🎬ルース・エドガー 137本目 23.01.10【友朱瑠の映画note】

今朝の映画は
【#ルース・エドガー】でした。
#Netflix 鑑賞
※見出し画像引用 https://www.amazon.co.jp/

2020.06.05 公開　　１０８分

出演
#ケルヴィン・ハリソン・Jr さん #ティム・ロス さん
#オクタヴィア・スペンサー さん #ナオミ・ワッツ さん 他
原作 #J・C・リー さん 戯曲『Luce』
監督 #ジュリアス・オナー さん
脚本 #ジュリアス・オナー さん #J・C・リー さん

#Filmarks では 、23.01.10時点では 3.7
私的にこれは…3.9 ぐらいですね。複雑で…難しく…深い☆
（※私的採点1最悪だ 2つまらん 3普通 4かなり良かった 5最高☆）

この映画は…

ん～、、、

"複雑で、難しく、
その真実は観客任せ"……な感じの映画、でした。

サスペンス要素…があります、
そして、謎解きミステリー要素も。

でも、、、
スッキリと…犯人は◯◯だった！…とか、
真相は◯◯だった！……的な、
その答えを観せない映画……ですね。

なので、そういうの苦手な人には……微妙だと思います。


根底にあるテーマ…は、
「アイデンティティとは」……じゃないかなぁ…と
個人的には強く思わされた映画…でした。

アイデンティティ……
自分が自分として在ること。
自分からも社会からも、
一個人として認識されてること………の、

…その、複雑性。。。でしょうか。


私も、、、観ながら…その途中にいろいろと…
考えてしまいました。

人種差別…を扱ってはいるんですけれど、
ちょっと違った角度…と言うか、、、

人種差別…なんだけど、人種区別…と言うか……
"人間区別" ？？


誰もが持つ、抱える、
他者を何かの型に…
ハメて見る、ハメたがる、ハメて思い込んでしまう、…
そういったところに焦点があって、

まぁ、その"型"のひとつ、大きな型のひとつに
人種差別があり、
それを置きながら、
さらに複雑に人間模様を絡めていく……感じ。。。


はい。。。
ここからは、ネタバレ含めて…書いてしまうので、
未鑑賞で、これから映画を観たい方…は
進むも、戻るも、御自身の御判断で、、、☆
※あ、Netflix 2023.01.31まで…が
今回の配信終了日みたいです。。。

予告動画をご覧になってから……
下部に進むか、お決めになってください☆

---

ネタバレ…で良ければ、
下部へどうぞ。。。
↓

"腹の探り合い" ……って、イヤですよねぇ、、、
この映画では
親とのやり取り、教師とのやり取り…
なかなか観てて苦しい感じ…ありました。

まぁ、
実際のところ、幼児期に形成する"社会"でも、
それは起こる……と言うか、
大人が、子どもに対して…
嘘をついてることを知りながら…も、
知らないふりで探ってみたり、、、
などもあるでしょうか。


この映画のポイントは、、、

・人を何かの型にハメて…見てしまうこと…
それについて「鑑賞しているあなたはどう？」

…と

・人に何かの型にハメられて…見られたことが
あなたはある？こんなこと、なかった？
その中にずっと居る人は、どんな感じだと思う？

……な感じを問われるような、、、
そんなところに
ポイントがあると感じました、個人的に。


で。
要は、する側 と される側。
この両側…が、人には "必ず" 訪れて。

それを
時に人は、無意識に、いつの間にか…
していて or されていて。

この映画の中では、
優等生　が　見られること。　優等生　に　見ること。
劣等生　が　見られること。　劣等生　に　見ること。
出身　で　見られる　こと。　出身　で　見ること。
人種　で　見られる　こと。　人種　で　見ること。

このへんのことを……
うまくあぶり出して、映し出している、、、
そんな感じを強く受けました。


私たち日本人には…
人種差別を受ける、受け続けている、
それによって迫害を受ける……という感覚が
薄いと思うので、
"想像力" を働かせないと、なかなかこの映画の
本質に迫りづらい…かとも思うのですが、
（果たして私自身も本質を理解できてる…か？）

たとえば……

関東の人だからねぇ…、関西人だからねぇ…
北海道の人だから、沖縄の人だから、◯◯だから…
そして、
日本人だから…アジア人だから……
背が◯◯だから…顔が◯◯だから…親が◯◯だから…
男だから、女だから、優秀だから、バカだから、
……みたいな、
こんな感じで身近な感覚に変えてみると、

