東京大学情報基盤センター

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マガジン

  • 東京大学情報基盤センター nodes vol.3

    東京大学情報基盤センターの広報誌 nodes です。2022年3月にリニューアル創刊、2023年5月に創刊3号が発行されました。印刷版の請求、ご感想、ご意見は https://www.itc.u-tokyo.ac.jp/public/nodes まで。

  • 東京大学情報基盤センター nodes vol.2

    東京大学情報基盤センターの広報誌 nodes です。2022年3月にリニューアル創刊、9月に創刊2号が発行されました。印刷版の請求、ご感想、ご意見は https://www.itc.u-tokyo.ac.jp/public/nodes まで。

  • 東京大学情報基盤センター nodes vol.1

    2022年3月発行の東京大学情報基盤センターの広報誌「nodes」創刊号です。 https://www.itc.u-tokyo.ac.jp/public/nodes にて、ご意見、ご感想、PDF版のダウンロード、印刷版のリクエストを受け付けています。

記事一覧

強化学習AIがつなぐ人と仕事

高齢化の進む現代社会では、医療や介護の担い手不足が深刻な問題となっています。そのため、人材を求めている医療・介護事業者と、医師、看護師や介護士などさまざまな資格…

東京大学情報基盤センター nodes vol.3 (全体一気読み版)

nodes vol.3 巻頭言 COVID-19の影響でオンライン講義の重要性が広く知られるようになりましたが、東大をはじめとする教育機関では、教育への情報通信技術の活用が以前から…

VRを活用する教育の効果と可能性

誤解されがちな「VR」の定義  私は、学生時代からヒューマンインタフェース、なかでも触覚を伝える技術の研究をしてきました。スマホを持っているだけで、引っ張られてい…

データストレージを止めるな!──着実な連携と監視で運用を支える

nodesの光明 情報基盤センターサービスの裏側 いろいろな方の協力を仰ぎながら、日々運用しています Q 小瀬田さんのお仕事は? A 共用ストレージ東拠点の運用を担当して…

シミュレーション・データ・学習の融合を可能にする新たな通信システムソフトウェア

異種システム間の通信は難しい ─WaitIOとはどのようなものですか。 住元|現在、私が所属する東京大学情報基盤センターでは、Wisteria/BDEC-01(図上)というスーパーコ…

政府調達ってそもそも何なん?

 私のような管理部門の職員は、何か特別な仕事をしているわけではないので、ここで何を書けばいいか特段のトピックスがないのが本音です。どうしましょう……少し政府調達…

東京大学のDXとは?

 2021年9月、東京大学が目指すべき理念や方向性をめぐる基本方針であるUTokyo Compass が公表されました。その行動計画の1つでもあるDX(デジタルトランスフォーメーショ…

地球を覆う巨大な情報通信網

 誰もが日常的にインターネットを利用するようになりました。例えばパソコンで調べごとをしたり、スマホで動画を見たり、最近では授業や会議をオンラインでしたり、当然の…

番外編 SC22参加報告

 2022年11月13日から18日にかけて米国ダラスで開催された国際会議The International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage, and Analysis(SC…

オンライン教育プラットフォームの運営と教員の教育力向上サポート

多様な教育機会の提供と教え方改革  大総センターは、東大全体における教育改革の支援や推進を目的に活動をしています。活動内容は大きく2つの柱があり、1つはオンライン…

ICTと高等教育

大型計算機からバーチャルリアリティまで 時代とともに変わるICTを教育に生かす 情報教育を支える教育用計算機システム  現在の東大では、教養学部の1年生全員(約3000…

nodes vol.3 巻頭言

COVID-19の影響でオンライン講義の重要性が広く知られるようになりましたが、東大をはじめとする教育機関では、教育への情報通信技術の活用が以前から行われてきています。…

手賀沼の藤姫伝説

 東京大学情報基盤センターの最近のスパコンには、Reedbush、Oakforest、Oakbridgeなど、植物にちなんだ名前が付けられてきました。2021年から運用している最新機は、藤(w…

東京大学情報基盤センター nodes vol.2 (全体一気読み版)

巻頭言 データ利活用の波は日常生活にも押し寄せており、DX(デジタルトランスフォーメーション)やビッグデータ、AI、IoTといった用語をメディアでも頻繁に目にします。…

ゼロカーボンを目指す地域と技術をつなぐ情報基盤の構築

mdxを利用した研究の紹介1 ゼロカーボンを目指す地域と技術をつなぐ情報基盤の構築自治体の悩み  気候変動への対応が急がれる中、日本でも総人口の9割近くにあたる自治体…

