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地球を覆う巨大な情報通信網


中村 遼 (ネットワーク研究部門 准教授)
専門は情報通信ネットワーク。東京大学大学院修了後、2017年より東京大学情報基盤センターネットワーク研究部門助教、2022年8月より現職。東京大学キャンパスネットワークの運用や、大規模デモンストレーションネットワークShowNetの設計と構築にも携わる。

 誰もが日常的にインターネットを利用するようになりました。例えばパソコンで調べごとをしたり、スマホで動画を見たり、最近では授業や会議をオンラインでしたり、当然のように好きな情報にアクセスできているように見えます。一方、手元の端末に表示されるデータは、突然そこに現れているわけではありません。端末はインターネット越しに適切な通信相手を発見し、データはパケットに分割されて、銅線や光ファイバを通り、ルータと呼ばれる装置によって世界のどこかにいる通信相手へと運ばれて行きます。
 そんなインターネットは、実は1つのネットワークではありません。実際は10万を超える独立したネットワークの集合体です。多数のネットワークが相互に繋がることで成り立っているインターネットは、おそらく地球上で最大の分散システムと言えるでしょう。このインターネットを支えるため、私自身を含め、世界中でさまざまな研究が行われています。
 ふだん何気なくスマホやパソコンを使うとき、その裏側にある人類の生み出した巨大な情報通信網に思いを馳せてみるのも、一興かもしれません。

Interop Tokyo 2022 ShowNetのネットワークダイアグラム。 ShowNetは展示会場で種々のインターネット接続機器のテストに使われると同時に、会場での接続サービスにも使われる。
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引用元 https://www.interop.jp/2022_common /assets/images/shownet /img_topology.png

Contents
 
nodes vol.3 巻頭言
特集
 ICTと高等教育
 オンライン教育プラットフォームの運営と教員の教育力向上サポート
 VRを活用する教育の効果と可能性
連載 nodesの光明
 データストレージを止めるな!──着実な連携と監視で運用を支える
連載 飛翔するnodes
 シミュレーション・データ・学習の融合を可能にする
 新たな通信システムソフトウェア
nodesのひろがり
 政府調達ってそもそも何なん?
 東京大学のDXとは?
 地球を覆う巨大な情報通信網
 番外編 SC22参加報告

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