」
ほかには?
「俺の手料理を美味そうに食べてくれます」
うめーもんなジェノスの料理。
「他には…とか…とか…など」
いくらでも出てくるんだな。
「だから

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感度4

感度4

「脇はどうだ?もともとくすぐったいとこだぞ」
「俺はそう言うことはありません」

サイタマがいきなりジェノスの脇に手を突っ込んだ。途端にジェノスは脇をすくませる。

「感じたのか?」
「まったく感じません」
「脇締めたじゃん」
「条件反射です」

じゃあ、いっそ両腕を上げさせてくすぐってみるか。

「両腕上げてみて」
「はい」

無防備になったジェノスの脇にサイタマがいきなりキスをした。

「あっ

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