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生誕250周年「1か月でベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタと16曲の弦楽四重奏曲と9曲の交響曲をぜんぶ聴く!」⑭

14日目「ピアノ・ソナタ第21番ハ長調から25番ト長調までを聴く!」 9日目に聴いた作品31の3曲(第16番ト長調、第17番ニ短調、第18番変ホ長調)と作品49の2曲(第19番ト短調、第20番ト長調)以来、5日ぶりにピアノ・ソナタを聴きます。“作品番号順に”と投稿しておきながら、やや前後しています(汗)。 1.ピアノ・ソナタ第21番ハ長調作品53『ワルトシュタイン』(通称) 1805年に出版されたこの曲は、ベートーヴェンの故郷のドイツ・ボンのワルトシュタイン(ヴァルトシュ

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      13日目「交響曲の大傑作『第5番ハ短調“運命”』と『第6番ヘ長調“田園”』を聴く!」 13日目は、もはや説明不要(笑)の2曲を聴きます。ベートーヴェンの傑作というだけでなく、クラシック音楽のなかでもとくに有名な2曲です。対照的な内容ながら、この2曲がほぼ同時に書かれたというからおどろきです。 1.交響曲第5番ハ短調『運命』(通称)作品67 「ジャジャジャジャーン!」という冒頭部分は、子どもからおとなまでおそらく知らない人はいないでしょう。このメロディーと劇的な展開だけでな

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        12日目「交響曲第4番変ロ長調を聴く!」 12日目と13日目は2日つづけて交響曲を聴きます。交響曲第4番変ロ長調は、作品60が示しているとおり11日目に聴いた作品59の弦楽四重奏曲3曲とほぼ同時期に書かれたと思われます。ピアノ協奏曲第4番ト長調作品58、唯一のヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61、これまた唯一の歌劇『レオノーレ』(第2稿、のちに『フィデリオ』として出版)作品72も同時期のものと考えられていて、ベートーヴェンの創作意欲が非常に高かった時期です。 第1楽章:Adag

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          11日目「作品59の弦楽四重奏曲3曲(第7番ヘ長調、第8番ホ短調、第9番ハ長調)を聴く!」 5日目と6日目の2日にわたって作品18の弦楽四重奏曲6曲・半ダースを聴いて以来、ひさしぶりの弦楽四重奏曲です。というのもベートーヴェンは、1801年に最初の弦楽四重奏曲を出版してから今回聴くこの3曲が出版される1806年まで約5年間にわたってこのジャンルを手がけていなかったと考えられるからです。7日目から10日目まで聴いてきた交響曲、ピアノ・ソナタのほか4曲のピアノ協奏曲や9曲のヴァイ

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          生誕250周年「1か月でベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタと16曲の弦楽四重奏曲と9曲の交響曲をぜんぶ聴く!」⑩

          10日目「交響曲の最初の傑作『第3番変ホ長調“英雄”』を聴く!」 1か月かけてベートーヴェンのピアノ・ソナタ、弦楽四重奏曲、交響曲の全57曲を聴くというこの投稿もようやく1/3の10日目に到達しました(汗)。9曲の全交響曲のなかでも第5番ハ短調作品67『運命』、第6番ヘ長調作品68『田園』、第9番ニ短調作品125『合唱(合唱つき)』とならんで有名な交響曲第3番変ホ長調作品55『英雄』を聴きます。完成したのは1804年と言われていますので、ベートーヴェンが34歳を迎える年です。

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          生誕250周年「1か月でベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタと16曲の弦楽四重奏曲と9曲の交響曲をぜんぶ聴く!」⑨

          9日目「作品31のピアノ・ソナタ3曲(第16番ト長調、第17番ニ短調、第18番変ホ長調)と作品49のピアノ・ソナタ2曲(第19番ト短調、第20番ト長調)を聴く!」ベートーヴェンの作品は、創作された時期とその内容から「初期」、「中期」、「後期」に分類されています。8日目までに聴いてきた第15番ニ長調作品28までのピアノ・ソナタ15曲と最初に出版された6曲・半ダースの弦楽四重奏曲、交響曲第1番ハ長調作品21と交響曲第2番ニ長調作品36の2曲の合計23曲が「初期」にふくまれます。き

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          生誕250周年「1か月でベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタと16曲の弦楽四重奏曲と9曲の交響曲をぜんぶ聴く!」⑧

          8日目「ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調から第15番ニ長調までを聴く!」 ピアノ・ソナタ、弦楽四重奏曲、交響曲の57曲を出版順に聴いていくこの投稿ですが、1~4日目は10曲のピアノ・ソナタ、5・6日目に6曲の弦楽四重奏曲、7日目に2曲の交響曲を聴いてきました。この1週間で、3つのジャンルをひととおり聴いて作曲家としてのベートーヴェンの魅力を味わうことができたと思います。8日目はふたたびピアノ・ソナタです。 1.ピアノ・ソナタ第11番変ロ長調作品22 みずみずしいメロディーが

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          生誕250周年「1か月でベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタと16曲の弦楽四重奏曲と9曲の交響曲をぜんぶ聴く!」⑦

          7日目「交響曲の最初の2曲(第1番ハ長調、第2番ニ長調)を聴く!」 1か月でベートーヴェンのピアノ・ソナタ、弦楽四重奏曲、交響曲の全57曲を聴くマラソン(笑)もようやく1週間になります。ようやくベートーヴェンの代名詞と言える交響曲です。5日目と6日目の2日にわたって聴いた6曲・半ダースの弦楽四重奏曲が出版されたころに書かれたのが最初の交響曲第1番ハ長調作品21です。すぐれたピアニストとして演奏や貴族の教師、ピアノ・ソナタの作曲家として活躍しながら、弦楽四重奏曲などの室内楽曲を