オープンデータから日本全国の人流をつくりだす

mdxを利用した研究の紹介2 オープンデータから日本全国の人流をつくりだす早くから「人流」の重要性に着目  新型コロナウイルス感染症との関連で「人流」という言葉が広…

強化学習AIがつなぐ人と仕事

強化学習AIがつなぐ人と仕事

高齢化の進む現代社会では、医療や介護の担い手不足が深刻な問題となっています。そのため、人材を求めている医療・介護事業者と、医師、看護師や介護士などさまざまな資格、スキルを持ち、自分に合った働き場所を求めている求職者との間を結びつける「ジョブ推薦システム」が効率的に機能することが重要です。東京大学大学院情報理工学系研究科の鈴村豊太郎教授、大学院生 脇聡志さんら、東京大学と株式会社エス・エム・エスの研

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東京大学情報基盤センター nodes vol.3 (全体一気読み版)

東京大学情報基盤センター nodes vol.3 (全体一気読み版)

nodes vol.3 巻頭言 COVID-19の影響でオンライン講義の重要性が広く知られるようになりましたが、東大をはじめとする教育機関では、教育への情報通信技術の活用が以前から行われてきています。今号のnodes特集記事では、最先端の教育用計算機を整備し続けてきた東京大学の情報教育のこれまでとこれから、そして学内外へのオンライン教育コンテンツの配信やVRを活用した教育の可能性など、さまざまな切

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VRを活用する教育の効果と可能性

VRを活用する教育の効果と可能性

誤解されがちな「VR」の定義

 私は、学生時代からヒューマンインタフェース、なかでも触覚を伝える技術の研究をしてきました。スマホを持っているだけで、引っ張られているように感じる仕掛けなど、錯覚を利用した触覚の伝達を探究しています。こうした研究は「触覚の本質とは何か」を探ることにつながっています。
 VR(バーチャルリアリティ)はよく「仮想現実」と訳されますが、バーチャル(virtual)には「本

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データストレージを止めるな!──着実な連携と監視で運用を支える

データストレージを止めるな!──着実な連携と監視で運用を支える

nodesの光明 情報基盤センターサービスの裏側

いろいろな方の協力を仰ぎながら、日々運用しています

Q 小瀬田さんのお仕事は?
A 共用ストレージ東拠点の運用を担当しています。情報基盤センター内の先生方にご相談したり、情報システム部スーパーコンピューティングチームの皆さんからアドバイスをいただいたりしながら、業務を進めています。西拠点の担当者や、Gfarmの開発グループとも密接に連携していま

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シミュレーション・データ・学習の融合を可能にする新たな通信システムソフトウェア

シミュレーション・データ・学習の融合を可能にする新たな通信システムソフトウェア

異種システム間の通信は難しい

─WaitIOとはどのようなものですか。
住元|現在、私が所属する東京大学情報基盤センターでは、Wisteria/BDEC-01(図上)というスーパーコンピュータ(スパコン)を2021年より運用しています。BDECとは、Big Data & Extreme Computingの頭文字をとったものです。本システムは、すでに頭打ちとなりつつあるスパコンの性能向上を、ハー

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政府調達ってそもそも何なん?

政府調達ってそもそも何なん?

 私のような管理部門の職員は、何か特別な仕事をしているわけではないので、ここで何を書けばいいか特段のトピックスがないのが本音です。どうしましょう……少し政府調達についてでも書きましょうか。
 スーパーコンピュータをはじめ、高額(1,500万円以上)の調達(購入)では、「政府調達に関する協定」「政府調達に関する協定を改正する議定書(改正協定)」「政府調達手続きに関する運用指針等について(自主的措置)

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東京大学のDXとは?

東京大学のDXとは?

