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在庫切れや落下物を検知しスタッフに知らせる。店舗運営改善・顧客サービスの向上につながる小売業界向けロボット「Badger」のソリューション

2022年6月8日、アメリカの大手スーパーマーケットチェーンVallarta Supermarketsの店舗にあるロボットが導入されました。

ロボットの名前は「Badger」。 Badger Technologies社が開発する小売業界向けのロボットです。Badger Technologies社はBadgerを用いて小売業界の店舗運営の改善、運用コストの削減、利益の増加を実現することを目指しています。

Badgerを導入した結果、Vallarta Supermarketsでは落下した商品やゴミなどをより素早く見つけることができるようになりました。そのおかげで、Vallarta Supermarketsが店舗の安全性と清潔さを非常に重視していることが、スタッフや顧客に知られるようになったそうです。また、在庫切れや商品の配置の間違いを検知して知らせるため、スタッフは迅速にそれらに対処できます。

「他にも顧客サービスや労働効率の向上、リスク管理のためのデータを取得できるなどのメリットがある」と、Vallarta SupermarketsのSuzanne Wong氏は述べました。今回はBadgerが提供するソリューションについてご紹介します。

株式会社ユニキャストは、人とロボットによる未来の共創を目指すソフトウェア開発会社です。このマガジンでは、海外の情報を中心に様々な社会課題の解決のために開発されたロボットを紹介しています。また弊社では最新ロボットの導入支援も行っております!お気軽にご相談ください。

Badgerが解決する小売業界の課題4つ

1.在庫切れ

買おうと思っていたものが在庫切れで買えなかった…という経験はありませんか?在庫切れは小売業界の年間収益の平均4.1%の損失につながると言います。補充ができていれば失われないはずの収益があるのはもったいないですよね。

Badgerは自立走行で商品棚をスキャンし、在庫が切れている箇所を見つけるとスタッフに通知します。これによりスタッフは効率よく在庫を補充することができます。さらにBadgerは在庫切れのデータに基づいた補充リストを生成することも可能です。

2.適切な棚割りの維持

棚割りとは、商品を顧客が「見やすく、取りやすく、選びやすい」ように、用途・機能、デザイン、価格帯などのテーマ設定によって分類・整理し、関連する商品を効果的に組み合わせて、陳列位置を決めることです。

売り場に全く関係ない商品があるなどの場合は、棚割りが崩れてしまっていると言えるでしょう。 Badger Technologies社の調査によると、棚割りが最適でないと売り上げの約3%を失う可能性があるそうです。

Badgerはスキャンによって、間違った場所に置かれている商品を検出します。Badgerが巡回をすることで、スタッフの作業時間を週に20~30時間ぶん削減できるといいます。

Badger Technologies公式Youtubeより

3.価格設定の整合性

商品の価格設定が誤っていると収益の損失につながりかねません。そのため正しい値札がついているかの確認はとても重要な作業なのですが、人の手で行う場合は手間と時間がかかります。

Badgerは商品についている値札と棚割りで決めた価格を比較することで、正しい価格設定がされているかのチェックを行ってくれます。価格設定に矛盾がある場合はアラートを出してスタッフに知らせるので、素早く値札を修正することができます。

4.危険回避

Badgerは床をスキャンすることも可能です。床にコーヒー豆などの落下物や液体を検知すると、清掃が必要であることをスタッフに通知します。これにより店舗内の安全性と清潔さを向上させます。

商品棚を消毒。進化するBadgerのソリューション

店舗内の商品は不特定多数の人が触っている可能性があり、そこから何らかのウイルスに接触することも考えられます。今は特に新型コロナウイルスの感染が気になりますよね。こういった問題を解決するために提供されているのが、「Badger UV消毒ロボット」です。

Badger UV消毒ロボットは、UV消毒を行う自立型ロボットです。こちらもBadgerと同様、小売業界向けに展開されています。

▲ Badger Technologies社公式サイトより

Badger UV消毒ロボットには高度なUV-C技術が搭載されています。初期テストでは、新型コロナウイルス、大腸菌、サルモネラ菌、インフルエンザA型ウイルスを99%以上不活性化することができました。また、テストの結果、Badger UV消毒ロボットは約2時間で4万平方フィート(約3716.12平方メートル)の棚、通路、レジのエリアを殺菌したそうです。

殺菌効果ももちろんすごいのですが、個人的には定期的に店舗内を消毒していることをアピールすることで、顧客に安心感を与えることができる点もよいと思いました。

BadgerやBadger UV消毒ロボットによってスタッフが要らなくなるわけではないですが、ロボットが自立走行で店舗を見回り、異常があればアラートを出してくれることで、スタッフの作業効率が上がると考えられます。

Badger Technologies社は、Badgerの技術を利用した警備ロボット(PatrolBot)も提供しているようです。今後のソリューションの展開にも注目ですね!

ここまでご覧いただきありがとうございました。過去に在庫管理を自動化するロボット「Tally」に関する記事も書いていますので、もしよければそちらもご覧ください。

株式会社ユニキャストは、人とロボットによる未来の共創を目指すソフトウェア開発会社です。当社では、新規ロボット・ITシステムソフトウェアの開発や最新ロボットの導入支援を行っております! ご関心がございましたら、こちらのページからお気軽にご相談ください。

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