なんとなく、自分が無意識下でも
他者を見る時に、勝手にハメ込んでいる物…が
あることに気づきますよね。


そして、何かの事件やトラブル…が起きた時に…
それと絡めて思い込んでしまう。
……やっぱり◯◯だから……◯◯なのだろう……


で、この映画では
ルース（ケルヴィン・ハリソン・Jr さん）が…

７歳までの自分（戦火のエリトリアに居た自分）
アメリカに来てからの養子の自分、、、
…この中で、

複雑にハメられていった型、
自分でハメていった型、
そして自分も、他者をハメていってる型、、、

このへんの感じが、
ほんと複雑に絡み合って…描かれている……
そんな感じを強く思いました。


特に……
すごく分かりやすく感じたシーンは…
（…と言っても複雑ですが…）
あの、
スピーチの内容…ではないでしょうか。

２度……出てきますよね。
これもまた、、、深い。

１度目は、
誰もオーディエンスが居ないところでの
スピーチ練習…で、涙を流しながら話すところ。

そして２度目は、
ラストの…本番で……
晴れ晴れしく雄弁に、堂々と笑顔で聴衆に話すところ。


「……僕の元の名前は発音が難しく、
母は音節の強弱がつかめませんでした。
何度挑戦してもです。そこで父が"名前を変えよう"と。
それが "ルース" 光という意味です。
～～～アメリカ人になれて、いかに幸運かと。
人生を仕切り直せた……….自分自身を出せる。
これが僕です。」


これが……真実であり、嘘でもある。この感じ。

７歳までの自分は確かに居たし、
それは悪…と言えるもの…かもしれないし、
きっとそうだろうし、そうなんだろうし、、、
でも間違いなく７年間、
ちゃんと別の、自分の名前があった。

そして、
そんな環境から、
アメリカ人夫婦に養子として助けられて、
アメリカに来て幸運に変わった… という
自分も居るし、そうじゃないとダメだし、
そう期待されてきたし。
違う名前も受け入れたし。。。

でも、アフリカンで黒人でもあるし。
人種差別も学ぶし、悪いことも学ぶし、
ハメも外したいし、、、幼少期の記憶もあるし、
触れ合うのは同じ黒人でも……違う黒人で…
果たして仲間…なのか、別な人間なのか……

自分は…いったい何者で、どう生きて、
どんなアイデンティティを持って……
生きるべきか、どうしたらいいのか……

…こんな葛藤が、

あのスピーチを、２度映して、

１度目は涙を流し、誰も居ないところで。
２度目は笑顔で、大勢の前で。


そして…笑顔で満足気にスピーチを聴く人々…

笑って話すルース、笑って聴く親、仲間……
…なんていうすれ違いのシーンの作りなんだ、、、


そして最後の…
普通のランニングから………
苦悶の表情、無我夢中のランニングへと変わる…
ここに繋げていく。。。。



はい、
そんな感じ、、、でしょうか……深い。。。
ん～、、、書きながら、
再度ルースの心情を想像して………息苦しい、、

ルースの両親が、
ルースを矯正…することに全力だった……的な、
会話があったので…そしてその度合いも、
ただこの夫婦の会話の中だけで、
鑑賞者の想像に任せられてるから…

彼の中に少なくとも、でも間違いなく、
二面性は生まれていた…と思わされる。。。

あの……誕生日の魚の話も……補って余りある。。


結局、
誰が犯人で、、、誰が悪くて、、、も、
ハッキリさせないところが……
明らかに意図的で、いやらしいｗけど、
それで良い…のでしょうね。

サスペンス要素、ミステリー要素を含んだ…
人間ドラマ、、、でしたね。

全然すっきりしなかったけれど……
こうして整理して書いているうちに、、、
すごく丁寧に、複雑に考えられて…
作られてたんじゃね？これ…。ってなってる私…ｗ


そんな…大衆受け、って感じじゃないですよねｗ
「スッキリわかりやすく、
ただ、笑うか泣くか、してーんだよ映画は～…」
、、、な人は、

絶対に止めたほうがいい、映画ですね☆笑


逆に…こっち系が好きな方は…
ググ～…っと、のめり込んで観て……です☆


あ！！あと……音楽！
音楽…と言うか…あれは効果音？？
あの感じ…が秀逸だったと思いましたねぇ、、、
なんか……
焦るような…迫られるような……あのＢＧＭ…

なんだかんだで、いろいろとやられた感じ…の
１本でした☆

おしまい☆