エッセイ「あそび」
先日、カシミヤの糸を使ったスヌード(首巻き)を作る手織りの体験をした。きれいな色の糸が並べられているのに引き寄せられた。なぜやってみたいと思ったのかはわからない。機織り機のようなもので織るのだが、織るときに、あまり力を入れて目を詰めてはいけないのだそうだ。カシミヤの柔らかい触感を出すために、使う前に一度洗濯機で洗う。糸が上手に絡まるようにするには、織りに適度な余裕が必要なのだと言われた。その余裕というか、余白というか、あそび、間(ま)、を上手に作らないとふわふわっとした触感が