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映画部コラム

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U-NEXT映画部メンバーがリレー形式でお送りするコラムです。
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劇団☆新感線が「邦画」と「舞台・演劇」ジャンルにやってきた!ヤァ!ヤァ!ヤァ!

劇団☆新感線が「邦画」と「舞台・演劇」ジャンルにやってきた!ヤァ!ヤァ!ヤァ!

嬉しさのあまり勢いでビートルズの名盤を雑にオマージュしてしまいましたが、この「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」の部分、さっぱり意味が分からないのに喜びが伝わってきて最高ですよね。映画部の宮嶋です。

私にとってはそのくらい嬉しい出来事ということです、劇団☆新感線さんとのお取り組み!エンタメ好きならご存じの、超人気劇団「劇団☆新感線」。

映画好きならきっとご存じの「ゲキ×シネ」。新感線さんの作品を20台もの高

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無駄に悲しくなってしまわないように『PERFECT DAYS』を観る

無駄に悲しくなってしまわないように『PERFECT DAYS』を観る

U-NEXT映画部・林です。唐突ですが、人間って油断すると、どこまででも悲しくなれる生き物です。その気になれば、自分の人生のすべてを、いくらでも悲観し絶望することができる。その悲しみをもって内に向き続ければどんどん危うい精神状態になるし、悲しみの刃がひとたび外に向けばどんどん他罰的になってしまう。悲しくなる方向に突き進むのはいいことではないので、どこかでブレーキをかける必要があります。

例えば僕

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本を読むように観ている。ドキュメンタリー映画の話

本を読むように観ている。ドキュメンタリー映画の話

先月の話なのですが、『人間の境界』という映画を劇場で観て衝撃を受けました。映画部の宮嶋です。

ポーランドとベラルーシの国境で翻弄される難民たちや支援活動家、国境警備隊員の群像劇なんですが、観ていて「あれ、これドキュメンタリーだったかな」って思うほど真にせまっていて、衝撃を受けました。
「実際に難民だった過去や支援活動家の経験を持つ俳優をキャスティングした」(公式HPより)というリアリティもあり、

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映画ファンはもう絶対観て! 天才・二ノ宮隆太郎監督の新作『若武者』始まりました!

映画ファンはもう絶対観て! 天才・二ノ宮隆太郎監督の新作『若武者』始まりました!

U-NEXT映画部・林です。New Counter Films第1弾作品『若武者』、ついに劇場公開されました。世界同時公開、そして映画館に行きづらい方にも今すぐご覧いただけるように、U-NEXTでも税込1,900円で配信開始しています。(※New Counter Filmsについては後述します)

『若武者』を無理矢理にジャンル分けすると、青春映画、ということになるのかもしれませんが、通常のザ・青

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最近の嬉しかったお仕事話つらつら。(日本映画批評家大賞授賞式/演技への畏怖の話/企画段階から惚れ込んでいた作品について)

最近の嬉しかったお仕事話つらつら。(日本映画批評家大賞授賞式/演技への畏怖の話/企画段階から惚れ込んでいた作品について)

アイルランド出身の個性派俳優バリー・キオガンとディズニー・チャンネルから生まれたポップスター、サブリナ・カーペンターが交際中というゴシップを知り、「何なのその、ロマコメ映画並みにロマコメ感のあるカップルは…!!」とテンションがあがって以来、安心してバリー・キオガンを観られるようになりました。映画部の宮嶋です。

バリー・キオガンって、狂気じみていたり薄幸だったりする役柄のお芝居があまりにもうますぎ

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「めっちゃ泣いた」のその先へ。『あの花〜』鑑賞後には絶対これを観てほしい

「めっちゃ泣いた」のその先へ。『あの花〜』鑑賞後には絶対これを観てほしい

U-NEXT映画部・林です。昨年末公開された超話題作『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』が、いち早くU-NEXTで配信開始されました。

1945年にタイムスリップした現代の女子高生が特攻隊員の青年に恋をして…という物語が中高生を中心とした若年層に刺さり、当初の予想をはるかに超えて興収45億円を突破した本作。

若者に届いた要因は「とにかく泣ける」という宣伝であり、「めっちゃ泣いた」という口

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セリーヌ・ソンとアピチャッポンを観て、「静かだけれど雄弁な映画」について思いを馳せた。

セリーヌ・ソンとアピチャッポンを観て、「静かだけれど雄弁な映画」について思いを馳せた。

声に出して言いたい映画監督、アピチャッポン・ウィーラセタクン。面白がってるわけじゃなくて、こちらの表記、タイ語の発音を日本語カナでどう表記するかでかなり揺れて、結果的にご本人の発話をもとに「アピチャッポン・ウィーラセタクン」に統一されたそうです(wiki情報)。思わず大事に声にだしてみたくなりません?名前というアイデンティティに関わるものだからこそ、異言語での表記の仕方って難しいし、ご本人の発音を

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2024年の興行を牽引する映画はこれ!そしておそらく日本一早い年間興収予想発表!

