カード会社との交渉、60万円返金

スキミング被害シリーズ(3)をお届けします。

ここまでのおさらい

イギリスに旅行に行っている間にスキミングされてて、留学資金半年分の預金60万円がすっからかんになりました。

4回に分けて書いています

パスポートの入出国日の消印に気が付く

家族からの送金、彼氏からの借金により当面の生活は保障されました。みなから支えられたことで元気を取り戻した私は被害を受けたお金を取り戻すことを強く決意しました。

なにか返金してもらえる良い手立てはないかと、旅行中の荷物をもう一度見直していた時に大きなことに気が付きます。

イギリスでお金が引き落とされたとき、現地にいないことはパスポートで証明できる!

パスポートにはイギリス入出国の日付が書かれたスタンプが押されていました。

EU内はシェンゲン協定により、パスポートなしで他の国に入国することができます。スペイン、イタリア、ドイツ、フランスなどはシェンゲン協定を結んでいますので、フライトで移動した場合にも、出国検査、入国検査はなくパスポートの確認もありません。しかし、イギリス(当時はEU加盟国でした)は協定外なので、私は入国審査を受けていました。

他の国であれば絶対に証明できなかったことが、イギリスだったために証明できた。不幸中の幸いに私は小躍りしました。

カード会社との2度目の交渉、お金が戻ってくるもしれない!?

意気揚々とカード会社と2度目の話し合いを行います。またしても朝6時から、でも今回は早起きもつらくありません。

「私のキャッシュカードは手元にあります。また、自分がいつまでイギリスにいたかをパスポートで証明することができます。引き落としが行われたのは、私がイギリスを出てから5日後のことだったので、私以外の誰かが、暗証番号を盗んでお金を盗んだに違いないです。」

と説明しました。

それでも私は私が犯人と連携してお金を取っている可能性が潰せていないことはわかっていました。

私が犯行当時北欧にいたことを証明できたとしても、犯人に私のクレジットカードのコピーを取らせた上で口頭で暗証番号を伝え、帰国後被害にあったと銀行に泣きつけば、今と同じ状況になるのですから。

はっきり言って、騙された側は非常に不利です。なぜならあなたが犯罪を犯していないことを証明しなければならないから。

存在するものを存在すると証明するのは簡単です。1つあるものを見つければ良いのですから。しかし、ないものを証明するには、全てのあり得る可能性を潰さなくてはなりません。

オペレータからの返答はこうでした。

「銀行が提携している保険会社の審査によって、補てんがされるかが決まります。保険会社への申請をいたしますので、そちらの用紙に記入いただき、また証拠となるもののコピーをお送りください。お金が戻ってくるかはそちらにかかっていますので、こちらでははっきりとはお答えできかねます」

最後の作戦、手紙で情に訴える
数日後、申請用紙を受け取った私はここが正念場だと感じました。

不利なのはわかっている。だから、せめて今私ができることをやらなければ。

私が決して犯罪を犯すような人間でないこと、苦労して交換留学のポストを得たこと、お金がなければ帰国しなければならない窮地に陥っていることが伝われば、もしかしたら返金してもらえるかもしれない。

用紙への記入、カードのコピー、パスポートのコピーとともに、思いが伝わるように直筆の手紙を書きました。

そこには、自分の家族がやっとのことで集めてくれたお金だということ、そして被害にあってしまった私の不注意もあり申し訳ないけれども、どうしても力になっていただきたいことを書き綴りました。

そして1か月後、一通の手紙が届き、そこには審査に通ったことが書かれていました。

長かった・・・。

そこから実際にお金が返ってきたのはさらに4か月後の6月ごろ、被害にあった時から実に半年経過していました。。。

スキミング被害にあって
非常に大変な体験でしたし、審査を受けている間はお金が戻ってくるのか非常に不安で、眠れない日々が続きました。

もう二度とこんな被害にあいたくないし、スキミングのない世の中になってほしいと強く願っています。

別のATMを使っていれば、とう後悔も、せっかくの楽しい思い出が一部苦い思い出に代わってしまったこともとても悲しかったです。

ただ、困ったときは相談すれば良い、ということに気付けたことは、その後の人生を送るうえで良い教訓になりました。

現状が変わらなくとも、人に話すことで精神的な負担は大きく軽減されます。もし、悩んでいる人を見つけたなら、そう声をかけてあげてください。

私の体験が同じトラブルでお困りの方の一助になれますように。

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