東京で農場のパフェ


おうちで、見て、食べる、パフェ」。

第33回目として、紹介したいのは、

町村農場・丸の内店」さんである。



先に断っておかなければならないことがある。

今回ご紹介するのは、

パフェではなく、

「サンデー」と呼ばれるものだ。


なんだと?

おうちで、見て、食べる、パフェ」じゃないじゃん!

と、発狂しておられる方もいよう・・・



では、そもそも「パフェ」と「サンデー」の違いとはなんなのか。



結論からいってしまえば、

違いなどほぼない!



文献やネットで詳しく調べてみた。


まず、意味を辞書で見てみよう。

『日本国語大辞典』によると、以下の通りである(「サンデー」は立項されていないため、その元となった言葉「アイスクリーム・サンデー」の意味を記す)。


・パフェ〈{フランス}parfait 〉
アイスクリームに、果物、チョコレート、生クリームなどを添えた冷菓。
・アイスクリーム・サンデー〈{洋語}{英} ice cream +{英}sundae〉
アイスクリームの上に、果汁、ココア、チョコレートなどを載せたもの。


意味にほとんど差異はないことがわかる。



ただ、歴史的誕生の地に違いがあることがわかった。


パフェが、フランス発祥であるのに対し、

サンデーは、アメリカ発祥、というのだ(『違いがわかる事典』)。


以降、パフェ・サンデーともに日本に輸入、

現在では日本式にアレンジされ、

当時とはちがう形で人気を博している。



また、

パフェ評論家の斧屋氏が述べているように、

パフェは、層が重なっているグラスデザートで、

サンデーは、主役のアイスに他の素材が添えられているグラスデザートだと

いえそうだ。


つまり、まとめると、

〈パフェ〉
・フランス発祥
・多層のグラスデザート
〈サンデー〉
・アメリカ発祥
・アイスが主役のグラスデザート

ということになる。


斧屋氏が述べるように、

たとえば、デニーズなどでは、

背の高いパフェグラスに盛られたグラスデザートのことを

(普通は「パフェ」と思いそうなものを)

「サンデー」と名付けていたりもするので、

現在ではその違いは、曖昧になっているといえよう。


詰まるところ、

「パフェ」と「サンデー」に、

ほぼ違いはない!

という、冒頭の結論に至るのである。



名前はなににしろ、

変わりゆく楽しいグラスデザートを

わたしは「パフェ」と呼びたい。




で、本題。


好きな食べ物は?と聞かれたら、

迷わず「パフェ」と答えるわたしだが、

実は「チーズ」も大好物である。


チーズを存分に味わえるパフェはないのか・・・と

探していたら、あったのだ。


それが、「町村農場」さんだった。


場所は丸の内。

新丸ビル地下1階にあるお店だ。

何度か紹介した「パレドオール」さんからもすぐだ。


マスカルポーネとクリームチーズのはちみつサンデー


画像1


見てください。

絹のような美しい白さ。


構成は、単純明快。

マスカルポーネとクリームチーズが

ソフトクリームの上にドドンッと乗っかっており、

下層のソフトクリームの上には、

はちみつが敷き詰められている。


チーズとソフトクリームがとにかくたっぷりだ。


チーズ自体に甘みはないが、

はちみつと絡めて食べれば、素材の味が際立つ。

とてもおいしい。


さすがは、「農場」のソフトクリームとチーズだ。

濃厚だが、舌触りのよいクリーミーな食感。

しつこさがないから、さらさらいける。


おいしい。


なるほど、たしかに、

ベースが「ソフトクリーム」で、

そこに添えられるチーズと蜂蜜とクッキー。


単純明快な構成だから「サンデー」なのだろうか。


これくらいの軽さなら、

仕事終わりとか、少し小腹が空いたとか、

ちょっとした休憩がてらとか、

そういう場面でも使えそうである。





それにしても、文化はおもしろい。

輸入してきた文化が洗練されて、

さらに逆輸入するパターンは多々ある。


中国ルーツのラーメンが日本で発達し、

豚骨ラーメン店『一蘭』に中国人が行列をなしたり。


日本式カレーのチェーン店『ココイチ』が

インド進出へ乗り出していたり。



日本式パフェをいまのフランス人は、

どのように享受するだろうか。


美しさ、芸術性、おいしさ、計画性、

おもてなし、たのしさ、遊び心、セクシーさ・・・


ウケないわけがない。


この魅力は世界に発信すべきだと思う。


日本のパフェ、それほど価値のある存在だ。



この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?