2024年の興行を牽引する映画はこれ!そしておそらく日本一早い年間興収予想発表!

U-NEXT映画部の林です。2024年の第1Qが終わりました。ということで、スーパー気が早いですが、今年の年間興収はどこまでいくのでしょうか?昨年はGW明けにやったこの乱暴企画を、1ヶ月半早めてよりワイルドに決行します!

昨年は2421億円と予想して、結果は2214億円でした。9.1%の誤差、うーん微妙。後半の失速を読み切れなかったのは、ハリウッドのストのせいにしておきましょう。ちなみに、昨年の

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新しいエンタメの楽しみかた、広めかた。(New Counter Films、ハヤカワ文庫映画原作フェア、ゲキ×シネ meets U-NEXTの話)

新しいエンタメの楽しみかた、広めかた。(New Counter Films、ハヤカワ文庫映画原作フェア、ゲキ×シネ meets U-NEXTの話)

ずっとわちゃわちゃと準備してきたことがいくつか世に放たれまして(情報解禁されまして)、少しホッとしております。映画部の宮嶋です。

「忙しくて目がまわりそうだ!」と思っていたら先週本当に目がまわったんですけれど、内耳のなかにあるべき耳石がわちゃわちゃ移動して三半規管に入り込んだらしいです。耳石までわちゃわちゃしなくていいのに。落ち着いて、私の耳石。

そんなわけで、私の耳石もソワソワしちゃう新しい

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2023年の「いい日本映画」TOP10発表!

2023年の「いい日本映画」TOP10発表!

U-NEXT映画部の林です。いよいよ今年の映画賞レースも大詰め。ということで昨年に引き続き、各映画賞の結果を強引に得点化して、2023年の日本映画を評価軸でまとめてみます。

映画業界内で「権威がある」とされていたり、長い歴史があったり、受賞者が喜んで授賞式に訪れたり、という点を考慮して、8つの映画賞をピックアップ。

部門の作りが特殊ではなく、既に今年も発表されているアワードに限定しているので、

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傷ついた、苦しかったと認めることから始まるもの。『一月の声に歓びを刻め』とか、『哀れなるものたち』に見出した個人的な希望とか。

傷ついた、苦しかったと認めることから始まるもの。『一月の声に歓びを刻め』とか、『哀れなるものたち』に見出した個人的な希望とか。

私事ですが誕生日が近いせいか、これまでどう生きてきたのか、これからどう生きていこうか、というようなことを考えがちです。ちょっとノスタルジックになってるかもしれません、映画部の宮嶋です。

ちなみに、誰かを傷つけるような表現や、今でいうマイクロアグレッションが、身の回りでもメディアでも普通のこと、時には“面白いこと”としてまかり通っている時代に育って、大人になってからハタとそのことに気づいて愕然とし

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アフターコロナの映画界はこうなった(映連データを読み解く2024ver.)

アフターコロナの映画界はこうなった(映連データを読み解く2024ver.)

U-NEXT映画部の林です。映連から映画概況データが発表されましたので、昨年までと同様、この数字から気づいたことを書いていきます。コロナ禍真っ只中だった2年前はこの数字を元に、アフターコロナの映画界に思いを巡らせたわけですが…

アフターコロナが実際にやってきた2023年は、果たして映画界にとってどのような年になったのでしょうか。

公開本数は史上2位と完全復活

まずは公開本数から。邦画は史上2

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この春までの私的「観るぞ!」ラインナップ12作品(新作予習のためのおさらい作品情報つき)

この春までの私的「観るぞ!」ラインナップ12作品(新作予習のためのおさらい作品情報つき)

今年の映画館初めは、ユーロスペースさんで『ほかげ』『枯れ葉』をハシゴ。いずれも素晴らしく心に残る作品で、最高の2024年映画ライフの幕開けとなりました。映画部の宮嶋です。

今年もワタクシ的に期待しかない映画が続々と劇場公開されるので、もう鼻息荒くスケジュール帳に公開予定日を書きこむ日々です。

というわけで、この春までに公開される作品の中から、とりわけ楽しみにしているものを自分のための整理も兼ね

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映画の奥深さはここにあり!未公開洋画2023年TOP10発表!

映画の奥深さはここにあり!未公開洋画2023年TOP10発表!

U-NEXT映画部・林です。あと2週間で今年も終わり! U-NEXTの年間総合ランキングはもうまもなくリリースされると思いますので、ここでは昨年に引き続き、あまり世間から注目されていないけど重要な存在、未公開洋画の2023年TOP10をご紹介します。

未公開洋画とは「日本の映画館で公開されず、ダイレクトに配信 or DVDリリースされた外国映画」のこと。そして未公開洋画の楽しみ方は昨年、ここにま

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