 2021年9月、東京大学が目指すべき理念や方向性をめぐる基本方針であるUTokyo Compass が公表されました。その行動計画の1つでもあるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のため、2022年4月に情報システム部内に「本部DX推進課」が新設されました。7月には担当理事を本部長とする「DX本部」を立ち上げ、全学のDX推進に関する議論を進めています。
 DXという名を冠する部署ができた

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地球を覆う巨大な情報通信網

地球を覆う巨大な情報通信網

 誰もが日常的にインターネットを利用するようになりました。例えばパソコンで調べごとをしたり、スマホで動画を見たり、最近では授業や会議をオンラインでしたり、当然のように好きな情報にアクセスできているように見えます。一方、手元の端末に表示されるデータは、突然そこに現れているわけではありません。端末はインターネット越しに適切な通信相手を発見し、データはパケットに分割されて、銅線や光ファイバを通り、ルータ

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番外編 SC22参加報告

番外編 SC22参加報告

 2022年11月13日から18日にかけて米国ダラスで開催された国際会議The International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage, and Analysis(SC22)に参加し、東京大学情報基盤センターの研究展示を行いました。SCはたいへん大きな国際会議で、毎年2回更新されるスパコン世界ランキン

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オンライン教育プラットフォームの運営と教員の教育力向上サポート

オンライン教育プラットフォームの運営と教員の教育力向上サポート

多様な教育機会の提供と教え方改革

 大総センターは、東大全体における教育改革の支援や推進を目的に活動をしています。活動内容は大きく2つの柱があり、1つはオンライン講座などを学内外に発信するためのオンライン教育プラットフォームの構築・運営です。プラットフォームとしては、東大の授業映像を配信するUTokyo OCW、グローバルに大規模公開オンライン講座を提供するMOOC、イベントでの公開講座やセミナ

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ICTと高等教育

ICTと高等教育

大型計算機からバーチャルリアリティまで
時代とともに変わるICTを教育に生かす

情報教育を支える教育用計算機システム

 現在の東大では、教養学部の1年生全員(約3000人)が「情報」を履修します。この科目では、情報の技術面だけでなく、その人間的および社会的な側面を正しく理解することを目的として講義と演習が行われます。東大生は、ここで基本的な素養を身につけた後、専門分野に応じて、プログラミング、

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nodes vol.3 巻頭言

nodes vol.3 巻頭言

COVID-19の影響でオンライン講義の重要性が広く知られるようになりましたが、東大をはじめとする教育機関では、教育への情報通信技術の活用が以前から行われてきています。今号のnodes特集記事では、最先端の教育用計算機を整備し続けてきた東京大学の情報教育のこれまでとこれから、そして学内外へのオンライン教育コンテンツの配信やVRを活用した教育の可能性など、さまざまな切り口でICTを活用した高等教育の

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手賀沼の藤姫伝説

手賀沼の藤姫伝説

 東京大学情報基盤センターの最近のスパコンには、Reedbush、Oakforest、Oakbridgeなど、植物にちなんだ名前が付けられてきました。2021年から運用している最新機は、藤(wisteria)のツタが絡み合う様子を計算ノード間のネットワークに見立てて、Wisteria/BDEC-01と名づけられました。また、このスパコンが設置されている東大柏IIキャンパスからほど近い手賀沼に伝わる

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東京大学情報基盤センター nodes vol.2 (全体一気読み版)

東京大学情報基盤センター nodes vol.2 (全体一気読み版)

巻頭言 データ利活用の波は日常生活にも押し寄せており、DX(デジタルトランスフォーメーション)やビッグデータ、AI、IoTといった用語をメディアでも頻繁に目にします。学術研究の世界では古くからデータの蓄積・利活用が行われてきていますが、莫大な情報から新たな知見を引き出すカッティング・エッジなデータサイエンスの手法を導入することで、無数の研究領域がさらにブーストされる時代になっています。今号のnod

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ゼロカーボンを目指す地域と技術をつなぐ情報基盤の構築

ゼロカーボンを目指す地域と技術をつなぐ情報基盤の構築

mdxを利用した研究の紹介1
ゼロカーボンを目指す地域と技術をつなぐ情報基盤の構築自治体の悩み

 気候変動への対応が急がれる中、日本でも総人口の9割近くにあたる自治体が「2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロ」を表明しています。しかし、実現のための具体的な施策や計画を策定している自治体は多くありません。その大きな理由として、新しい技術や仕組みの導入が必要なことはわかっていても、技術へのアクセスや

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オープンデータから日本全国の人流をつくりだす

オープンデータから日本全国の人流をつくりだす

mdxを利用した研究の紹介2
オープンデータから日本全国の人流をつくりだす早くから「人流」の重要性に着目

 新型コロナウイルス感染症との関連で「人流」という言葉が広く知られるようになりました。しかし、私たちが「人の流れプロジェクト」を始めたのは、それよりずっと前の2008年です。人々が時々刻々移動していく有様をとらえた人流データは、防災や防犯、マーケティング、交通・都市計画などに役立つだけでなく

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