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空山 非金
2024年8月26日 19:10
あらすじ 大学生フェンシング、県大会、その決勝を賭けた一日。 一年生の航道柊吏は、準決勝へと駒を進めていた。 一六九センチ。大会に出場する選手の中で最小の騎士は、全国大会を目指して戦う。 六人の若い騎士達が鎬を削る、青春群像劇。 はじめに 本作〈KS〉は、二〇二二年の十月頃に「小説で戦闘シーンを表現する事の練習」を目的として執筆した作品に、一部加筆と修正をした作品です。
2024年1月8日 17:46
恋にも愛にも、オマケが付くのだと気が付いた。 思えば幼い頃から。足が速いからとか、優しくしてくれるからとか、大事な娘だからとか。 とにかく、人はオマケが付くから好きなのだ。 私もそうだったけれど、気が付いてみれば馬鹿馬鹿しくて、もう止めようと思っている。 それに気が付かせてくれた事実だけは高樹に感謝しよう。 ――いや、やっぱり無理。 思い至る事ができた切っ掛けと、今、胸の裡にあるごち
2023年12月26日 23:15
はじめに 本作「あなたへ」は、計二十三作品の短編小説と詩をまとめた、文章作品集となります。 各作品ごとに異なる題材を選んではいますが、全体を通してのテーマが「読者に訊ねたいこと」である為、この様な題名に致しました。 中にはこれを読むあなたが苦手とする表現が含まれている恐れもありますが、悪意の無い問いかけとして受け取って頂けたら幸いです。 読書家なあなたへ ふ、と。夢中になってい
2023年11月24日 22:35
はじめに 本作は二〇二二年七月十四日に執筆した短編小説を一部加筆修正したものです。 コレクター スティールラックに余裕が無かった。 両手でそっと持つ兎のフィギュアに目を落とし、どうしたものかとその頬を撫ぜる。 ポリ塩化ビニルで作られた量産品の兎は、実際の、生きている彼らのシルエットを巧みに写し取り、片手で握り込める程の大きさに縮小されていた。 全体的に光沢が無く、目には白のイ
2023年11月10日 21:41
居処不明 湯気の上る珈琲を音を立てて啜り、口端を上げて、自嘲気味な顔を作る。 彼はそういう男だった。「両の足で大地を踏む感覚が薄いのは、此処に居ないから。 心の拠り所を決め兼ねていて、絶えぬ流れに押し出される儘で、何かに縋る程度の勇気さえ持ち合わせていないからだ。 だから僕は友に光を見るんだ。 心の拠り所が見当たらなかったというのは、それは詰まり、家にさえ居場所を見出せなかったか
2022年10月2日 23:46
【 お読みになる前に 】 本記事にはルビ(読み仮名)が振られていません。 特殊な読み方をする単語はありませんが、読めない漢字は適宜ご自身でお調べ下さい。 また、本作は何らかの批判や、政治、宗教目的では作られていません。 創作物であるという事をご理解の上、お読み下さい。
2022年10月2日 23:40
【 お読みになる前に 】 本記事にはルビ(読み仮名)が振られていません。 特殊な読み方をする単語はありませんが、読めない漢字は適宜ご自身でお調べ下さい。 また、本作は何らかの批判や、政治、宗教目的では作られていません。 創作物であるという事をご理解の上、お読み下さい。 鳥籠の人 どういうつもりか、荷物を全部捨てた。 ポケットに入れていたスマートフォンや家の鍵まで全部詰め込んだ