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          生誕250周年「1か月でベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタと16曲の弦楽四重奏曲と9曲の交響曲をぜんぶ聴く!」⑥

          6日目「作品18の弦楽四重奏曲の後半3曲(第4番ハ短調、第5番イ長調、第6番変ロ長調)を聴く!」 6日目は、ベートーヴェンが最初に出版した6曲の弦楽四重奏曲作品18のうち後半の3曲を聴きます。 1.弦楽四重奏曲第4番ハ短調作品18-4 6曲・半ダースまとめて出版された作品18の弦楽四重奏曲のなかで、とくに印象的なのがこの第4番ハ短調です。まず6曲のなかで唯一、短調なこと。第1楽章の冒頭も低くぐくもって始まり、悲劇的なメロディーが展開していきます。同じ時期に書かれたピアノ・

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          生誕250周年「1か月でベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタと16曲の弦楽四重奏曲と9曲の交響曲をぜんぶ聴く!」⑤

          5日目「作品18の弦楽四重奏曲の前半3曲(第1番ヘ長調、第2番ト長調、第3番ニ長調)を聴く!」 1日目から4日目までずっとピアノ・ソナタだけを聴いてきましたが、やっと弦楽四重奏曲です(笑)。ベートーヴェンにとって最初に出版された6曲・半ダースの弦楽四重奏曲は1798年ごろから取り組み始めて、1800年に完成。1801年に出版されるまで、じっくりと準備されたと言われています。6曲は順番に「ヘ長調」、「ト長調」、「ニ長調」、「ハ短調」、「イ長調」、「変ロ長調」とすべて調性がちがう

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          生誕250周年「1か月でベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタと16曲の弦楽四重奏曲と9曲の交響曲をぜんぶ聴く!」④

          4日目「名曲『ピアノ・ソナタ第8番ハ短調“悲愴”』と作品14のピアノ・ソナタ2曲(第9番ホ長調、第10番ト長調)を聴く!」 1.ピアノ・ソナタ第8番ハ短調『悲愴』作品13 4日目になってようやく、だれもが知っている(であろう)名曲が聴けます(笑)。この曲に関しては、第1楽章の冒頭からとにかくドラマティックなフレーズと展開が印象的で気づいたら全曲が終わっていたというのが正直な感想ではないでしょうか。さすがに名曲と言われるだけのことはありますね。いきなり打ちつけられる和音につづ

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          3日目「作品10のピアノ・ソナタ3曲(第5番ハ短調、第6番ヘ長調、第7番ニ長調)を聴く!」 3日目は「作品10」として出版された3曲を聴きます。 1.ピアノ・ソナタ第5番ハ短調作品10-1 作品2の3曲と同じく、この3曲もそれぞれスタイルや個性が異なるのもベートーヴェンの強い意欲が感じられます。もう1つ大きな特徴が、この第5番ハ短調と第6番ヘ長調はともに3楽章で書かれていることです。印象的なフレーズを提示してそれを展開させていく第1楽章、おだやかで美しいメロディーの第2楽

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          生誕250周年「1か月でベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタと16曲の弦楽四重奏曲と9曲の交響曲をぜんぶ聴く!」②

          2日目「初期の傑作『ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調作品7』を聴く!」 1か月で57曲を聴きとおす試みですが、2日目はピアノ・ソナタ第4番変ホ長調ただ1曲だけを聴きます。というのも1日目に聞いた作品2のピアノ・ソナタ3曲(第1番ヘ短調、第2番イ長調、第3番ハ長調)にくらべてその内容も規模も大きく飛躍している1曲だからです。ベートーヴェンの作曲人生は、作品のスタイルや内容から前期・中期・後期に分類されますが、ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調はあきらかに初期の傑作といえます。 第1楽章

          生誕250周年「1か月でベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタと16曲の弦楽四重奏曲と9曲の交響曲をぜんぶ聴く!」②

          生誕250周年「1か月でベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタと16曲の弦楽四重奏曲と9曲の交響曲をぜんぶ聴く!」①

          1日目「作品2のピアノ・ソナタ3曲(第1番ヘ短調、第2番イ長調、第3番ハ長調)を聴く!」1日目は作品2-1、作品2-2、作品2‐3としてまとめられている3つのピアノ・ソナタを聴きます。「作品」というのは「作品番号」の略で、海外では「Op.」または「Opus」と表記されています。簡単に言えば、作曲家が手がけた楽曲のうち楽譜として出版された順番につけられた番号です。ベートーヴェンの作品には138までの作品番号がついています。 作品2のピアノ・ソナタ3曲が作曲されたのは1793~

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          生誕250周年「1か月でベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタと16曲の弦楽四重奏曲と9曲の交響曲をぜんぶ聴く!」

          はじめに今年、2020年はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン〔1770―1827〕の生誕250周年にあたります。このため欧米(とくにヨーロッパ)では2年ほど前から今年へ向けて新しいCDのリリースやコンサート実施がアナウンスされてきました。 ところが新型コロナウイルスの感染拡大からCDはともかく、コンサートの多くが延期または中止になってしまいました。日本では7都府県で、5月6日(水)までの外出自粛が要請されています。思いがけず時間ができたという方へ、この機会にベートーヴェン

          生誕250周年「1か月でベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタと16曲の弦楽四重奏曲と9曲の交響曲をぜんぶ聴く!」